【青空文庫】夢十夜 第二夜 1/2

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | はく | 7176 | 王 | 7.3 | 97.0% | 179.2 | 1326 | 40 | 36 | 2025/04/15 |
2 | berry | 6844 | S++ | 6.9 | 98.7% | 188.9 | 1309 | 16 | 36 | 2025/04/15 |
3 | omochi | 6735 | S+ | 6.9 | 96.9% | 190.2 | 1323 | 42 | 36 | 2025/04/18 |
4 | おおくまねこ | 5916 | A+ | 6.0 | 98.4% | 218.2 | 1311 | 20 | 36 | 2025/04/17 |
5 | miko | 5247 | B+ | 5.4 | 96.5% | 242.2 | 1318 | 47 | 36 | 2025/04/16 |
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問題文
(こんなゆめをみた。)
こんな夢を見た。
(おしょうのむろをさがって、ろうかづたいにじぶんのへやへかえると)
和尚の室を退がって、廊下伝いに自分の部屋へ帰ると
(あんどんがぼんやりとともっている。)
行灯がぼんやりと点っている。
(かたひざをざぶとんのうえについて、とうしんをかきたてたとき、)
片膝を座布団の上に突いて、灯心を掻き立てたとき、
(はなのようなちょうじがぱたりとしゅぬりのだいにおちた。)
花のような丁子がぱたりと朱塗の台に落ちた。
(どうじにへやがぱっとあかるくなった。)
同時に部屋がぱっと明るくなった。
(ふすまのえはぶそんのふでである。)
襖の画は蕪村の筆である。
(くろいやなぎをこくうすく、おちこちとかいて、)
黒い柳を濃く薄く、遠近とかいて、
(さむそうなぎょふがかさをかたぶけてかみてのうえをとおる。)
寒そうな漁夫が笠を傾けて上手の上を通る。
(とこにはかいちゅうもんじゅのじくがかかっている。)
床には海中文殊の軸が懸っている。
(たきのこしたせんこうがくらいほうでいまだににおっている。)
焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。
(ひろいてらだからしんかんとして、ひとけがない。)
広い寺だから森閑として、人気がない。
(くろいてんじょうにさすまるあんどんのまるいかげが、)
黒い天井に差す丸行灯の丸い影が、
(あおむくとたんにいきてるようにみえた。)
仰向く途端に生きてるように見えた。
(たてひざをしたまま、ひだりのてでざぶとんをまくって、みぎをさしこんでみると、)
立膝をしたまま、左の手で座布団を捲って、右を差し込んで見ると、
(おもったところに、ちゃんとあった。)
思った所に、ちゃんとあった。
(あればあんしんだから、ふとんをもとのごとくなおして、)
あれば安心だから、蒲団をもとのごとく直して、
(そのうえにどっかりすわった。)
その上にどっかり坐った。
(おまえはさむらいである。)
お前は侍である。
(さむらいならさとれぬはずはなかろうとおしょうがいった。)
侍なら悟れぬはずはなかろうと和尚が云った。
(そういつまでもさとれぬところをもってみると、)
そういつまでも悟れぬところをもって見ると、
(おまえはさむらいではあるまいといった。)
御前は侍ではあるまいと言った。
(にんげんのくずじゃといった。)
人間の屑じゃと言った。
(ははあおこったなといってわらった。)
ははあ怒ったなと云って笑った。
(くやしければさとったしょうこをもってこいといってぷいとむこうをむいた。)
口惜しければ悟った証拠を持って来いと云ってぷいと向をむいた。
(けしからん。)
怪しからん。
(となりのひろまのゆかにすえてあるおきどけいがつぎのときをうつまでには、)
隣の広間の床に据えてある置時計が次の刻を打つまでには、
(きっとさとってみせる。)
きっと悟って見せる。
(さとったうえで、こんやまたにゅうしつする。)
悟った上で、今夜また入室する。
(そうしておしょうのくびとさとりとひきかえにしてやる。)
そうして和尚の首と悟りと引替にしてやる。
(さとらなければ、おしょうのいのちがとれない。)
悟らなければ、和尚の命が取れない。
(どうしてもさとらなければならない。)
どうしても悟らなければならない。
(じぶんはさむらいである。)
自分は侍である。
(もしさとらなければじじんする。)
もし悟らなければ自刃する。
(さむらいがはずかしめられて、いきているわけにはいかない。)
侍が辱められて、生きている訳には行かない。
(きれいにしんでしまう。)
綺麗に死んでしまう。