紫式部 源氏物語 榊 7 與謝野晶子訳

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1 おもち 7409 7.6 96.6% 319.3 2452 86 35 2024/12/07
2 subaru 7257 7.6 95.3% 319.4 2437 119 35 2024/12/07
3 HAKU 7121 7.3 97.4% 335.6 2455 65 35 2024/12/06
4 だだんどん 6111 A++ 6.7 91.7% 362.9 2437 219 35 2024/12/12
5 りく 5725 A 5.8 97.3% 421.6 2482 68 35 2024/12/20

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(かものさいいんはちちみかどのものためにいんたいされたのであって、そのかわりに)

加茂の斎院は父帝の喪のために引退されたのであって、そのかわりに

(しきぶきょうのみやのあさがおのひめぎみがしょくをおつぎになることになった。いせへにょおうが)

式部卿の宮の朝顔の姫君が職をお継ぎになることになった。伊勢へ女王が

(さいぐうになっていかれたことはあっても、かものさいいんはたいていないしんのうのかたが)

斎宮になって行かれたことはあっても、加茂の斎院はたいてい内親王の方が

(おつとめになるものであったが、そうとうしたにょごばらのみやさまがおいでに)

お勤めになるものであったが、相当した女御腹の宮様がおいでに

(ならなかったか、このぼくじょうがあったのである。げんじはいまもこのにょおうに)

ならなかったか、この卜定があったのである。源氏は今もこの女王に

(こいをもっているのであるが、けっこんもふかのうなしんせいなしょくにおきまりになったことを)

恋を持っているのであるが、結婚も不可能な神聖な職にお決まりになった事を

(ざんねんにおもった。にょうぼうのちゅうじょうはいまもよくげんじのようをつとめたから、てがみなどは)

残念に思った。女房の中将は今もよく源氏の用を勤めたから、手紙などは

(しじゅうやっているのである。とうだいにおけるじしんのふぐうなどはなんともおもわずに、)

始終やっているのである。当代における自身の不遇などは何とも思わずに、

(げんじはこいをなげいていた、さいいんとないしのかみのために。みかどはいんのごゆいごんのとおりに)

源氏は恋を歎いていた、斎院と尚侍のために。帝は院の御遺言のとおりに

(げんじをあいしておいでになったが、おわかいうえに、きわめておきのよわいかたで)

源氏を愛しておいでになったが、お若い上に、きわめてお気の弱い方で

(いらせられて、ぼこうやそふのだいじんのいしによっておこなわれることを)

いらせられて、母后や祖父の大臣の意志によって行なわれることを

(どうあそばすこともおできにならなくて、ちょうせいにごふまんぞくがおおかったのである。)

どうあそばすこともおできにならなくて、朝政に御不満足が多かったのである。

(むかしよりもいっそうこいのじゆうのないきょうぐうにいてもないしのかみはふみによってたえず)

昔よりもいっそう恋の自由のない境遇にいても尚侍は文によって絶えず

(こいをささやくげんじをもっていてこうふくかんがないでもなかった。)

恋をささやく源氏を持っていて幸福感がないでもなかった。

(きゅうちゅうでおこなわせられたごだんのみずほうのためにみかどがごきんしんをしておいでに)

宮中で行なわせられた五壇の御修法のために帝が御謹慎をしておいでに

(なるころ、げんじはゆめのようにないしのかみへちかづいた。むかしのこきでんのほそどののしょうしつへ)

なるころ、源氏は夢のように尚侍へ近づいた。昔の弘徽殿の細殿の小室へ

(ちゅうなごんのきみがみちびいたのである。みずほうのためにごしょへでいりするひとのおおいときに、)

中納言の君が導いたのである。御修法のために御所へ出入りする人の多い時に、

(こうしたかいごうが、じぶんのてでおこなわれることをちゅうなごんのきみはおそろしくおもった。)

こうした会合が、自分の手で行なわれることを中納言の君は恐ろしく思った。

(あさゆうにみてみあかぬげんじとまれにみるのをえたないしのかみのよろこびがそうぞうされる。)

朝夕に見て見飽かぬ源氏と稀に見るのを得た尚侍の喜びが想像される。

(きじょらしいたんげんさなどはかけていたかもしれぬが、うつくしくて、えんで、わかわかしくて)

貴女らしい端厳さなどは欠けていたかもしれぬが、美しくて、艶で、若々しくて

など

(おとこのこころをじゅうぶんにひくちからがあった。もうついよがあけていくのではないかと)

男の心を十分に惹く力があった。もうつい夜が明けていくのではないかと

(おもわれるころ、すぐしたのにわで、 「とのいをしております」)

思われる頃、すぐ下の庭で、 「宿直をしております」

(とたかいこえでこのえのかしがいった。ちゅうしょうしょうのだれかがこのへんのにょうぼうのつぼねへきて)

と高い声で近衛の下士が言った。中少将のだれかがこの辺の女房の局へ来て

(ねているのをしって、いじわるなおとこがおしえてわざわざあいさつをさせによこしたに)

寝ているのを知って、意地悪な男が教えてわざわざ挨拶をさせによこしたに

(ちがいないとげんじはきいていた。ごしょのにわのところどころをこういってまわるのは)

違いないと源氏は聞いていた。御所の庭の所々をこう言ってまわるのは

(かんじのいいものであるがうるさくもあった。またにわのあなたこなたで)

感じのいいものであるがうるさくもあった。また庭のあなたこなたで

(「とらひとつ」(ごぜんよじ)とほうじてあるいている。 )

「寅一つ」(午前四時)と報じて歩いている。

(こころからかたがたそでをぬらすかなあくとおしうるこえにつけても )

心からかたがた袖を濡らすかな明くと教ふる声につけても

(ないしのかみのこういうようすはいかにもはかなそうであった。 )

尚侍のこう言う様子はいかにもはかなそうであった。

(なげきつつわがよはかくてすぐせとやむねのあくべきときぞともなく )

歎きつつ我が世はかくて過ぐせとや胸のあくべき時ぞともなく

(おちついておられなくてげんじはわかれてでた。まだあさにとおいあかつきづくよで、)

落ち着いておられなくて源氏は別れて出た。まだ朝に遠い暁月夜で、

(きりがいちめんにふっているなかをかんたんなかりぎぬすがたであるいていくげんじはうつくしかった。)

霧が一面に降っている中を簡単な狩衣姿で歩いて行く源氏は美しかった。

(このときにじょうきょうでんのにょごのあにであるとうのちゅうじょうが、ふじつぼのごてんからでて、)

この時に承香殿の女御の兄である頭中将が、藤壺の御殿から出て、

(げっこうのかげになっているたてじとみのまえにたっていたのを、ふこうにもげんじは)

月光の蔭になっている立蔀の前に立っていたのを、不幸にも源氏は

(しらずにきた。ひなんのこえはそのひとたちのくちからおこってくるであろうから。)

知らずに来た。批難の声はその人たちの口から起こってくるであろうから。

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