星の王子さま 7 (8/32)

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問題文
(いつかめに、やはりひつじのおかげで、)
五日目に、やはりヒツジのおかげで、
(ぼくは、おうじさまのもっているひみつがわかりました。)
ぼくは、王子さまのもっている秘密がわかりました。
(ながいあいだ、だまってかんがえていたもんだいから、しつもんがうまれたように、)
長い間、だまって考えていた問題から、質問がうまれたように、
(おうじさまは、だしぬけに、こう、ぼくにききました。)
王子さまは、だしぬけに、こう、ぼくに聞きました。
(「ひつじは、ちいさいきをたべるんだったら、はなもたべるんだろうね?」)
「ヒツジは、小さい木を食べるんだったら、花もたべるんだろうね?」
(「いきあたりばったり、なんでもたべるよ」)
「いきあたりばったり、なんでも食べるよ」
(「とげのあるはなも?」)
「トゲのある花も?」
(「そう、とげのあるはなも」 「じゃ、とげは、いったい、なんのやくにたつの?」)
「そう、トゲのある花も」 「じゃ、トゲは、いったい、なんの役にたつの?」
(それは、ぼくのしらないことでした。)
それは、ぼくの知らないことでした。
(ぼくはそのとき、もーたーのぼーるとが、あまりしまりすぎているので、)
ぼくはその時、モーターのボールトが、あまり締まりすぎているので、
(それをはずそうと、けんめいになっていました。)
それをはずそうと、懸命になっていました。
(ちょっとやそっとでは、ぱんくがなおりそうもないので、)
ちょっとやそっとでは、パンクがなおりそうもないので、
(きがきではありませんでした。それに、のみみずもそこをついていて、)
気が気ではありませんでした。それに、飲み水も底をついていて、
(てもあしもでないことになりそうだったのです。)
手も足もでないことになりそうだったのです。
(「とげは、いったい、なんのやくにたつの?」)
「トゲは、いったい、なんの役にたつの?」
(おうじさまは、いちど、なにかききだすと、)
王子さまは、いちど、なにかききだすと、
(あいてがへんじをするまであきらめません。)
あいてが返事をするまであきらめません。
(ぼくは、ぼーるとのことで、きがいらいらしていたので、)
ぼくは、ボールトのことで、気がいらいらしていたので、
(なんでもかまわず、でたらめにこたえました。)
なんでもかまわず、でたらめに答えました。
(「なんのやくにもたちゃあしないよ、はなはいじわるしたいから、)
「なんの役にもたちゃあしないよ、花はいじわるしたいから、
(とげなんかつけてるんだ」 「へえ!」)
トゲなんかつけてるんだ」 「へえ!」
(だけれど、ちょっとだまっていてから、おうじさまは、うらめしそうに、)
だけれど、ちょっとだまっていてから、王子さまは、うらめしそうに、
(こういいかえしました。)
こういいかえしました。
(「うそだよ、そんなこと! はなはよわいんだ。むじゃきなんだ。)
「うそだよ、そんなこと! 花はよわいんだ。むじゃきなんだ。
(できるだけしんぱいのないようにしてるんだ。)
できるだけ心配のないようにしてるんだ。
(とげをじぶんたちの、おそろしいぶきだとおもってるんだ」)
トゲをじぶんたちの、おそろしい武器だと思ってるんだ」
(ぼくは、なにもこたえませんでした。)
ぼくは、なにも答えませんでした。
(ぼくは、このとき、 <このぼーるとが、いうことをきかなけりゃあ、)
ぼくは、このとき、 <このボールトが、いうことをきかなけりゃあ、
(かなづちでぶっとばそう> とかんがえていました。)
カナヅチでぶっとばそう> と考えていました。
(すると、おうじさまは、また、ぼくのかんがえをじゃましました。)
すると、王子さまは、また、ぼくの考えをじゃましました。
(「だのに、きみは、ほんとにそうおもっているんだね? はなってものは・・・」)
「だのに、きみは、ほんとにそう思っているんだね? 花ってものは・・・」
(「ちがうよ、ちがうよ、なんともおもってやしないよ。)
「ちがうよ、ちがうよ、なんとも思ってやしないよ。
(でたらめにへんじしたんだ。 とてもだいじなことが、あたまにひっかかってるんでね」)
でたらめに返事したんだ。 とても大事なことが、頭にひっかかってるんでね」
(おうじさまは、あっけにとられて、ぼくのかおをみました。)
王子さまは、あっけにとられて、ぼくの顔を見ました。
(「なに、だいじなことって?」 おうじさまは、ぼくをみました。)
「なに、大事なことって?」 王子さまは、ぼくを見ました。
(ぼくは、おうじさまにとってはたいそうきたなくみえるもののうえに)
ぼくは、王子さまにとってはたいそうきたなく見えるものの上に
(かがみこみながら、かなづちをてにもち、きかいあぶらでゆびをまっくろにしていたのです。)
屈み込みながら、カナヅチを手に持ち、機械油で指を真っ黒にしていたのです。
(「まるで、おとなみたいなくちのききようをするひとだな!」)
「まるで、おとなみたいな口のききようをする人だな!」
(そういわれて、ぼくは、すこしはずかしくなりました。)
そういわれて、ぼくは、少し恥ずかしくなりました。
(しかし、あいては、それにかまわず、こうつづけました。)
しかし、あいては、それにかまわず、こう続けました。
(「きみは、なにもかも、ごちゃごちゃにしてるよ・・・まぜこぜにしてるよ!」)
「きみは、なにもかも、ごちゃごちゃにしてるよ・・・まぜこぜにしてるよ!」
(おうじさまは、こんどは、ほんとうにはらをたてていました。)
王子さまは、こんどは、ほんとうに腹をたてていました。
(そして、めのさめるようなきんいろのかみを、かぜにゆすっていいました。)
そして、目のさめるような金色の髪を、風にゆすっていいました。
(「ぼくのしっているあるほしに、あかぐろっていうせんせいがいてね、)
「ぼくの知っているある星に、赤黒っていう先生がいてね、
(そのせんせい、はなのにおいなんか、すったこともないし、ほしをながめたこともない。)
その先生、花のにおいなんか、吸ったこともないし、星をながめたこともない。
(だあれも、あいしたこともなくて、していることといったら、よせざんばかりだ。)
だあれも、愛したこともなくて、していることといったら、寄せ算ばかりだ。
(そしてひながいちにち、きみみたいに、いそがしい、いそがしい、とくちぐせにいいながら、)
そして日なが一日、きみみたいに、忙しい、忙しい、と口ぐせにいいながら、
(いばりくさってるんだ。 そりゃ、ひとじゃなくて、きのこなんだ」)
いばりくさってるんだ。 そりゃ、ひとじゃなくて、キノコなんだ」
(「きの・・・」 「きのこなんだ」)
「キノ・・・」 「キノコなんだ」
(おうじさまは、もうまっさおになっておこっていました。)
王子さまは、もうまっさおになっておこっていました。
(「はなは、もうなんびゃくねんもまえから、とげをつくってる。)
「花は、もう何百年も前から、トゲを作ってる。
(ひつじもやっぱり、もうなんびゃくねんもまえから、はなをたべてる。)
ヒツジもやっぱり、もう何百年も前から、花をたべてる。
(でも、はなが、なぜ、さんざくろうして、なんのやくにもたたないとげをつくるのか、)
でも、花が、なぜ、さんざ苦労して、なんの役にもたたないトゲを作るのか、
(そのわけをしろうというのが、だいじなことじゃないっていうのかい?)
そのわけを知ろうというのが、大事なことじゃないっていうのかい?
(はながひつじにくわれることなんか、たいしたことじゃないっていうの?)
花がヒツジに食われることなんか、たいしたことじゃないっていうの?
(ふとっちょのあかぐろせんせいのよせざんより、だいじなことじゃないっていうの?)
ふとっちょの赤黒先生の寄せ算より、大事なことじゃないっていうの?
(ぼくのほしには、よそだとどこにもない、めずらしいはながひとつあってね、あるあさ、)
ぼくの星には、よそだとどこにもない、めずらしい花が一つあってね、ある朝、
(ちいさなひつじが、うっかり、ぱくっとくっちまうようなことがあるってことを、)
小さなヒツジが、うっかり、パクっと食っちまうようなことがあるってことを、
(ぼくがーこのぼくがーしってるのに、きみ、それがだいじじゃないっていうの?」)
ぼくがーこのぼくがー知ってるのに、きみ、それが大事じゃないっていうの?」
(おうじさまは、そういって、こんどは、かおをあかくしましたが、)
王子さまは、そういって、こんどは、顔を赤くしましたが、
(やがてまた、いいつづけました。)
やがてまた、いいつづけました。
(「だれかが、なんびゃくまんものほしのどれかにさいている、たったいちりんのはなが)
「だれかが、何百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花が
(すきだったら、そのひとは、そのたくさんのほしをながめるだけで、)
すきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、
(しあわせになれるんだ。)
しあわせになれるんだ。
(そして、<ぼくのすきなはなが、どこかにある>とおもっているんだ。)
そして、<ぼくのすきな花が、どこかにある>と思っているんだ。
(それで、ひつじがはなをくうのは、)
それで、ヒツジが花をくうのは、
(そのひとのほしというほしが、とつぜんきえてなくなるようなものなんだけど、)
その人の星という星が、とつぜん消えてなくなるようなものなんだけど、
(それもきみは、たいしたことじゃないっていうんだ」)
それもきみは、たいしたことじゃないっていうんだ」
(おうじさまは、それきり、なにもいえませんでした。)
王子さまは、それきり、何もいえませんでした。
(そして、にわかに、わっとなきだしました。 よるになっていました。)
そして、にわかに、わっと泣き出しました。 夜になっていました。
(ぼくは、しごとどうぐをてばなしていました。)
ぼくは、しごと道具をてばなしていました。
(かなづちも、ぼーるとも、めにうつらなかったし、のどがかわいても、)
カナヅチも、ボールトも、目にうつらなかったし、のどが渇いても、
(しぬおもいをしても、そんなことは、どうでもよいことでした。)
死ぬ思いをしても、そんなことは、どうでもよいことでした。
(ひとりのおうじさまを、ひとつのほしといっても、ぼくのちきゅうのうえで、)
ひとりの王子さまを、一つの星といっても、ぼくの地球のうえで、
(なんとかして、なぐさめなければならなかったのです。)
なんとかして、なぐさめなければならなかったのです。
(ぼくは、おうじさまをしっかりだいて、しずかにゆすりながら、)
ぼくは、王子さまをしっかりだいて、しずかにゆすりながら、
(「あんたのすきはな、だいじょうぶだよ・・・)
「あんたのすき花、だいじょうぶだよ・・・
(あんたのひつじには、くちわをかいてやる・・・)
あんたのヒツジには、口輪をかいてやる・・・
(あんたのはなには、かこいをかいてあげる・・・ぼくは・・・」)
あんたの花には、囲いをかいてあげる・・・ぼくは・・・」
(と、いいはしましたが、なんといっていいか、わかりませんでした。)
と、いいはしましたが、なんといっていいか、わかりませんでした。
(ものをいうにも、へたくそで、うまくいえなかったのです。)
ものをいうにも、へたくそで、うまくいえなかったのです。
(どうしたら、おうじさまのきもちになれるのか、どこでおうじさまのきもちと、)
どうしたら、王子さまの気持ちになれるのか、どこで王子さまの気持ちと、
(いっしょになれるのか、それもわかりませんでした・・・)
いっしょになれるのか、それもわかりませんでした・・・
(なみだのくにって、ほんとにふしぎなところですね。)
涙の国って、ほんとにふしぎなところですね。