銀河鉄道の夜 13
六、銀河ステーション (1/4)
宮沢賢治 作
宮沢賢治 作
すると、どこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションという声がしたと思うと、いきなり目の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万のほたるいかの火を一ぺんに化石させて、またダイアモンド会社で、値段が安くならないために、ばらまいたというふうに、目の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは、思わずなんべんも目をこすってしまいました。
関連タイピング
-
少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
プレイ回数1519 長文4349打 -
夏目漱石「こころ」3-61s
プレイ回数826 長文1387打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数209 長文2552打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数174 長文1949打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数30 長文2421打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数164 長文3422打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数107 長文2341打 -
夏目漱石
プレイ回数17万 長文かな512打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(ろく、ぎんがすてーしょん)
六、銀河ステーション
(そしてじょばんにはすぐうしろのてんきりんのはしらが)
そしてジョバンニはすぐうしろの天気輪の柱が
(いつかぼんやりしたさんかくひょうのかたちになって、)
いつかぼんやりした三角標の形になって、
(しばらくほたるのように、)
しばらくほたるのように、
(ぺかぺかきえたりともったりしているのをみました。)
ぺかぺか消えたりともったりしているのを見ました。
(それはだんだんはっきりして、)
それはだんだんはっきりして、
(とうとうりんとうごかないようになり、)
とうとうりんとうごかないようになり、
(こいこうせいのそらののはらにたちました。)
濃い鋼青(こうせい)のそらの野原にたちました。
(いまあたらしくやいたばかりのあおいはがねのいたのような、)
いま新しくやいたばかりの青い鋼の板のような、
(そらののはらに、まっすぐにすきっとたったのです。)
そらの野原に、まっすぐにすきっと立ったのです。
(すると、どこかで、ふしぎなこえが、)
すると、どこかで、ふしぎな声が、
(ぎんがすてーしょん、ぎんがすてーしょんというこえがしたとおもうと)
銀河ステーション、銀河ステーションという声がしたと思うと
(いきなりめのまえが、ぱっとあかるくなって、)
いきなり目の前が、ぱっと明るくなって、
(まるでおくまんのほたるいかのひをいっぺんにかせきさせて、)
まるで億万のほたるいかの火を一ぺんに化石させて、
(そらじゅうにしずめたというぐあい、)
そら中に沈めたというぐあい、
(まただいあもんどがいしゃで、ねだんがやすくならないために、)
またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、
(ばらまいたというふうに、)
ばらまいたというふうに、
(めのまえがさあっとあかるくなって、)
目の前がさあっと明るくなって、
(じょばんには、おもわずなんべんもめをこすってしまいました。)
ジョバンニは、思わずなんべんも目をこすってしまいました。
(きがついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、)
気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、
など
(じょばんにののっているちいさなれっしゃがはしりつづけていたのでした。)
ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。
(ほんとうにじょばんには、よるのけいべんてつどうの、)
ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、
(ちいさなきいろのでんとうのならんだしゃしつに、)
小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、
(まどからそとをみながらすわっていたのです。)
窓から外を見ながらすわっていたのです。
(しゃしつのなかは、あおいびろーどをはったこしかけが、まるでがらあきで、)
車室の中は、青い天蚕絨(ビロード)を張った腰掛けが、まるでがらあきで、
(むこうのねずみいろのわにすをぬったかべには、)
向こうのねずみいろのワニスを塗った壁には、
(しんちゅうのおおきなぼたんがふたつひかっているのでした。)
しんちゅうの大きなぼたんが二つ光っているのでした。
(すぐまえのせきに、ぬれたようにまっくろなうわぎをきた、せいのたかいこどもが、)
すぐ前の席に、ぬれたようにまっ黒な上着を着た、せいの高い子どもが、
(まどからあたまをだしてそとをみているのにきがつきました。)
窓から頭を出して外を見ているのに気がつきました。
(そしてそのこどものかたのあたりが、)
そしてその子どもの肩のあたりが、
(どうもみたことのあるようなきがして、そうおもうと、)
どうも見たことのあるような気がして、そう思うと、
(もうどうしてもだれだかわかりたくて、たまらなくなりました。)
もうどうしても誰だかわかりたくて、たまらなくなりました。
(いきなりこっちもまどからかおをだそうとしたとき、)
いきなりこっちも窓から顔を出そうとしたとき、
(にわかにそのこどもがあたまをひっこめて、こっちをみました。)
にわかにその子どもが頭を引っこめて、こっちを見ました。
(それはかむぱねるらだったのです。)
それはカムパネルラだったのです。