オオカミ王ロボ 13
シートン動物記
アーネスト・トムソン・シートン作
偕成社文庫
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問題文
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(きょねんのじゅういちがつまつのあるよるのことだ。)
去年の十一月末のある夜のことだ。
(ぺりこうまれのひつじかいがふたり、よるばんをしていたとき、)
ペリコ生まれの羊飼いが二人、夜番をしていたとき、
(おおかみにおそわれたことがある。)
オオカミに襲われた事がある。
(ひつじはどっとやぎのまわりにおしよせたが、)
ヒツジはどっとヤギの周りに押し寄せたが、
(さすがにやぎはばかものでもおくびょうものでもないから、)
さすがにヤギは馬鹿者でも臆病者でもないから、
(そのばにとどまってゆうかんにおおかみにたちむかった。)
その場に留まって勇敢にオオカミに立ち向かった。
(ところが、このなぐりこみのたいしょうは、ふつうのおおかみではなかった。)
ところが、この殴り込みの大将は、ふつうのオオカミではなかった。
(ひとおおかみのまもの、ろぼじいは、)
人オオカミの魔物、ロボじいは、
(ひつじたちのこころのささえになっているのがやぎだということなど、)
ヒツジたちの心の支えになっているのがヤギだということなど、
(ひつじかいよりもよくしっていた。)
羊飼いよりもよく知っていた。
(だから、いきなり、かたまったひつじのせなかをとびこえて、)
だから、いきなり、かたまったヒツジの背中を飛び越えて、
(このしどうしゃにおどりかかった。)
この指導者に踊りかかった。
(そして、あっというまにぜんぶころしたから、もういけない。)
そして、あっという間に全部殺したから、もういけない。
(うんにみはなされたひつじたちは、しほうはっぽうになだれをうってくずれだした。)
運に見放されたヒツジたちは、四方八方に雪崩を打って崩れだした。
(それからなんしゅうかんというもの、わたしはまいにちのように、)
それから何週間というもの、私は毎日のように、
(しんぱいがおなひつじかいにつかまっては、きかれたものだ。)
心配顔な羊飼いにつかまっては、聞かれたものだ。
(「otoのひつじがまよっているのを、このごろみかけませんかね。」)
「OTOのヒツジが迷っているのを、このごろ見かけませんかね。」
(たいていは、みたとこたえるが、ときにはこんなこともある。)
大抵は、見たと答えるが、時にはこんなこともある。
(「ああ、だいやもんどいずみのそばで、しがいをいつつむっつねえ。」)
「ああ、ダイヤモンド泉のそばで、死骸を五つ六つねえ。」
(またときには、まるぱいだいちでちいさなむれがはしっているのをみた、)
またときには、マルパイ台地で小さな群れが走っているのを見た、
など
(などとこたえることもある。)
などと答えることもある。
(また、こんなふうにこたえることもあった。)
また、こんなふうに答えることもあった。
(「わたしはみなかったがね。)
「私は見なかったがね。
(じゅあんめいらがにじゅっとうばかり、)
ジュアン・メイラが二十頭ばかり、
(ころされたばかりのをみかけたといっていたよ。)
殺されたばかりのを見かけたと言っていたよ。
(ふつかまえ、せどらもんてのあたりでだ。」)
二日前、セドラモンテのあたりでだ。」