星の王子さま 9 (10/32)
花との別れ
サン=テグジュペリ作 内藤濯訳
| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ゆほゆほ | 4204 | C | 4.3 | 96.8% | 592.5 | 2574 | 83 | 54 | 2026/07/16 |
| 2 | haruf2 | 3832 | D++ | 3.8 | 98.6% | 660.1 | 2566 | 36 | 54 | 2026/07/15 |
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問題文
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(わたりどりたちが、ほかのほしにうつりすむのをみたおうじさまは、いいおりだとおもって、)
渡り鳥たちが、ほかの星に移り住むのを見た王子さまは、いいおりだと思って、
(ふるさとのほしをあとにしたのだとぼくはおもいます。)
ふるさとの星をあとにしたのだとぼくは思います。
(しゅっぱつのひのあさ、おうじさまは、じぶんのほしを、きちんとせいりしました。)
出発の日の朝、王子さまは、自分の星を、きちんと整理しました。
(ねんいりにかっかざんのすすはらいをしました。)
念入りに活火山のすすはらいをしました。
(そういえば、おうじさまは、かっかざんを、ふたつもっていました。)
そういえば、王子さまは、活火山を、二つ持っていました。
(ですから、あさのしょくじをあたためるには、たいそうべんりでした。)
ですから、朝の食事をあたためるには、たいそう便利でした。
(しかざんもひとつもっていました。
しかし、おうじさまもいっていましたとおり、)
死火山も一つもっていました。
しかし、王子さまもいっていましたとおり、
(それが、まったくばくはつしないものではないとはかぎらないのです。)
それが、まったく爆発しないものではないとはかぎらないのです。
(だから、おうじさまは、しかざんのすすはらいもしました。)
だから、王子さまは、死火山のすすはらいもしました。
(かざんというものは、よくすすはらいをしておきさえすれば、)
火山というものは、よくすすはらいをしておきさえすれば、
(ばくはつなんかしないで、しずかにきそくただしくけむりをはくものなのです。)
爆発なんかしないで、しずかに規則正しく煙をはくものなのです。
(かざんのばくはつは、えんとつのひとかわりありません。)
火山の爆発は、煙突の火とかわりありません。
(このちきゅうのうえでは、ぼくたちにんげんが、あんまりちいさくて、)
この地球の上では、ぼくたち人間が、あんまり小さくて、
(かざんのすすはらいをするわけにいかないことは、いうまでもありません。)
火山の煤払いをするわけにいかないことは、いうまでもありません。
(だから、ぼくたちは、かざんのばくはつのために、さんざ、なやまされるのです。)
だから、ぼくたちは、火山の爆発のために、さんざ、悩まされるのです。
(おうじさまは、つい、このごろはえたばおばぶのめを、どこかかおをくもらせて、)
王子さまは、つい、このごろ生えたバオバブの芽を、どこか顔をくもらせて、
(ぬきとりました。もう、にどとかえってこないつもりだったのです。)
ぬきとりました。もう、二度と帰ってこないつもりだったのです。
(ところで、いつもするそんなしごとも、そのあさは、ひどくみにしみました。)
ところで、いつもするそんな仕事も、その朝は、ひどく身にしみました。
(そして、わかれのしるしに、はなにみずをかけて、おおいがらすを、)
そして、わかれのしるしに、花に水をかけて、覆いガラスを、
(かけてやろうとしていると、いまにもなみだがこぼれそうになりました。)
かけてやろうとしていると、いまにも涙がこぼれそうになりました。
など
(「さようなら」と、おうじさまは、はなにいいました。)
「さようなら」と、王子さまは、花にいいました。
(しかし、はなはなんともいいません。)
しかし、花はなんともいいません。
(「さようなら」と、おうじさまはくりかえしました。)
「さようなら」と、王子さまは繰り返しました。
(はなは、せきをしました。)
花は、せきをしました。
(でも、かぜをひいているからではありませんでした。)
でも、風邪をひいているからではありませんでした。
(「あたくし、ばかでした」と、はなは、やっと、おうじさまにいいました。)
「あたくし、ばかでした」と、花は、やっと、王子さまにいいました。
(「ごめんなさい。おしあわせでね・・・」)
「ごめんなさい。おしあわせでね・・・」
(おうじさまは、はながちっともとがめるようなことをいわないので、)
王子さまは、花がちっともとがめるようなことをいわないので、
(おどろきました。
そして、おおいがらすをそらにむけたまま、)
おどろきました。
そして、覆いガラスを空に向けたまま、
(すっかりめんくらって、じっとたっていました。)
すっかりめんくらって、じっと立っていました。
(はなが、どうして、こうおとなしくしているのか、わけがわかりませんでした。)
花が、どうして、こうおとなしくしているのか、わけがわかりませんでした。
(「そりゃ、もう、あたくし、あなたがすきなんです。)
「そりゃ、もう、あたくし、あなたが好きなんです。
(あなたがそれを、ちっともしらなかったのは、)
あなたがそれを、ちっとも知らなかったのは、
(あたくしがわるかったんです。
でも、そんなこと、どうでもいいことですわ。)
あたくしがわるかったんです。
でも、そんなこと、どうでもいいことですわ。
(あたくしもそうでしたけど、あなたもやっぱり、おばかさんだったのよ。)
あたくしもそうでしたけど、あなたもやっぱり、おばかさんだったのよ。
(おしあわせでね・・・
もう、そのおおいがらすなんか、いりませんわ」)
おしあわせでね・・・
もう、その覆いガラスなんか、いりませんわ」
(「でも、かぜがふいてきたら・・・」)
「でも、風がふいてきたら・・・」
(「あたくしのかぜ、たいしたかぜじゃありませんもの・・・)
「あたくしの風邪、たいした風邪じゃありませんもの・・・
(よるのすずしいかぜにふかれたら、さっぱりしますわ・・・はななんですもの」)
夜の涼しい風にふかれたら、さっぱりしますわ・・・花なんですもの」
(「でも、けものが・・・」)
「でも、けものが・・・」
(「あたくし、ちょうちょうのおともだちになりたかったら、)
「あたくし、チョウチョウのお友だちになりたかったら、
(にひきやさんびきのけむしはがまんしなくちゃあね。)
二ひきや三びきのケムシはがまんしなくちゃあね。
(ちょうちょうって、なんだか、たいそううつくしそうですわ。)
チョウチョウって、なんだか、たいそう美しそうですわ。
(ちょうちょうでなくて、だれが、あたくしをたずねにきてくれるでしょう。)
チョウチョウでなくて、だれが、あたくしを訪ねに来てくれるでしょう。
(あなたは、とおくにいっておしまいですからね。)
あなたは、遠くに行っておしまいですからね。
(おおきなけもののことだったら、ちっともこわかないわ。)
大きなけもののことだったら、ちっともこわかないわ。
(あたくしだって、つめはもってるんだから」)
あたくしだって、爪はもってるんだから」
(はなは、そういってよっつのとげを、むじゃきにみせたあと、こうつけくわえました。)
花は、そういって四つのトゲを、むじゃきに見せたあと、こうつけ加えました。
(「そう、ぐずぐずなさるなんて、じれったいわ。)
「そう、ぐずぐずなさるなんて、じれったいわ。
(もうよそへいくことにおきめになったんだから、)
もうよそへいくことにお決めになったんだから、
(いっておしまいなさい、さっさと!」)
行っておしまいなさい、さっさと!」
(はながそういったのは、ないているかおを、おうじさまに)
花がそういったのは、泣いている顔を、王子さまに
(みせたくなかったからでした。)
見せたくなかったからでした。
(それほどよわみをみせるのがきらいなはなでした。)
それほど弱みを見せるのがきらいな花でした。