時間からの影 第一章_3
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAKU | 7376 | 神話生物 | 7.6 | 96.3% | 614.1 | 4711 | 181 | 79 | 2024/10/11 |
2 | subaru | 6872 | 主人公 | 7.1 | 95.8% | 650.6 | 4673 | 202 | 79 | 2024/10/15 |
3 | zero | 6291 | 探索者 | 6.5 | 96.5% | 725.3 | 4730 | 167 | 79 | 2024/10/14 |
4 | りく | 5877 | ミスカトニック大学生 | 6.0 | 97.8% | 794.1 | 4773 | 106 | 79 | 2024/10/09 |
5 | もっちゃん先生 | 4404 | 中級者 | 4.6 | 94.7% | 1011.0 | 4714 | 261 | 79 | 2024/10/16 |
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問題文
(しょだいがくにおけるわたしのとうりゅうはいじょうなほどのきゅうしゅうのうりょくでちゅうもくされていた。)
諸大学における私の逗留は異常な程の吸収能力で注目されていた。
(だいにじんかくがわたしじしんよりもはるかにこうどなちせいをもってでもいたかのように。)
第二人格が私自身よりも遥かに高度な知性を持ってでもいたかのように。
(どくしょとどくがくのはやさもまたなみなみならぬものだったことがわかった。)
読書と独学の速さもまた並々ならぬものだったことが判った。
(ほんのぺーじをめくるやいなやひとめでさいぶまでますたーしてしまい、)
本のページをめくるや否や一目で細部までマスターしてしまい、
(ふくざつなずひょうをしゅんじにかいしゃくするぎのうはまぎれもなくいふすべきりょういきにたっしていた。)
複雑な図表を瞬時に解釈する技能は紛れも無く畏怖すべき領域に達していた。
(わたしにはたにんのしこうやこうどうにえいきょうをあたえるちからがあり、)
私には他人の思考や行動に影響を与える力があり、
(できるだけおもてざたにしないようちゅういしていたらしいが、)
できるだけ表沙汰にしないよう注意していたらしいが、
(それでもそののうりょくにかんするふゆかいといってもいいほうこくがさんけんされた。)
それでもその能力に関する不愉快といってもいい報告が散見された。
(ほかにも、わたしがおかるとしゃのぐるーぷや、けんおすべきこだいせかいのひきょうをたばねる)
他にも、私がオカルト者のグループや、嫌悪すべき古代世界の秘教を束ねる
(めいじょうしがたいしゅうだんとのかんけいがとりざたされているがくしゃたちとじっこんであるという)
名状し難い集団との関係が取り沙汰されている学者たちと昵懇であるという
(ふゆかいなほうこくがあった。これらのうわさはとうじしょうめいされることはなかったのだが)
不愉快な報告があった。これらの噂は当時証明されることはなかったのだが
(うたがいもなく、しゅうちされていたわたしのどくしょけいこうによってしげきされたものだった)
疑いもなく、周知されていた私の読書傾向によって刺激されたものだった
(きこうしょのえつらんをひみつりにとしょかんにせいきゅうすることはできないからだ。)
稀覯書の閲覧を秘密裡に図書館に請求することはできないからだ。
(うごかしがたいしょうこぼうちゅうというかたちのがあり、それによると、)
動かし難い証拠傍注という形のがあり、それによると、
(わたしはだれっとはくしゃくの「ししょくきょうてんぎ」、るーどヴぃっひぷりんの「ようそのひみつ」)
私はダレット伯爵の『屍食教典儀』、ルードヴィッヒ・プリンの『妖蛆の秘密』
(ふぉんゆんつとの「むめいさいししょ」、とうわくすべき「えいぼんのしょ」の)
フォン・ユンツトの『無名祭祀書』、当惑すべき『エイボンの書』の
(いまにのこるだんぺん、くるえるあらぶじん、あぶどぅるあるはずれっどの)
今に残る断片、狂えるアラブ人、アブドゥル・アルハズレッドの
(おそるべき「ねくろのみこん」といったしょもつをせいどくしていた。)
恐るべき『ネクロノミコン』といった書物を精読していた。
(さらに、わたしのきみょうなへんようとときをおなじくして、ちかかるとかつどうのあらたな、じゃあくななみが)
更に、私の奇妙な変容と時を同じくして、地下カルト活動の新たな、邪悪な波が
(はじまったこともまたぎろんのよちがない。)
始まったこともまた議論の余地がない。
(1913ねんのなつに、わたしはあんにゅいなようすをみせはじめ、それまでのきょうみを)
一九一三年の夏に、私はアンニュイな様子を見せ始め、それまでの興味を
(うしなっていき、じぶんのなかでへんかがおこりそうだと)
失っていき、自分の中で変化が起こりそうだと
(さまざまなどうりょうにほのめかすようになった。)
様々な同僚に仄めかすようになった。
(いぜんのきおくがもどりつつあるといったのだが、それをきいたひとたちは)
以前の記憶が戻りつつあると言ったのだが、それを聞いた人たちは
(わたしがほんとうのことをはなしていないとはんだんした。)
私が本当のことを話していないと判断した。
(わたしがおもいだしたといっているものはおざなりであり、)
私が思い出したといっているものはおざなりであり、
(すべてむかしのこじんてきなしょるいをみればしることができるものばかりだったからだ。)
全て昔の個人的な書類を見れば知ることができるものばかりだったからだ。
(わたしははちがつなかばにあーかむにもどり、ちょうきかんへいさしていた)
私は八月半ばにアーカムに戻り、長期間閉鎖していた
(くれいんがいのいえにふたたびおちついた。)
クレイン街の家に再び落ち着いた。
(ここにわたしはこのうえなくきみょうながいかんのそうちをせっちした。)
ここに私はこの上なく奇妙な外観の装置を設置した。
(おうしゅうとべいこくのおおくのかがくききめーかからばらばらにとりよせたぶひんを)
欧州と米国の多くの科学機器メーカからばらばらに取り寄せた部品を
(くみあわせたもので、それをかいせきできるだけのちりょくをもったじんぶつのめに)
組み合わせたもので、それを解析できるだけの知力を持った人物の目に
(いっさいふれないようちゅういぶかくかんしした。みたものしょくにんがひとり、しようにんがひとり、)
一切触れないよう注意深く監視した。見た者職人が一人、使用人が一人、
(あたらしいかせいふがいうには、)
新しい家政婦が言うには、
(それはわずかにたかさろくじゅうせんちめーとる、はばさんじゅうせんちめーとる、)
それは僅かに高さ六十センチメートル、幅三十センチメートル、
(おくゆきさんじゅうせんちめーとるほどにすぎなかったが、)
奥行き三十センチメートル程に過ぎなかったが、
(ふくすうのぼう、えんかん、およびかがみのきみょうなこんごうぶつだった。かがみのなかでちゅうおうのものは)
複数の棒、円環、及び鏡の奇妙な混合物だった。鏡の中で中央のものは
(えんけいのとつめんきょうだった。あたれるかぎりのめーかをあたったけっか、)
円形の凸面鏡だった。当れる限りのメーカを当った結果、
(そのすべてにうらづけがとれた。)
その全てに裏付けがとれた。
(くがつにじゅうろくにちきんようびのゆうがた、わたしはかせいふとめいどによくひるまでひまをとらせた。)
九月二十六日金曜日の夕方、私は家政婦とメイドに翌昼まで暇をとらせた。
(いえにはよるおそくまでとうかがともり、やせたいろぐろのみょうにいこくふうのおとこがじどうしゃで)
家には夜遅くまで灯火がともり、痩せた色黒の妙に異国風の男が自動車で
(たずねてきた。とうかがさいごにみられたのはごぜんいちじごろだった。)
訪ねてきた。灯火が最後に見られたのは午前一時ごろだった。
(ごぜんにじじゅうごふん、けいかんがとうかがきえていることをみているが、よそもののくるまは)
午前二時十五分、警官が灯火が消えていることを見ているが、余所者の車は
(なおほどうのえんにあった。このくるまはよじにはたしかにたちさっていた。)
なお歩道の縁にあった。この車は四時には確かに立ち去っていた。
(くちごもったかんじのがいこくじんのこえでうぃるそんいしにわがやへのおうしんを)
口ごもった感じの外国人の声でウィルソン医師に我が家への往診を
(いらいするでんわがあったのはごぜんろくじのことだった。)
依頼する電話が有ったのは午前六時のことだった。
(わたしがきみょうなしっしんをおこしたのでなんとかしてくれというのだ。)
私が奇妙な失神を起こしたのでなんとかしてくれというのだ。
(このでんわちょうきょりでんわだったはのちのついせきによってぼすとんの)
この電話長距離電話だったは後の追跡によってボストンの
(のーすすてーしょんのこうしゅうでんわからはっこされたことがはんめいしたが、)
ノース・ステーションの公衆電話から発呼されたことが判明したが、
(やせたいこくじんのゆくえはようとしてしれなかった。)
痩せた異国人の行方は杳として知れなかった。
(わがやにとうちゃくしたいしは、わたしがいまでいしきをうしなっているのをはっけんした)
我が家に到着した医師は、私が居間で意識を失っているのを発見した
(あんらくいすのなかで、そのまえにはてーぶるがひきよせてあった。)
安楽椅子の中で、その前にはテーブルが引き寄せてあった。
(みがかれたてんぱんにはふくすうのすりきずがあり、なにかじゅうりょうのあるぶったいが)
磨かれた天板には複数の擦り傷があり、何か重量のある物体が
(おかれていたことをしめしていた。きみょうなそうちはうせており、)
置かれていたことを示していた。奇妙な装置は失せており、
(それについてのちにみみにすることもなかった。)
それについて後に耳にすることもなかった。
(うたがいなく、いろぐろのやせたいこくじんがもちさったのだ。)
疑いなく、色黒の痩せた異国人が持ち去ったのだ。
(としょしつのだんろにはたいりょうのはいがあり、けんぼうしょうがこうりんしていらい)
図書室の暖炉には大量の灰があり、健忘症が降臨して以来
(かいてきたものをほごにし、それをいちまいのこらずやきすてようとしたこんせきなのが)
書いてきたものを反古にし、それを一枚残らず焼き捨てようとした痕跡なのが
(あきらかだった。うぃるそんいしはわたしのこきゅうが)
明らかだった。ウィルソン医師は私の呼吸が
(きみょうにもみだれていることにきづいたが、ひかちゅうしゃをしたところ、)
奇妙にも乱れていることに気づいたが、皮下注射をしたところ、
(よりきそくただしくなった。)
より規則正しくなった。
(くがつにじゅうななにちごぜんじゅういちじじゅうごふん、わたしはいきいきとしたうごきをしめし、)
九月二十七日午前十一時十五分、私は生き生きとした動きを示し、
(これまでのかめんようのかおにひょうじょうのいろをうかべた。)
これまでの仮面様の顔に表情の色を浮かべた。
(うぃるそんいしのしょけんでは、)
ウィルソン医師の所見では、
(そのひょうじょうはだいにじんかくのものではなく、)
その表情は第二人格のものではなく、
(わたしのせいじょうなじんかくのものににていた。)
私の正常な人格のものに似ていた。
(じゅういちじさんじゅうぶん、わたしはいくつかのひじょうにふうがわりなおんせつをつぶやいた)
十一時三十分、私はいくつかの非常に風変わりな音節を呟いた
(いかなるにんげんのかいわともかんれんのないおんせつだ。)
いかなる人間の会話とも関連のない音節だ。
(わたしはまた、なにかにたいしてあらそっているようだった。)
私はまた、何かに対して争っているようだった。
(そして、ちょうどごごになったときそのあいだにかせいふとめいどがもどってきていたのだが)
そして、丁度午後になった時その間に家政婦とメイドが戻ってきていたのだが
(わたしはえいごをつぶやきはじめた。)
私は英語を呟き始めた。
(「とうじのせいとうはのけいざいがくしゃのなかで、じぇヴぉんずは)
「当時の正統派の経済学者の中で、ジェヴォンズは
(かがくてきそうかんせいにむかうこうはんなちょうりゅうをだいひょうするじんぶつであった。)
科学的相関性に向かう広汎な潮流を代表する人物であった。
(けいきじゅんかんというけいざいのさいくると、たいようこくてんのぞうげんという)
景気循環という経済のサイクルと、太陽黒点の増減という
(ぶつりがくのさいくるをむすびつけようとするかれのくわだては、)
物理学のサイクルを結びつけようとする彼の企ては、
(そのちょうてんをなすものにして」)
その頂点をなすものにして」
(なさにえるうぃんげいとぴーずりーがかえってきた)
ナサニエル・ウィンゲイト・ピーズリーが帰ってきた
(かれじしんのこころのときを1908ねんのもくようびのあさにとどめ、)
彼自身の心の時を一九〇八年の木曜日の朝にとどめ、
(けいざいがくのくらすできょうだんのうえのつかいこまれたつくえをぎょうししながら。)
経済学のクラスで教壇の上の使い込まれた机を凝視しながら。