忘れな月夜
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歌詞(問題文)
(よいやみのそらにみあげたつきがどこかなつかしく)
宵闇の空に... 見上げた月が... 何処か懐かしく...
(ふいになぜかひとすじのあめ)
不意に何故か... ひとすじの《雫》
(ふりそそぎうかびあがるかけぬけたかこのひかり)
降り注ぎ... 浮かび上がる... 駆け抜けた《追憶》の《幻燈》
(ひとさしゆびですくいあげたむじゅんをこばむようにつぶやいた)
人差し指で... 掬い上げた... 矛盾を《否定する》ように呟いた...
(わたししあわせだと)
私... 幸せだと...
(りんとつめたいせいひつなあさのくうきさしこむひかりひとりきるじゅうじ)
凛と冷たい 静謐な朝の空気 差し込む光 独り切る十字
(いのりをささげるみちたりたしあわせかんじながらもふとかえりみる)
祈りを捧げる 充ち足りた幸せ 感じながらも ふと顧みる
(きぞくのうたげははかないゆめおどるあいてもえらべぬまま)
貴族の《婚姻》は 儚い《一夜の幻想》 踊る相手も選べぬまま
(せぞくのゆうぎにくみこまれてせまいとりかごでせいをおえる)
世俗の《権力争い》に 組み込まれて... 狭い鳥籠で 《生涯》を終える…
(そのおりのなかからぬけだしたのはじぶんのいしなどではなく)
その檻の中から 抜け出したのは 自分の意思などではなく
(ただがらくたのようにしょぶんされただけ)
唯... 《役に立たない欠陥品》のように 処分されただけ……
(こをなせぬおんなはただそれだけでつみだというのなら)
子を生せぬ女は 唯それだけで 罪だと言うのなら
(そんなせかいにみれんなどないわかえってせいせいするわ)
そんな【第九の現実】に 未練などないわ 却って清々するわ
(こちらからねがいさげだわ)
こちらから願い下げだわ!
(そっこうげっこうせんていこうげっこうがみてた)
速攻 → 激昂 → 選帝侯← 月光が見てた……
(おとしをめしたかたのあさはいつもおはやいことっ)
お年を召した方の朝はいつもお早いことっ!!
(かざりたてたあくいをせなかでうけながす)
飾り立てた悪意を 背中で受け流す
(はなよめしゅぎょうのしゅうどうせいかつもはんてきなきぞくのしじょにとって)
花嫁修業の修道生活 模範的な貴族の子女にとって
(わたしはさいていのもはんかいとうきひすべきさいあくのみらい)
私は最低の模範解答 忌避すべき最悪の未来
(おんなのきせつはみじかいなつまたたくあいまにとおりすぎる)
女の《出産適齢期》は 短い《一瞬の季節》 瞬く合間に通り過ぎる
(せつなのきじゅんにもてあそばれ)
刹那の《価値観》に 弄ばれ
(せまいとりかごでせいをしばる)
狭い《然れど本質的な同調圧力》で 《生涯》を縛る……
(そのおりのなかからぬけだしてじぶんのいしではばたける)
その檻の中から 抜け出して 自分の意思で羽撃ける
(そんなじだいがいつかくるのでしょうか)
そんな《女性にとって自由な時》が何時か来るのでしょうか?
(おねぼうさんたちがおきてきてまたあたらしいあさがはじまるわ)
お寝坊さん達が起きて来て また新しい朝が始まるわ
(かけよってくちづけるみっつのくちびるからつむがれるふたつの)
駆け寄って口接ける三つの 唇から紡がれる二つの
(いっひりーべでぃっひ)
「「《大好き♪》」」
(ああおやにうとまれたくされたかわいそうなてんしたちは)
嗚呼... 親に疎まれ 託された可哀想な 天使達は
(みなむじゃきにわらうけれど)
皆... 無邪気に笑うけれど――
(ひとりはみみにひとりはめにそしてひとりはのどにおもいしょうがいがあった)
一人は耳に 一人は目に そして 一人は喉に 重い障碍があった……
(ああやさしさをうむはははつよさではなくいたみなのだむしろつよさはそのむすめ)
嗚呼… 優しさを生む 母は強さではなく 痛みなのだ 寧ろ 強さはその娘
(しんこうのうすいむすめにすてごとやゆされても)
信仰の薄い《腰掛け見習い修道女》に 捨て子と揶揄されても
(へいきっえりーぜむってぃがいるからっ)
「「平気っ エリーゼ・ムッティがいるからっ!」」
(おおしゅよあいとはなんのために)
於呼... 主よ... 愛とは何の為に...
(ぼせいとはだれのためにあるのでしょうか)
母性とは誰の為に... あるのでしょうか?
(おおしゅよせいとはなんのために)
於呼… 主よ... 生とは何の為に...
(けつえんとはだれのためにあるのでしょうか)
血縁とは誰の為に... あるのでしょうか?
(こうかいなどしていないわああこれがわたしのじんせい)
後悔などしていないわ。 嗚呼... これが私の人生。
(でぃーはいりげでも)
《特別に慕われるような聖女》でも、
(でぃーへくせでもないわ)
《格別に憎まれるような魔女》でもないわ。
(わたしはえりーざべと)
私は【一人の女】。
(ただのえりーざべと)
唯の【同じ生の哀しみを抱いた隣人を愛する一人の人間】
(よいやみのそらにみあげたつきがどこかなつかしく)
宵闇の空に... 見上げた月が... 何処か懐かしく...
(ふいになぜかひとすじのあめ)
不意に何故か... ひとすじの《雫》