紫式部 源氏物語 絵合 5 與謝野晶子訳

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1 subaru 7970 8.2 96.5% 270.0 2231 79 34 2025/03/29
2 omochi 7624 7.8 97.4% 286.2 2241 59 34 2025/03/29
3 berry 7615 7.7 98.4% 286.9 2219 34 34 2025/03/28
4 HAKU 7195 7.4 96.2% 300.2 2248 88 34 2025/03/29
5 ヤス 6704 S+ 7.0 94.8% 316.5 2243 121 34 2025/03/29

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問題文

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(ふじんたちのげんろんはながくかかって、いっかいぶんのしょうぶがよういにつかないでじかんがたち、)

婦人たちの言論は長くかかって、一回分の勝負が容易につかないで時間がたち、

(わかいにょうぼうたちがきょうみをそれにあつめているへいかとうめつぼのにょごのごえは)

若い女房たちが興味をそれに集めている陛下と梅壺の女御の御絵は

(いつせきじょうにあらわれるかよそうができないのであった。げんじもさんだいして、)

いつ席上に現われるか予想ができないのであった。源氏も参内して、

(そうほうからのべられるしじとひなんのことばをおもしろくきいた。)

双方から述べられる支持と批難の言葉をおもしろく聞いた。

(「これはごぜんでさいごのしょうぶをきめましょう」 とげんじがいって、)

「これは御前で最後の勝負を決めましょう」 と源氏が言って、

(えあわせはいっそうひろくはんざをもとめることになった。こんなことも)

絵合わせはいっそう広く判者を求めることになった。こんなことも

(かねておもわれたことであったから、すま、あかしのにかんをひだりのえのなかへ)

かねて思われたことであったから、須磨、明石の二巻を左の絵の中へ

(げんじはまぜておいたのである。ちゅうなごんもおとらずえあわせのひに)

源氏は混ぜておいたのである。中納言も劣らず絵合わせの日に

(けっさくをだそうとすることにぼっとうしていた。よのなかはもうよいえを)

傑作を出そうとすることに没頭していた。世の中はもうよい絵を

(せいさくすることと、さがしだすことのほかにしごとがないようにみえた。)

製作することと、捜し出すことのほかに仕事がないように見えた。

(「いまになってあたらしくつくることはいみのないことだ。もっているえのなかで)

「今になって新しく作ることは意味のないことだ。持っている絵の中で

(ゆうれつをきめなければ」 とげんじはいっているが、ちゅうなごんはひとにもしらせず)

優劣を決めなければ」 と源氏は言っているが、中納言は人にも知らせず

(じていのなかでしんがをおおくつくらせていた。いんもこのしょうぶのことをおききになって、)

自邸の中で新画を多く作らせていた。院もこの勝負のことをお聞きになって、

(うめつぼへおおくのえをごきぞうあそばされた。きゅうちゅうでいちねんじゅうにあるぎしきのなかの)

梅壺へ多くの絵を御寄贈あそばされた。宮中で一年じゅうにある儀式の中の

(おもしろいのをむかしのめいかがかいて、えんぎのみかどがごじしんでせつめいをおそえになった)

おもしろいのを昔の名家が描いて、延喜の帝が御自身で説明をお添えになった

(ふるいまきもののほかに、ごじしんのみよのきゅうていにあったはなやかなぎしきなどを)

古い巻き物のほかに、御自身の御代の宮廷にあったはなやかな儀式などを

(おかかせになったえまきには、さいぐうほっそくのひのだいごくでんのわかれのみぐしのしきは、)

お描かせになった絵巻には、斎宮発足の日の大極殿の別れの御櫛の式は、

(みこころにしんでおぼしめされたことなのであったから、とくにこうずなどもきんもちがはくに)

御心に沁んで思召されたことなのであったから、特に構図なども公茂画伯に

(くわしくおさしずをあそばしてせいさくされたひじょうにりっぱなえもあった。)

詳しくお指図をあそばして製作された非常にりっぱな絵もあった。

(じんのきのすかしぼりのはこにいれて、おなじきでつくったうわかざりをつけたしんみのある)

沈の木の透かし彫りの箱に入れて、同じ木で作った上飾りを付けた新味のある

など

(おんおくりものであった。ごあいさつはただおことばだけでいんのごしょへのきんむもする)

御贈り物であった。御挨拶はただお言葉だけで院の御所への勤務もする

(さこんのちゅうじょうがおつかいをしたのである。だいごくでんのみこしのよせてある)

左近の中将がお使いをしたのである。大極殿の御輿の寄せてある

(こうごうしいところにおうたがあった。 )

神々しい所に御歌があった。

(みこそかくしめのそとなれそのかみのこころのうちをわすれしもせず )

身こそかくしめの外なれそのかみの心のうちを忘れしもせず

(というのである。へんじをさしあげないこともおそれおおいことであると)

と言うのである。返事を差し上げないこともおそれおおいことであると

(おもわれて、さいぐうのにょごはくるしくおもいながら、むかしのそのひのぎしきにもちいられた)

思われて、斎宮の女御は苦しく思いながら、昔のその日の儀式に用いられた

(かんざしのはしをすこしおって、それにかいた。 )

簪の端を少し折って、それに書いた。

(しめのうちはむかしにあらぬここちしてかみよのこともいまぞこいしき )

しめのうちは昔にあらぬここちして神代のことも今ぞ恋しき

(あいいろのからかみにつつんでおあげしたのであった。いんはこれをかぎりもなくみにしんで)

藍色の唐紙に包んでお上げしたのであった。院はこれを限りもなく身に沁んで

(ごらんになった。このことでみくらいもとりかえしたくおぼしめした。げんじをもうらめしく)

御覧になった。このことで御位も取り返したく思召した。源氏をも恨めしく

(おぼしめされたにちがいない。かつてげんじにふごうりなげんばつをおくわえになったむくいを)

思召されたに違いない。かつて源氏に不合理な厳罰をお加えになった報いを

(おうけになったのかもしれない。いんのおえはたいこうのてをへてこきでんのにょごの)

お受けになったのかもしれない。院のお絵は太后の手を経て弘徽殿の女御の

(ほうへもおおくきているはずである。ないしのかみもえのしゅみをおおくもっているひとで)

ほうへも多く来ているはずである。内侍も絵の趣味を多く持っている人で

(あったから、めいのにょごのためにいろいろとめいがをあつめていた。)

あったから、姪の女御のためにいろいろと名画を集めていた。

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