第11章 森の試練

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(とうどうのあとをおうように、かいとたちはおいらせけいりゅうのさらにおくへとすすんだ。) 東堂の後を追うように、海斗たちは奥入瀬渓流のさらに奥へと進んだ。 (かんこうきゃくがあるくゆうほどうはいつのまにかとぎれ、みたことのないもりがひろがっていた。) 観光客が歩く遊歩道はいつの間にか途切れ、見たことのない森が広がっていた。 (「こんなばしょ、ちずにあったっけ」) 「こんな場所、地図にあったっけ」 (れんがしゅういをみまわす。) 蓮が周囲を見回す。 (「すくなくともかんこうぱんふれっとにはのってないね」) 「少なくとも観光パンフレットには載ってないね」 (みさきもふあんそうだった。) 美咲も不安そうだった。 (そらはくもりはじめていた。) 空は曇り始めていた。 (かぜがつよくなる。) 風が強くなる。 (きぎのはがはげしくゆれた。) 木々の葉が激しく揺れた。 (そのときだった。) その時だった。
(もりのおくからきょだいなうなりごえがひびいた。) 森の奥から巨大なうなり声が響いた。 (さんにんはあしをとめる。) 三人は足を止める。 (じめんがふるえた。) 地面が震えた。 (ふたたびこえがきこえる。) 再び声が聞こえる。 (こんどはもっとちかい。) 今度はもっと近い。 (「なにかくる!」) 「何か来る!」 (かいとがさけんだ。) 海斗が叫んだ。 (つぎのしゅんかん。) 次の瞬間。 (きょだいなしかがすがたをあらわした。) 巨大な鹿が姿を現した。 (ふつうのしかではない。) 普通の鹿ではない。
など
(そのかくはあおじろくひかり、からだはいわのようにおおきかった。) その角は青白く光り、体は岩のように大きかった。 (たかさだけでもさんめーとるいじょうある。) 高さだけでも三メートル以上ある。 (「でかすぎるだろ!」) 「でかすぎるだろ!」 (れんがあとずさる。) 蓮が後ずさる。 (しかはさんにんをみつめた。) 鹿は三人を見つめた。 (しかしこうげきしてくるようすはない。) しかし攻撃してくる様子はない。 (かわりにもりのおくへあるきはじめた。) 代わりに森の奥へ歩き始めた。 (まるでついてこいといっているようだった。) まるでついて来いと言っているようだった。 (かいとたちはかおをみあわせた。) 海斗たちは顔を見合わせた。 (「いくしかないな」) 「行くしかないな」 (さんにんはしかをおった。) 三人は鹿を追った。 (じゅっぷんほどすすむとちいさないずみへたどりつく。) 十分ほど進むと小さな泉へ辿り着く。 (いずみのちゅうおうにあおいひかりがうかんでいた。) 泉の中央に青い光が浮かんでいた。 (よっつめのかぎだった。) 四つ目の鍵だった。 (しかしかぎへちかづこうとすると、もりぜんたいがゆれはじめる。) しかし鍵へ近付こうとすると、森全体が揺れ始める。 (むすうのきのねがじめんからあらわれた。) 無数の木の根が地面から現れた。 (しぜんそのものがしれんをあたえているようだった。) 自然そのものが試練を与えているようだった。 (かいとはけっしょうをとりだした。) 海斗は結晶を取り出した。 (ひとつめ、ふたつめ、みっつめのかぎがきょうめいする。) 一つ目、二つ目、三つ目の鍵が共鳴する。 (あおいひかりがひろがった。) 青い光が広がった。 (きのねはしずかにじめんへもどる。) 木の根は静かに地面へ戻る。 (そしていずみのうえへだいよんのかぎがうかびあがった。) そして泉の上へ第四の鍵が浮かび上がった。 (「やった!」) 「やった!」 (みさきがこえをあげた。) 美咲が声を上げた。 (しかしよろこびもつかのま。) しかし喜びも束の間。 (とおくのそらがあかぐろくそまりはじめていた。) 遠くの空が赤黒く染まり始めていた。 (だれもしらなかった。) 誰も知らなかった。 (いへんはさらにおおきくなろうとしていた。) 異変はさらに大きくなろうとしていた。
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