河童 11 芥川龍之介

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芥川龍之介の名作

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(じゅういち これはてつがくしゃまっぐがかいた「あほうのことば」のなかのなんしょうかです。ーー)

11 これは哲学者マッグが書いた「阿呆の言葉」の中の何章かです。ーー

(あほうはいつもかれいがいのものをあほうであるとしんじている。)

" 阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。"

(われわれのしぜんをあいするのはしぜんはわれわれをにくんだり)

"我々の自然を愛するのは自然は我々を憎んだり

(しっとしたりしないためもないことはない。)

嫉妬したりしない為もないことはない。"

(もっともかしこいせいかつはひとじだいのしゅうかんをけいべつしながら、)

"最も賢い生活は一時代の習慣を軽蔑しながら、

(しかもそのそのまたしゅうかんをすこしもやぶらないようにくらすことである)

しかもそのその又習慣を少しも破らないように暮らすことである"

(われわれのもっともほこりたいものはわれわれのもっていないものだけである。)

"我々の最も誇りたいものは我々の持っていないものだけである。"

(なにびともぐうぞうをはかいすることにいぞんをもっているものはない。なんじにまた)

" 何びとも偶像を破壊することに異存を持っているものはない。何時に又

(なにびともぐうぞうになることにいぞんをもっているものはない。しかしぐうぞうのだいざの)

何びとも偶像になることに異存を持っているものはない。しかし偶像の台座の

(うえにあんじてすわっていられるものはもっともかみがみにめぐまれたもの、あほか、あくにんか、)

上に安じて坐っていられるものは最も神々に恵まれたもの、阿呆か、悪人か、

(えいゆうかである。(くらばっくはこのしょうのうえへつめのあとをつけていました。))

英雄かである。(クラバックはこの章の上へ爪の跡をつけていました。)

(われわれのせいかつにひつようなしそうはさんぜんねんまえにつきたかもしれない。)

"我々の生活に必要な思想は三千年前につきたかもしれない。

(われわれはただふるいたきぎにあたらしいほのおをくわえるだろう。)

我々は唯古い薪に新しい炎を加えるだろう。"

(われわれのとくしょくはわれわれじしんのいしきをちょうえつするのをつねとしている。)

"我々の特色は我々自身の意識を超越するのを常としている。"

(こうふくはくつうをともない、へいわはけんたいをともなうとすればーー?)

"幸福は苦痛を伴い、平和は倦怠を伴うとすればーー?"

(じこをべんごすることはたにんをべんごすることよりもこんなんである。)

"自己を弁護することは他人を弁護する事よりも困難である。

(うたがうものはべんごしをみよ。)

疑うものは弁護士を見よ。"

(きんこ、あいよく、ぎわくーーあらゆるつみはさんぜんねんらい、このさんしゃからはっしている。)

". 矜誇、愛慾、疑惑ーーあらゆる罪は三千年来、この三者から発している。

(どうじにまたおそらくはあらゆるとくも。)

同時に又恐らくはあらゆる徳も。"

(ぶつよくてきよくぼうをげんずることはかならずしもへいわをもたらさない。われわれはへいわをえるためには)

"物欲的欲望を減ずることは必しも平和を齎さない。我々は平和を得る為には

など

(せいしんてきよくぼうもげんじなければならぬ。(くらばっくはこのしょうのうえにもつめのあとを)

精神的欲望も減じなければならぬ。(クラバックはこの章の上にも爪の跡を

(のこしていました。))

残していました。)"

(われわれにんげんよりもふこうである。にんげんはかっぱほどしんかしていない。(ぼくはこのしょうを)

"我々人間よりも不幸である。人間は河童ほど進化していない。(僕はこの章を

(よんだときはおもわずわらってしまいました。))

読んだときは思わず笑ってしまいました。)"

(なすことはなしえることであり、なしえることはなすことである。)

"成すことは成し得ることであり、成し得ることは成すことである。

(ひっきょうわれわれのせいかつはこういうじゅんかんろんぽうをだつすることはできない。)

畢竟我々の生活はこう云う循環論法を脱することは出来ない。

(ーーすなわちふごうりにしゅうししている。)

ーー即ち不合理に終始している。"

(ぼおどれえるははくちになったあと、かれのじんせいかんをたったいちごに、)

"ボオドレエルはハクチになった後、彼の人生観をたった一語に、

(ーーじょいんのいちごにひょうはくした。しかしかれじしんをかたるものはかならずしもこういったこと)

ーー女陰の一語に表白した。しかし彼自身を語るものは必しもこう言ったこと

(ではない。むしろかれのてんさいに、ーーかれのせいかつをいじするにたるしてきてんさいにしんらいした)

ではない。寧ろ彼の天才に、ーー彼の生活を維持するに足る詩的天才に信頼した

(ためにいぶくろのいちごをわすれたことである。(このしょうのうえにもやはりくらばっくのつめの)

為に胃袋の一語を忘れたことである。(この章の上にもやはりクラバックの爪の

(あとはのこっていました。))

跡は残っていました。)

(もしりせいにしゅうしするとすれば、われわれはとうぜんわれわれじしんのそんざいをひていしなければ)

"若し理性に終始するとすれば、我々は当然我々自身の存在を否定しなければ

(ならぬ。りせいをかみにしたヴぉるてえるのこうふくにいっしょうをおわったのはすなわちにんげんの)

ならぬ。理性を神にしたヴォルテエルの幸福に一生を了ったのは即ち人間の

(かっぱよりもしんかしていないことをしめすものである。)

河童よりも進化していないことを示すものである。"

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芥川龍之介

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