『マッチ売りの少女』アンデルセン2【完】
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https://typing.twi1.me/game/313066
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 777 | 6415 | S | 6.5 | 97.3% | 469.3 | 3095 | 84 | 65 | 2024/11/09 |
2 | BE | 4129 | C | 4.4 | 93.3% | 695.7 | 3094 | 221 | 65 | 2024/11/08 |
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問題文
(しょうじょは、またあたらしいまっちをすりました。)
少女は、また新しいマッチをすりました。
(まっちにひがつき、あたりはあかるくなりました。)
マッチに火がつき、あたりは明るくなりました。
(ひかりをかべにかざすと、かべはべーるのようにすきとおって、)
光を壁にかざすと、壁はベールのように透き通って、
(しょうじょはなかのへやをすかして、みることができました。)
少女は中の部屋を透かして、見ることができました。
(へやのなかには、かがやくようにしろいてーぶるくろすをかけたしょくたくがあって、)
部屋の中には、輝くように白いテーブルクロスをかけた食卓があって、
(りっぱなとうきのしょっきがならんでいます。)
立派な陶器の食器が並んでいます。
(しかもそこには、おなかにすももやりんごをつめてやいたがちょうが、)
しかもそこには、お腹にスモモやリンゴを詰めて焼いたガチョウが、
(ほかほかとおいしそうなゆげをたてているではありませんか。)
ホカホカとおいしそうな湯気を立てているではありませんか。
(けれど、もっとすばらしいことに、)
けれど、もっとすばらしいことに、
(そのがちょうはぴょいとおさらからとびおりて、)
そのガチョウはピョイとお皿から跳びおりて、
(せなかにふぉーくやないふをつきさしたまま、)
背中にフォークやナイフを突き刺したまま、
(ゆかのうえをよたよたとあるきだしたのです。)
床の上をヨタヨタと歩きだしたのです。
(そしてまずしいしょうじょのほうへ、まっすぐにやってくるのです。)
そして貧しい少女のほうへ、真っすぐにやって来るのです。
(するとそのとき、まっちのひはきえてしまいました。)
するとそのとき、マッチの火は消えてしまいました。
(そこには、ただあつくつめたいかべがみえるだけでした。)
そこには、ただ厚く冷たい壁が見えるだけでした。
(しょうじょは、またあたらしいまっちをすりました。)
少女は、また新しいマッチをすりました。
(するとこんどは、たとえられないほど、)
すると今度は、例えられないほど、
(うつくしいくりすますつりーのしたに、すわっているのでした。)
美しいクリスマスツリーの下に、座っているのでした。
(それは、きょねんのくりすますのときに、おかねもちのしょうにんのいえで、)
それは、去年のクリスマスのときに、お金持ちの商人の家で、
(がらすどごしにみたものよりも、ずっとおおきく、りっぱにかざってありました。)
ガラス戸越しに見たものよりも、ずっと大きく、立派に飾ってありました。
(なんぜんぼんともかぞえきれないほどの、たくさんのろうそくが、)
何千本とも数えきれないほどの、たくさんのロウソクが、
(みどりのえだのうえでもえていました。)
緑の枝の上で燃えていました。
(そして、しょうてんのかざりまどにならべてあるような、いろとりどりのうつくしいえが、)
そして、商店の飾り窓に並べてあるような、色とりどりの美しい絵が、
(じぶんのほうをむいて、みおろしているのです。)
自分のほうを向いて、見おろしているのです。
(おもわずしょうじょは、りょうてをそちらのほうへ、たかくのばしました。)
思わず少女は、両手をそちらのほうへ、高く伸ばしました。
(するとそのとき、まっちのひはきえてしまいました。)
するとそのとき、マッチの火は消えてしまいました。
(たくさんのくりすますつりーのひかりは、たかくのぼっていきました。)
たくさんのクリスマスツリーの光は、高くのぼっていきました。
(そしてとうとう、あかるいおほしさまになりました。)
そしてとうとう、明るいお星さまになりました。
(そのなかのひとつが、そらにながいひかりのおをひいて、おちていきました。)
その中の一つが、空に長い光の尾を引いて、落ちていきました。
(「ああ、だれかがしんだんだわ」と、しょうじょはいいました。)
「ああ、だれかが死んだんだわ」と、少女は言いました。
(なぜって、いまはこのせかいにはいませんが、せかいじゅうでたったひとりだけ、)
なぜって、今はこの世界にはいませんが、世界中でたった一人だけ、
(このこをかわいがってくれていたおばあさんが、よくこういっていたからです。)
この子を可愛がってくれていたおばあさんが、よくこう言っていたからです。
(「ほしがおちるときにはね、ひとりのたましいが、)
「星が落ちるときにはね、一人の魂が、
(かみさまのもとに、のぼっていくんだよ」)
神さまのもとに、のぼっていくんだよ」
(しょうじょは、またあたらしいまっちをすりました。)
少女は、また新しいマッチをすりました。
(あたりがぱっとあかるくなりました。)
あたりがパッと明るくなりました。
(そのひかりのなかに、あのおばあさんが、いかにもやさしく、)
その光の中に、あのおばあさんが、いかにも優しく、
(こうふくそうに、ひかりかがやいて、たっていました。)
幸福そうに、光り輝いて、立っていました。
(「おばあさん」と、しょうじょはさけびました。)
「おばあさん」と、少女は叫びました。
(「ああ、あたしもいっしょにつれていって。)
「ああ、あたしも一緒に連れていって。
(まっちのひがきえちゃえば、おばあさんはいっちゃうんでしょ。)
マッチの火が消えちゃえば、おばあさんは行っちゃうんでしょ。
(さっきの、あったかいすとーぶや、おいしそうなやきがちょう、)
さっきの、あったかいストーブや、おいしそうな焼きガチョウ、
(それから、あのおおきくて、すてきなくりすますつりーみたいに」)
それから、あの大きくて、すてきなクリスマスツリーみたいに」
(そういって、しょうじょはまっちのたばを、おおいそぎで、みんなすりました。)
そう言って、少女はマッチの束を、大急ぎで、みんなすりました。
(こうして、おばあさんをしっかりと、)
こうして、おばあさんをしっかりと、
(じぶんのそばにひきとめておこうとしたのです。)
自分のそばに引き留めておこうとしたのです。
(まっちはもえあがって、あたりはまひるよりも、もっとあかるくなりました。)
マッチは燃えあがって、あたりは真昼よりも、もっと明るくなりました。
(おばあさんが、このときよりもうつくしく、)
おばあさんが、このときよりも美しく、
(おおきくみえたことはありませんでした。)
大きく見えたことはありませんでした。
(おばあさんは、ちいさなしょうじょをうでにだきあげました。)
おばあさんは、小さな少女を腕に抱き上げました。
(ふたりは、ひかりとよろこびにつつまれながら、たかく、てんへとのぼっていきました。)
二人は、光と喜びに包まれながら、高く、天へと昇っていきました。
(もうしょうじょには、さむさやくうふく、こわいものもありません。)
もう少女には、寒さや空腹、怖いものもありません。
(ふたりは、かみさまのもとに、めされていったのです。)
二人は、神さまのもとに、召されていったのです。
(けれども、さむいよくじつのあさのこと、あのいえのすみっこには、)
けれども、寒い翌日の朝のこと、あの家のすみっこには、
(ちいさなしょうじょがほおをあかくして、くちもとにはほほえみをうかべて、)
小さな少女が頬を赤くして、口元にはほほえみを浮べて、
(うずくまっていました。ああ、でもしんでいたのです。)
うずくまっていました。ああ、でも死んでいたのです。
(おおみそかのばんに、つめたくこごえ、しんでしまったのでした。)
おおみそかの晩に、冷たく凍え、死んでしまったのでした。
(しんねんのおひさまがのぼって、ちいさななきがらをてらしました。)
新年のお日さまが昇って、小さななきがらを照らしました。
(しょうじょは、まっちのたばをもったまま、うずくまっていましたが、)
少女は、マッチの束を持ったまま、うずくまっていましたが、
(そのなかのひとたばは、もうほとんどもえきっていました。)
その中の一束は、もうほとんど燃えきっていました。
(「このこは、あたたまろうとしたんだね」と、ひとびとはいいました。)
「この子は、暖まろうとしたんだね」と、人々は言いました。
(けれども、しょうじょがどんなにうつくしいものをみたかということも、)
けれども、少女がどんなに美しいものを見たかということも、
(また、どんなひかりにつつまれて、おばあさんといっしょに、)
また、どんな光に包まれて、おばあさんと一緒に、
(うれしいしんねんをむかえに、てんごくへのぼっていったかということも、)
嬉しい新年を迎えに、天国へ昇っていったかということも、
(だれひとり、しっているひとはおりませんでした。)
だれ一人、知っている人はおりませんでした。