星の王子さま 6
関連タイピング
-
夏目漱石
プレイ回数16万長文かな512打 -
谷崎潤一郎の中編小説です
プレイ回数953長文6132打 -
グロースターのねずみたちは、秘密の道を使って、町中を駆け回った
プレイ回数1311長文1282打 -
プレイ回数371長文1086打
-
グロースターのまちにひとりの年寄りの仕立屋が住んでいた
プレイ回数1985長文1142打 -
夏目漱石「こころ」3-47
プレイ回数837長文2140打 -
ねこのシンプキンは、仕立屋から4ペンスをもらい、お使いに出かけた
プレイ回数1118長文1073打 -
後ろの壁際の食器棚のほうから奇妙な音が、カタコトカタコトカタ!
プレイ回数1086長文1141打
問題文
(ああ!ちいさなおうじさま、)
ああ!小さな王子さま、
(こうしてぼくは、ささやかでせつないきみのじんせいを、 すこしずつりかいしていった。)
こうして僕は、ささやかでせつないきみの人生を、 少しずつ理解していった。
(きみにはながいあいだ、 やさしさにみちたゆうぐれどきのけしきしか)
きみには長いあいだ、 やさしさに満ちた夕暮れどきの景色しか
(こころをなぐさめてくれるものがなかったことも。)
心をなぐさめてくれるものがなかったことも。
(このあたらしいはなしを、ぼくはよっかめのあさ、 きみがこういったときにしった。)
この新しい話を、僕は四日目の朝、 きみがこう言ったときに知った。
(「ぼく、ゆうひがだいすきなの。みにいこうよ、ゆうひを・・・・・・」)
「ぼく、夕陽が大好きなの。見に行こうよ、夕陽を……」
(「でもまたなくちゃ・・・・・・」)
「でも待たなくちゃ……」
(「まつって、なにを?」)
「待つって、なにを?」
(「ひがしずむのを」)
「陽が沈むのを」
(さいしょきみは、びっくりしたようなかおになった。)
最初きみは、びっくりしたような顔になった。
(でもすぐにわらいだして、こういった。)
でもすぐに笑いだして、こう言った。
(「じぶんのほしにいるつもりになってた!」)
「自分の星にいるつもりになってた!」
(そうだね。)
そうだね。
(あめりかでしょうごのとき、ふらんすでは、)
アメリカで正午のとき、フランスでは、
(みんなもしってのとおり、ひがしずんでいくわけだ。)
みんなも知ってのとおり、日が沈んでいくわけだ。
(だからもしいっぷんでふらんすまでいけるなら、 それでゆうひがみられる、)
だからもし一分でフランスまで行けるなら、 それで夕陽が見られる、
(でもざんねんながら、 ふらんすはもっとずっととおいところにある。)
でも残念ながら、 フランスはもっとずっと遠いところにある。
(ところがきみのちいさなほしでは、 ほんのなんほかいすをうごかせばいいだけだった。)
ところがきみの小さな星では、 ほんの何歩かいすを動かせばいいだけだった。
(そうすれば、 みたいときにいつでもゆうぐれのこうけいがみられる・・・・・・)
そうすれば、 見たいときにいつでも夕暮れの光景が見られる……
(「ねえ・・・・・・かなしくてたまらないときは、 ゆうひがみたくなるよね・・・・・・」)
「ねえ……悲しくてたまらないときは、 夕陽が見たくなるよね……」
(「じゃあよんじゅうよんかいみたひは、 きみはかなしくてたまらなかったの?」)
「じゃあ四十四回見た日は、 きみは悲しくてたまらなかったの?」
(おうじさまは、こたえなかった。)
王子さまは、答えなかった。