東郷平八郎 - 弔詞

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問題文

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(かいりくのせんうんすでにさんじて まんとのわきあいあいどうようよろこびむかえてろくしんもんにまつ)

海陸ノ戰雲已ニ散シテ 滿都ノ和氣藹々童幼歓ヒ迎ヘテ六親門ニ待ツ

(これしょしとせいしをともにしたるしょうそつが たいとうのもとにがいせんせるけいじつのこうけいなり)

是レ諸子ト生死ヲ與ニシタル將卒カ 大纛ノ下ニ凱旋セル頃日ノ光景ナリ

(かいそうすればしょしらがごかんをおかし えんねつをふせぎしばしばけいてきとたたかうにあたりてや)

回想スレバ諸子等カ沍寒ヲ冒シ 炎熱ヲ凌ギ屡々勁敵ト鬪フニ當リテヤ

(せんきょくのぜんとはなおいまだしるによしなくしょしのゆくごとに まづそのちゅうしのさかえをえたるを)

戰局ノ前途ハ尚未ダ知ルニ由ナク諸子ノ逝ク毎ニ 先ツ其忠死ノ榮ヲ得タルヲ

(うらやみわれらもまたかならずしょしになろうてくんこくにむくうるをきせり)

羨ミ我等モ亦必ス諸子ニ倣フテ君國ニ報フルヲ期セリ

(しかるにしょしらのゆうせんふんとうはつねにそのこうかをそうし こうぐんたたかうごとにかたざることなく)

然ルニ諸子等ノ勇戰奮鬪ハ常ニ其功果ヲ奏シ 皇軍戰フ毎ニ勝タサルコトナク

(りょじゅんのれんこうじゅうえつげつにしてたいせいをさだめ にほんかいのおうせんいっきょにしょうはいをけっし)

旅順ノ連攻十閲月ニシテ大勢ヲ定メ 日本海ノ鏖戰一擧ニ勝敗ヲ決シ

(じごかいじょうまたてきえいをみざるにいたれり これもとよりむりょうのこうとくにもとずくといえどもまた)

爾後海上又敵影ヲ見サルニ至レリ 是レ固ヨリ無量ノ皇徳ニ基クト雖モ亦

(しょしらみをそとにわすれてほうこうしたるのいたすところならずんばあらず)

諸子等身ヲ外ニ忘レテ奉公シタルノ致ス所ナラスンハ非ス

(いまやせいせんそのおわりをつげ われらがいせんのしょうそつしこかんきのこうけいみるにあたり)

今ヤ征戰其終リヲ告ケ 我等凱旋ノ將卒四顧歓喜ノ光景ヲ見ルニ當リ

(しょしとこのよろこびをわかつあたわざることをなつい ひきこもごもいたりて)

諸子ト此ノ悦ヒヲ分ツ能ハザルコトヲ懐ヒ 悲喜交々至リテ

(かんがいいうべからざるものあるをおぼゆ しかれどもこんにちあるものはすなわちしょしが)

感慨言フ可ラサルモノアルヲ覺フ 然レトモ今日アルモノハ即チ諸子カ

(いっしのさかえあるゆえんにして しょしのちゅうれつはながくわがかいぐんのせいしんとなり)

一死ノ榮アル所以ニシテ 諸子ノ忠烈ハ永ク我海軍ノ精神トナリ

(もってていこくをむきゅうにしゅごせん ここにてんをあげてしょしの)

以テ帝國ヲ無窮ニ守護セン 茲ニ典ヲ擧ゲテ諸子ノ

(れいをまつりいささかかいをのべてちょうしにかう こいねがわくはきたりうけよ)

靈ヲ祭リ聊カ懐ヲ述ベテ弔詞ニ代フ 尚クハ来リ饗ケヨ

(めいじさんじゅうはちねんじゅうがつにじゅうくにち れんごうかんたいしれいちょうかんとうごうへいはちろう)

明治三十八年十月二十九日 聯合艦隊司令長官東郷平八郎

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