青嵐血風録

(はやてのごとくむねにかみつく)

疾風(はやて)の如く　胸に噛み付く

(しゅゆのおもいあつく)

須臾(しゅゆ)の想い熱く

(わがこころにはあおきおおかみむきずのままちをながす)

わが心には蒼き狼　無疵のまま血を流す

(まよいまどいさまよっていみをなさぬほうこうの)

迷い惑い彷徨って　意味を成さぬ咆哮の

(やまにそらにこだまこえどこにとどくぜっしょう)

山に空に谺越え　何処に届く絶唱

(みちにたおれてよぶななどない)

路に倒れて呼ぶ名などない

(ちらばるほこりかきいだくとき)

散らばる誇り掻き抱く時

(どぶのどろみずはえるじゃくげつ)

溝(どぶ)の泥水　映える若月(じゃくげつ)

(やさしきはるをなぜみせる)

優しき春を何故見せる

(だれかのこどくとひとときまじわれば)

誰かの孤独と　ひととき交われば

(すくいのてはかげだけのばす)

救いの手は影だけ伸ばす

(ぼくらがみたいのはそのさきでも)

僕らが視たいのはその先でも

(ここははるかなしんくのせんじょう)

ここは遥かな真紅の戦場

(るろうのたみのおちゆくさき)

流浪の民の　堕ち行く先

(あくのはなはくらく)

悪の華は暗く

(わがたましいのあおきあらしよ)

わが魂の青き嵐よ

(やむことなくふりつづけ)

止む事無く降り続け

(あせりあえぎはいずってたちきらんとぼんのうの)

焦りアエぎ這いずって　断ち切らんと煩悩の

(ゆきつもどりつけものみち)

行きつ戻りつ獣道

(いつはてるやかっとう)

いつ果てるや葛藤

(うまれながらにしっていたのか)

生まれながらに知っていたのか

(あいというなのぬくもりかなし)

愛という名のぬくもり哀し

(あんにもとめたたらちねのはは)

暗に求めた垂乳根(たらちね)の母

(あなたがあたえしひびのなか)

貴女が与えし日々の中

(ちかづきとおざかりだくのはまぼろしか)

近づき遠ざかり　抱くのは幻か

(このうでにはもろはのつるぎ)

この腕には諸刃の剣(つるぎ)

(だれかとさしちがえたしかめあう)

誰かと刺し違え確かめ合う

(このよにうまれおちたということ)

この世に生まれ落ちたということ

(ふしゅうのみなれきばをむけても)

俘囚の身なれ　牙を向けても

(みえぬてきはいずこ)

見えぬ敵はいずこ

(わがこころにはあおきおおかみ)

わが心には蒼き狼

(ねむらぬよをいくつすぎ)

眠らぬ夜を幾つ過ぎ

(きりさかれしせいてんとしこくのちのこんとんと)

切り裂かれし晴天と　紫黒の地の混沌と

(きせきのようなゆうばえを)

奇跡のような夕映えを

(まとうわれはちみどろ)

纏う我は血みどろ

(はやてのごとくむねにかみつく)

疾風(はやて)の如く　胸に噛み付く

(しゅゆのおもいふかく)

須臾(しゅゆ)の想い深く

(わがこころにはあおきおおかみ)

わが心には蒼き狼

(なみだなくきずはしみて)

涙無く傷は沁みて

(るろうのたみのおちゆくさき)

流浪の民の　堕ち行く先

(あくのはなはくらく)

悪の華は暗く

(わがたましいのあおきあらしよ)

わが魂の青き嵐よ

(やむことなくふりつづけ)

止む事無く降り続け

(まよいまどいさまよっていみをなさぬほうこうの)

迷い惑い彷徨って　意味を成さぬ咆哮の

(やまにそらにこだまこえいつかとどくぜっしょう)

山に空に谺越え　いつか届く絶唱

(あらしゆきゆうばえまとうわれはちみどろ)

嵐逝き夕映え　纏う我は血みどろ