星の王子さま 2
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HAKU | 7257 | 光 | 7.4 | 97.5% | 466.3 | 3472 | 88 | 81 | 2024/11/13 |
2 | berry | 6707 | S+ | 6.8 | 97.4% | 500.5 | 3448 | 91 | 81 | 2024/11/08 |
3 | おもち | 6558 | S+ | 6.8 | 95.7% | 506.7 | 3476 | 153 | 81 | 2024/11/18 |
4 | あーや | 5262 | B++ | 5.5 | 94.4% | 620.6 | 3469 | 203 | 81 | 2024/11/16 |
5 | 饅頭餅美 | 4375 | C+ | 4.7 | 92.1% | 726.6 | 3473 | 294 | 81 | 2024/11/09 |
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問題文
(こうしてぼくは、いまからろくねんまえ、 さはらさばくにひこうきがふじちゃくするまで、)
こうして僕は、今から六年前、 サハラ砂漠に飛行機が不時着するまで、
(こころからはなしができるひともないまま、 ひとりでいきてきた。)
心から話ができる人もないまま、 ひとりで生きてきた。
(ひこうきは、えんじんのどこかがこわれたのだ。)
飛行機は、エンジンのどこかが壊れたのだ。
(せいびしもじょうきゃくものせてなかったので、)
整備士も乗客も乗せてなかったので、
(むずかしいしゅうりをひとりでやりとげるしかないと、 ぼくはかくごをきめた。)
むずかしい修理をひとりでやりとげるしかないと、 僕は覚悟を決めた。
(いきるかしぬかのもんだいだった。)
生きるか死ぬかの問題だった。
(のみみずが、いっしゅうかんぶんあるかどうかだった。)
飲み水が、一週間分あるかどうかだった。
(さいしょのばん、ひとのすむちからせんまいるもかなたのすなのうえで、 ぼくはねむりについた。)
最初の晩、人の住む地から千マイルもかなたの砂の上で、 僕は眠りについた。
(ふねがしずんで、 おおうなばらのただなかをいかだでひょうりゅうしているひとより、)
船が沈んで、 大海原のただなかをいかだで漂流している人より、
(もっとこどくだった。)
もっと孤独だった。
(だから、よあけに、 ちいさなかわったこえでおこされたときには、)
だから、夜明けに、 小さな変わった声で起こされたときには、
(どんなにおどろいたことだろう。)
どんなに驚いたことだろう。
(きこえてきたのは、こんなこえ・・・・・・)
聞こえてきたのは、こんな声……
(「おねがい・・・・・・ひつじのえをかいて!」)
「おねがい……ヒツジの絵を描いて!」
(「え?!」)
「え?!」
(「ひつじのえをかいて・・・・・・」)
「ヒツジの絵を描いて……」
(ぼくはかみなりにでもうたれたように、とびあがった。)
僕は雷にでも打たれたように、跳びあがった。
(そうしてごしごしめをこすった。 しっかりみてみた。)
そうしてごしごし目をこすった。 しっかり見てみた。
(するとそこには、 とてもふしぎなふんいきのちいさなおとこのこがいて、)
するとそこには、 とても不思議な雰囲気の小さな男の子がいて、
(いっしょうけんめいこちらをみつめているではないか。)
いっしょうけんめいこちらを見つめているではないか。
(これが、のちにぼくがかいたなかで、 いちばんよくできたそのこのしょうぞうがだ。)
これが、のちに僕が描いたなかで、 いちばんよくできたその子の肖像画だ。
(とはいえぼくのえは、もちろん、)
とはいえ僕の絵は、もちろん、
(かがやくばかりにあいらしかっためのまえのすがたを、 つたえきれてはいない。)
輝くばかりに愛らしかった目の前の姿を、 伝えきれてはいない。
(でも、ぼくのせいではない。)
でも、僕のせいではない。
(なにしろろくさいで、 おとなたちからがかをめざすのをあきらめさせられたし、)
なにしろ六歳で、 おとなたちから画家をめざすのをあきらめさせられたし、
(なかがみえないぼあとみえるぼあいがい、 えのれんしゅうはなにもしなかったのだから)
なかが見えないボアと見えるボア以外、 絵の練習はなにもしなかったのだから
(とにかくぼくは、そのこがとつぜんあらわれたことに、 すっかりめをまるくしていた。)
とにかく僕は、その子が突然現れたことに、 すっかり目を丸くしていた。
(なにしろ、 ひとのすむちからせんまいるものかなたなのだ。)
なにしろ、 人の住む地から千マイルものかなたなのだ。
(それなのにそのおとこのこは、 みちにまよったのではなさそうだし、)
それなのにその男の子は、 道に迷ったのではなさそうだし、
(つかれてくたくたでもなければ、 しにそうなほどおなかがすいていたり、)
疲れてくたくたでもなければ、 死にそうなほどおなかがすいていたり、
(のどがかわいていたり、 こわがったりしているわけでもない。)
のどが渇いていたり、 こわがったりしているわけでもない。
(どうみても、 ひとのすむちからせんまいるもかなたのさばくのまんなかで、)
どう見ても、 人の住む地から千マイルもかなたの砂漠のまんなかで、
(まいごになったというようすではないのだ。)
迷子になったという様子ではないのだ。
(ようやくくちがきけるようになると、 ぼくはそのこにたずねた。)
ようやく口がきけるようになると、 僕はその子にたずねた。
(「いったい・・・・・・きみはここでなにをしてるの?」)
「いったい……きみはここでなにをしてるの?」
(でもそのこは、なにかじゅうだいなことのように、)
でもその子は、何か重大なことのように、
(しずかなこえでそっとくりかえすだけだった。)
静かな声でそっとくり返すだけだった。
(「おねがい・・・・・・ひつじのえをかいて・・・・・・」)
「おねがい……ヒツジの絵を描いて……」
(ふしぎなことでも、あまりにこころをうたれると、 ひとはさからわなくなるものだ。)
不思議なことでも、あまりに心を打たれると、 人はさからわなくなるものだ。
(ひとのすむちからせんまいるものかなたで、)
人の住む地から千マイルものかなたで、
(しのきけんにさらされているときに、 ばかげているとぼくはおもいながらも。)
死の危険にさらされているときに、 ばかげていると僕は思いながらも。
(ぽけっとからいちまいのかみとまんねんひつをとりだした。)
ポケットから一枚の紙と万年筆をとりだした。
(だがそこで、じぶんがしっかりべんきょうしてきたのは、)
だがそこで、自分がしっかり勉強してきたのは、
(ちりとれきしとさんすうとぶんぽうだったことをおもいだし、)
地理と歴史と算数と文法だったことを思い出し、
(そのおとこのこに(すこしむっとしながら) えはかけない、とつげた。)
その男の子に(少しむっとしながら) 絵は描けない、と告げた。
(おとこのこはこうこたえた。)
男の子はこう答えた。
(「そんなのへいき。ひつじのえをかいて」)
「そんなの平気。ヒツジの絵を描いて」
(ひつじのえなどかいたことがなかったので、)
ヒツジの絵など描いたことがなかったので、
(ぼくはじぶんにかけるたったふたつのえのうちの、)
僕は自分に描けるたったふたつの絵のうちの、
(ひとつをそのこにかいてみせた。)
ひとつをその子に描いてみせた。
(れいの、なかがみえないだいじゃぼあだ。)
例の、なかが見えない大蛇ボアだ。
(するとおとこのこはこういって、 ぼくをひどくびっくりさせた。)
すると男の子はこう言って、 僕をひどくびっくりさせた。
(「ちがうちがう! ぼあにのまれたぞうなんていらないよ。)
「ちがうちがう! ボアに飲まれたゾウなんていらないよ。
(ぼあはすごくきけんだし、ぞうはちょっとおおきすぎる。)
ボアはすごく危険だし、ゾウはちょっと大きすぎる。
(ぼくのところは、とってもちいさいんだ。)
僕のところは、とっても小さいんだ。
(ほしいのはひつじなの。ひつじのえをかいて」)
ほしいのはヒツジなの。ヒツジの絵を描いて」
(そこでぼくは、かいた。)
そこで僕は、描いた。
(おとこのこはちゅういぶかくながめて、いった。)
男の子は注意深くながめて、言った。
(「ううん!このひつじ、 もうびょうきでよわってる。ちがうのをかいて」)
「ううん!このヒツジ、 もう病気で弱ってる。ちがうのを描いて」
(ぼくはかく。)
僕は描く。
(おとこのこは、こちらをきづかうように、 にっこりすると、やさしくいった。)
男の子は、こちらを気づかうように、 にっこりすると、やさしく言った。
(「ねえ・・・・・・これはふつうのひつじじゃなくて、 おひつじだよ。)
「ねえ……これはふつうのヒツジじゃなくて、 牡ヒツジだよ。
(つのがあるでしょ・・・・・・」)
角があるでしょ……」
(ぼくはまたかきなおした。)
僕はまた描きなおした。
(けれどそれも、まえのふたつとおなじように、 だめだといわれた。)
けれどそれも、前のふたつと同じように、 だめだと言われた。
(「としをとりすぎてるよ。 ぼく、ながいきするひつじがほしいんだ」)
「年をとりすぎてるよ。 ぼく、長生きするヒツジがほしいんだ」
(ぼくはとうとうがまんできなくなった。)
僕はとうとうがまんできなくなった。
(はやくえんじんをぶんかいしてみなくちゃならないというのに。)
早くエンジンを分解してみなくちゃならないというのに。
(そこでつぎのようなえをおおいそぎでかくと、 いいわたした。)
そこで次のような絵を大急ぎで描くと、 言いわたした。
(「ほら、きばこだ。 きみがほしがってるひつじは、このなかにいるよ」)
「ほら、木箱だ。 きみがほしがってるヒツジは、このなかにいるよ」
(するとどうだろう、ちいさなきむずかしやさんのかおが、)
するとどうだろう、小さな気むずかし屋さんの顔が、
(ぱっとあかるくなったのだ。)
ぱっと明るくなったのだ。
(「これだよ、ぼくがほしかったのは!)
「これだよ、ぼくがほしかったのは!
(このひつじ、くさをいっぱいたべるかな?」)
このヒツジ、草をいっぱい食べるかな?」
(「どうして?」)
「どうして?」
(「ぼくのところ、とってもちいさいから・・・・・・」)
「ぼくのところ、とっても小さいから……」
(「だいじょうぶだよ、きっと。)
「だいじょうぶだよ、きっと。
(きみにあげたのは、とってもちいさいひつじだもの」)
きみにあげたのは、とっても小さいヒツジだもの」
(おとこのこは、えをのぞきこんだ。)
男の子は、絵をのぞきこんだ。
(「そんなにちいさくないよ・・・・・・あれ!ねちゃった・・・・・・」)
「そんなに小さくないよ……あれ!寝ちゃった……」
(こうしてぼくは、 このちいさなおうじさまと、しりあったのだった。)
こうして僕は、 この小さな王子さまと、知り合ったのだった。