誰も知らぬ 太宰治(3/3)
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問題文
(ほうにいらっしゃるようすでございます。わたしもそのよくねんに、いまのしゅじんを)
ほうにいらっしゃる様子でございます。私もその翌年に、いまの主人を
(むかえました。せりかわさんのにいさんとは、そののちおあいしても、べつになんとも)
迎えました。芹川さんの兄さんとは、そののちお逢いしても、別になんとも
(ございません。いまはかげつどうのとうしゅでして、きれいなちいさいおかみさんを)
ございません。いまは華月堂の当主でして、綺麗な小さいおかみさんを
(おもらいになってなかなかはんじょうしております。やっぱり、ずっとつづけていっしゅうかんに)
おもらいになって仲々繁昌して居ります。やっぱり、ずっとつづけて一週間に
(いちどくらいは、ごしゅじんがちゅうもんのおかしをとどけにまいります。べつに、かわった)
いちどくらいは、御主人が注文の御菓子をとどけにまいります。別に、かわった
(こともございません。わたしは、あのよる、ぬいものをしながら、うとうとねむって)
こともございません。私は、あの夜、縫いものをしながら、うとうと眠って
(ゆめをみたのでございましょうか。ゆめにしては、いやにはっきりしているようで)
夢を見たのでございましょうか。夢にしては、いやにはっきりしているようで
(ございます。あなたには、おわかりでしょうか。まるでうそみたいなおはなしで)
ございます。あなたには、おわかりでしょうか。まるで嘘みたいなお話で
(ございます。でも、これはひみつにしておいていただきましょう。)
ございます。でも、之《これ》は秘密にして置いていただきましょう。
(むすめがあなた、もうじょがっこうさんねんになるのでございますもの。)
娘があなた、もう女学校三年になるのでございますもの。
