星の王子さま 7
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | おもち | 6632 | S+ | 7.0 | 94.8% | 538.9 | 3777 | 203 | 99 | 2024/11/17 |
2 | てにあ | 5108 | B+ | 5.3 | 96.3% | 708.1 | 3760 | 143 | 99 | 2024/12/04 |
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問題文
(いつかめ、またもひつじのおかげで、 おうじさまのひみつがひとつあきらかになった。)
五日目、またもヒツジのおかげで、 王子さまの秘密がひとつ明らかになった。
(ながいあいだ、 だまってかんがえてきたもんだいがようやくときをえたように、)
長いあいだ、 黙って考えてきた問題がようやく時を得たように、
(おうじさまはいきなり、なんのまえおきもなく、 ぼくにたずねた。)
王子さまはいきなり、なんの前置きもなく、 僕にたずねた。
(「ひつじって、ちいさなきをたべるんだから、 はなもたべる?」)
「ヒツジって、小さな木を食べるんだから、 花も食べる?」
(「ひつじはでくわしたものを、 なんでもくっちまうよ」)
「ヒツジは出くわしたものを、 なんでも食っちまうよ」
(「とげのあるはなでも?」)
「トゲのある花でも?」
(「そう。とげのあるはなでも」)
「そう。トゲのある花でも」
(「それならとげは、なんのためにあるの?」)
「それならトゲは、なんのためにあるの?」
(そんなことはしらない。)
そんなことは知らない。
(そのときぼくは、 かたくしまりすぎているえんじんのぼるとをゆるめようと、)
そのとき僕は、 かたく締りすぎているエンジンのボルトをゆるめようと、
(てがはなせないでいた。)
手が離せないでいた。
(ひこうきのこしょうはそうとうじゅうだいだとわかってきて、 きがきではなかったし、)
飛行機の故障はそうとう重大だとわかってきて、 気が気ではなかったし、
(のみみずもなくなりかけていて、 さいあくのじたいにおびえてもいた。)
飲み水もなくなりかけていて、 最悪の事態におびえてもいた。
(「とげは、なんのためにあるの?」)
「トゲは、なんのためにあるの?」
(ちいさなおうじさまは、いちどしつもんしたら、 けっしてあきらめない。)
小さな王子さまは、一度質問したら、 けっしてあきらめない。
(だがぼくはぼるとでいらいらしていたので、 てきとうにこたえた。)
だが僕はボルトでいらいらしていたので、 てきとうに答えた。
(「とげなんて、なんのやくにもたたない。)
「トゲなんて、なんの役にも立たない。
(あれは、はなのいじわるいがいのなにものでもない」)
あれは、花のいじわる以外のなにものでもない」
(「ええ?」)
「ええ?」
(だがいっしゅんしずかになったあと、 おうじさまはくやしそうにいった。)
だが一瞬静かになったあと、 王子さまはくやしそうに言った。
(「そんなのしんじない!)
「そんなの信じない!
(はなはよわいんだ。)
花は弱いんだ。
(ものもしらない。)
ものも知らない。
(でもできるだけのことをして、じぶんをまもってる。)
でもできるだけのことをして、自分を守ってる。
(とげがあれば、 みんなこわがるとおもってるんだ・・・・・・」)
トゲがあれば、 みんなこわがると思ってるんだ……」
(ぼくはもうこたえなかった。)
僕はもう答えなかった。
(このときはこうかんがえていたのだ。)
このときはこう考えていたのだ。
(<どうしてもこのぼるとがまわらないなら、 かなづちでぶったたいてみるか>)
<どうしてもこのボルトがまわらないなら、 かなづちでぶったたいてみるか>
(と。)
と。
(だがおうじさまが、 またわってはいってきた。)
だが王子さまが、 また割って入ってきた。
(「でもきみ、 きみはそうおもってるの、はなが・・・・・・」)
「でもきみ、 きみはそう思ってるの、花が……」
(「いいや!ちがう! ぼくはなんにもおもってやしない!)
「いいや!ちがう! 僕はなんにも思ってやしない!
(てきとうにこたえただけだ。)
てきとうに答えただけだ。
(だいじなことで、いそがしいんだ、ぼくは!」)
大事なことで、忙しいんだ、僕は!」
(おうじさまは、ぼうぜんとしてこちらをみつめた。)
王子さまは、ぼう然としてこちらを見つめた。
(「だいじなこと!」)
「大事なこと!」
(かなづちをてに、 よごれたきかいあぶらでゆびさきをまっくろにして、)
かなづちを手に、 汚れた機械油で指先をまっ黒にして、
(へんなかっこうにみえているにちがいないぶったいに かがみこんでいるぼくを、)
変なかっこうに見えているにちがいない物体に かがみ込んでいる僕を、
(おうじさまはみていた。)
王子さまは見ていた。
(「おとなみたいないいかただ!」)
「おとなみたいな言い方だ!」
(ぼくは、すこしわれにかえって、はずかしくなった。)
僕は、少しわれに返って、恥ずかしくなった。
(でもようしゃなく、おうじさまはつづけた。)
でも容赦なく、王子さまは続けた。
(「きみはごちゃまぜにしてる・・・・・・)
「きみはごちゃ混ぜにしてる……
(だいじなこともそうでないことも、 いっしょくたにしてる!」)
大事なこともそうでないことも、 いっしょくたにしてる!」
(おうじさまは、ほんきでおこっていた。)
王子さまは、本気で怒っていた。
(かぜにむかって、 きんいろにすきとおるかみをゆらしながら。)
風にむかって、 金色に透きとおる髪を揺らしながら。
(「ぼく、まっかなかおのおじさんがいるほしに、 いったことがある。)
「ぼく、まっ赤な顔のおじさんがいる星に、 行ったことがある。
(おじさんは、いちどもはなのかおりを かいだことがなかった。)
おじさんは、一度も花の香りを かいだことがなかった。
(ほしをみたこともなかった。)
星を見たこともなかった。
(たしざんいがいは、なにもしたことがなかった。)
たし算以外は、なにもしたことがなかった。
(いちにちじゅう、きみみたいにくりかえしてた。)
一日じゅう、きみみたいにくり返してた。
(「だいじなことでいそがしい!わたしはゆうのうなにんげんだから!」)
『大事なことで忙しい!私は有能な人間だから!』
(そうしてふんぞりかえってた。)
そうしてふんぞり返ってた。
(でもそんなのはにんげんじゃない。 きのこだ!」)
でもそんなのは人間じゃない。 キノコだ!」
(「え?」)
「え?」
(「きのこだ!」)
「キノコだ!」
(いかりのあまり、 おうじさまはまっさおになっていた。)
怒りのあまり、 王子さまはまっさおになっていた。
(「なんびゃくまんねんもむかしから、はなはとげをつけている。)
「何百万年も昔から、花はトゲをつけている。
(なんびゃくまんねんもむかしから、ひつじはそれでもはなをたべる。)
何百万年も昔から、ヒツジはそれでも花を食べる。
(なんのやくにもたたないとげをつけるのに、)
なんの役にも立たないトゲをつけるのに、
(どうしてはながあんなにくろうするのか、 それをしりたいとおもうのが、)
どうして花があんなに苦労するのか、 それを知りたいと思うのが、
(だいじなことじゃないっていうの?)
大事なことじゃないっていうの?
(ひつじとはなのたたかいが、じゅうようじゃないっていうの?)
ヒツジと花の戦いが、重要じゃないって言うの?
(あかいかおのふとったおじさんのたしざんより、 だいじでもじゅうようでもないっていうの?)
赤い顔の太ったおじさんのたし算より、 大事でも重要でもないって言うの?
(ぼくはこのよでいちりんだけのはなをしっていて、)
ぼくはこの世で一輪だけの花を知っていて、
(それはぼくのほしいがいどこにもさいていないのに、)
それはぼくの星以外どこにも咲いていないのに、
(ちいさなひつじがあるあさ、 なんにもかんがえずにぱくっと、)
小さなヒツジがある朝、 なんにも考えずにぱくっと、
(こんなふうに、そんなはなをたべてしまっても、)
こんなふうに、そんな花を食べてしまっても、
(それがじゅうようじゃないっていうの!」)
それが重要じゃないって言うの!」
(おうじさまは、いまやかおをこうちょうさせていた。)
王子さまは、今や顔を紅潮させていた。
(そしてつづけた。)
そして続けた。
(「もしもだれかが、 なんびゃくまんもなんびゃくまんもあるほしのうち、)
「もしも誰かが、 何百万も何百万もある星のうち、
(たったひとつにさいているはなをあいしていたら、)
たったひとつに咲いている花を愛していたら、
(そのひとはほしぞらをみつめるだけでしあわせになれる。)
その人は星空を見つめるだけで幸せになれる。
(<ぼくのはなが、あのどこかにある> っておもってね。)
<ぼくの花が、あのどこかにある> って思ってね。
(でも、もしそのはながひつじにたべられてしまったら、)
でも、もしその花がヒツジに食べられてしまったら、
(そのひとにとっては、ほしというほしがとつぜん ぜんぶきえてしまったみたいになるんだ!)
その人にとっては、星という星が突然 全部消えてしまったみたいになるんだ!
(それがじゅうようじゃないっていうの!」)
それが重要じゃないって言うの!」
(おうじさまは、それいじょうなにもいえなくなった。)
王子さまは、それ以上なにも言えなくなった。
(そうしてふいに、なきじゃくりだした。)
そうして不意に、泣きじゃくりだした。
(あたりはよるになっていた。)
あたりは夜になっていた。
(ぼくのてからこうぐがおちた。)
僕の手から工具が落ちた。
(かなづちもぼるとも、のどのかわきもしも、)
かなづちもボルトも、のどの渇きも死も、
(ぼくにはもうどうでもよかった。)
僕にはもうどうでもよかった。
(あるほしに、わくせいに、ぼくのほしに、ちきゅうに、)
ある星に、惑星に、僕の星に、地球に、
(なぐさめてあげなければいけない ちいさなおうじさまがいるのだから!)
なぐさめてあげなければいけない 小さな王子さまがいるのだから!
(ぼくはおうじさまをだきしめた。)
僕は王子さまを抱きしめた。
(やさしくゆすった。)
やさしく揺すった。
(そしていった。)
そして言った。
(「きみがあいしているはなは、 あぶないめになんかあわないよ・・・・・・)
「きみが愛している花は、 危ない目になんかあわないよ……
(ぼくがきみのひつじに、くちわをかいてあげる・・・・・・)
僕がきみのヒツジに、口輪を描いてあげる……
(きみのはなには、みをまもるものをかいてあげる・・・・・・)
きみの花には、身を守るものを描いてあげる……
(ぼくが・・・・・・」)
僕が……」
(だがそれいじょう、なにをいえばいいのか、 ぼくにはわからなかった。)
だがそれ以上、なにを言えばいいのか、 僕にはわからなかった。
(じぶんがひどくぶきようになったきがした。)
自分がひどく不器用になった気がした。
(どうすればおうじさまのこころにとどくのか、)
どうすれば王子さまの心に届くのか、
(そうしてふたたびきもちがかようようになるのか、 わからなかった・・・・・・)
そうしてふたたび気持ちが通うようになるのか、 わからなかった……
(まったくもってなぞにつつまれている、)
まったくもって謎につつまれている、
(なみだのくにというものは!)
涙の国というものは!