星の王子さま 17 (19/32)
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問題文
(ひとは、きのきいたことをいおうとすると、)
人は、気のきいたことを言おうとすると、
(なんとなく、うそをつくことがあるものです。)
なんとなく、うそをつくことがあるものです。
(ぼくは、てんとうふのはなしをするときに、どこまでもしょうじきだったとはいえません。)
ぼくは、点燈夫のはなしをする時に、どこまでも正直だったとはいえません。
(だから、あいてが、ちきゅうのことをしらないひとだと、)
だから、あいてが、地球のことを知らない人だと、
(ちきゅうについてまちがったかんがえを、もたすかもしれません。)
地球についてまちがった考えを、持たすかもしれません。
(にんげんがちきゅうのうえにしめているばしょは、ほんのわずかです。)
人間が地球の上に占めている場所は、ほんのわずかです。
(ちきゅうにすんでいるにじゅうおくのひとが、おおきなしゅうかいでもするように、)
地球に住んでいる二十億の人が、大きな集会でもするように、
(もし、こころもちれつをつめてたったら、ながさにじゅうまいる、)
もし、心もち列をつめて立ったら、長さ二十マイル、
(はばにじゅうまいるのひろばに、らくにはいります。)
幅二十マイルの広場に、らくにはいります。
(たいへいようの、どんなちいさなしまにでも、)
太平洋の、どんな小さな島にでも、
(にんげんぜんたいが、つみかさなっていられるはずです。)
人間全体が、つみかさなっていられるはずです。
(といったら、おとなたちは、もちろん、うそだとおもうでしょう。)
といったら、おとなたちは、もちろん、うそだと思うでしょう。
(というのも、にんげんは、たくさんのばしょをしめているとおもっているからです。)
というのも、人間は、たくさんの場所を占めていると思っているからです。
(ばおばぶとおなじように、じぶんをごたいそうなものとおもっているからです。)
バオバブとおなじように、じぶんを御大層なものと思っているからです。
(だから、みなさん、おとなたちに、けいさんなさい、とおすすめなさい。)
だから、みなさん、おとなたちに、計算なさい、とおすすめなさい。
(おとなたちは、とてもすうじがすきなんだから、そういったら、よろこぶでしょう。)
おとなたちは、とても数字が好きなんだから、そういったら、喜ぶでしょう。
(でも、みなさんは、そんなよけいなことで、ひまつぶしをしてはいけませんよ。)
でも、みなさんは、そんなよけいなことで、暇つぶしをしてはいけませんよ。
(どっちみち、なんにもならないことなんですからね。 ね、そうでしょう?)
どっちみち、なんにもならないことなんですからね。 ね、そうでしょう?
(さて、おうじさまは、ちきゅうにあしをふみいれると、)
さて、王子さまは、地球に足をふみいれると、
(だれもいないので、びっくりしました。)
誰もいないので、びっくりしました。
(ほしをまちがえたのではないかとしんぱいしていますと、)
星を間違えたのではないかと心配していますと、
(つきのいろをしたわが、すなのなかにうごいています。)
月の色をした環が、砂の中に動いています。
(「こんばんは」 と、おうじさまは、べつにあてもなしにいいました。)
「こんばんは」 と、王子さまは、べつにあてもなしにいいました。
(「こんばんは」 と、へびがいいました。)
「こんばんは」 と、ヘビがいいました。
(「ぼく、なんというほしにおちてきたのかしら」 と、おうじさまはたずねました。)
「ぼく、なんという星に落ちてきたのかしら」 と、王子さまはたずねました。
(「ちきゅうだよ、あふりかだよ」 と、へびはこたえました。)
「地球だよ、アフリカだよ」 と、ヘビは答えました。
(「ああ、そうか! ・・・じゃ、ちきゅうには、だれもいないんだね」)
「ああ、そうか! ・・・じゃ、地球には、だれもいないんだね」
(「ここは、さばくだよ。 さばくにゃあ、だあれもいないさ。)
「ここは、砂漠だよ。 砂漠にゃあ、だあれもいないさ。
(ちきゅうはおおきんだ」 と、へびがいいました。)
地球は大きんだ」 と、ヘビがいいました。
(おうじさまは、とあるいしにこしをおろして、そらをみあげながらいいました。)
王子さまは、とある石に腰をおろして、空を見上げながらいいました。
(「ほしがひかってるのは、みんながいつか、)
「星が光ってるのは、みんながいつか、
(じぶんのほしにかえっていけるためなのかなあ。)
じぶんの星に帰っていけるためなのかなあ。
(ぼくのほしをごらん。 ちょうど、まうえにひかってるよ・・・。)
ぼくの星をごらん。 ちょうど、真上に光ってるよ・・・。
(だけど、なんてとおいんだろう!」)
だけど、なんて遠いんだろう!」
(「うつくしいほしだなあ。 なにしにここにきたの?」)
「美しい星だなあ。 なにしにここにきたの?」
(「ぼく、あるはなといざこざがあってね」 と、おうじさまがいいました。)
「ぼく、ある花といざこざがあってね」 と、王子さまがいいました。
(「ふーん」 と、へびがいいました。)
「ふーん」 と、ヘビがいいました。
(ふたりはだまりました。)
ふたりはだまりました。
(「にんげんたちは、どこにいるの」 と、おうじさまは、やっとまたいいだしました。)
「人間たちは、どこにいるの」 と、王子さまは、やっとまたいいだしました。
(「さばくって、すこしさびしいね・・・」)
「砂漠って、すこしさびしいね・・・」
(「にんげんたちのところにいたって、やっぱりさびしいさ」)
「人間たちのところにいたって、やっぱりさびしいさ」
(と、へびがいいました。)
と、ヘビがいいました。
(おうじさまは、ながいこと、へびをながめていましたが、やっとこういいました。)
王子さまは、長いこと、ヘビを眺めていましたが、やっとこういいました。
(「きみは、へんなどうぶつだなあ。 ゆびみたいにほそくって・・・」)
「きみは、へんな動物だなあ。 指みたいに細くって・・・」
(「でも、おれ、おうさまのゆびよりつよいぜ」 と、へびがいいました。)
「でも、おれ、王さまの指より強いぜ」 と、ヘビがいいました。
(おうじさまは、にっこりしました。)
王子さまは、にっこりしました。
(「きみは、そうつよかないよ・・・あしももってやしないじゃないか・・・)
「きみは、そう強かないよ・・・足も持ってやしないじゃないか・・・
(りょこうだって、できやしないよ」)
旅行だって、できやしないよ」
(「あんたをとおくにはこんでいくことにかけちゃ、)
「あんたを遠くに運んでいくことにかけちゃ、
(ふねなんか、おれにかなやしないよ」)
船なんか、おれにかなやしないよ」
(へびは、そういって、まるできんのうでわのように、)
ヘビは、そういって、まるで金の腕輪のように、
(おうじさまのあしくびにまきつきました。)
王子さまの足首にまきつきました。
(そして、またいいました。)
そして、またいいました。
(「おれがさわったやつぁ、そいつがでてきたじめんにもどしてやるんだ。)
「おれがさわったやつぁ、そいつが出てきた地面にもどしてやるんだ。
(だけど、あんたは、むじゃきなひとで、)
だけど、あんたは、むじゃきな人で、
(おまけに、ほしからやってきたんだから・・・」)
おまけに、星からやってきたんだから・・・」
(おうじさまは、なんともこたえません。)
王子さまは、なんとも答えません。
(「あんたみたいによわいひとが、こんな、いわでかちかちのちきゅうにやってくるなんて、)
「あんたみたいに弱い人が、こんな、岩でカチカチの地球にやってくるなんて、
(かわいそうだな。 もし、あんたが、いつか、あんたのほしが、)
かわいそうだな。 もし、あんたが、いつか、あんたの星が、
(なつかしくてたまらなくなってかえりたくなったら、)
なつかしくてたまらなくなって帰りたくなったら、
(おれが、あんたをなんとかたすけてやるよ。 それから・・・」)
おれが、あんたをなんとか助けてやるよ。 それから・・・」
(「ああ、わかったよ、わかったよ。)
「ああ、わかったよ、わかったよ。
(だけど、なぜきみは、なぞのようなことばかりいうのかい?」)
だけど、なぜきみは、謎のようなことばかりいうのかい?」
(と、おうじさまがいいました。)
と、王子さまがいいました。
(「なぞは、みんなおれがとくさ」 と、へびがいいました。)
「なぞは、みんなおれがとくさ」 と、ヘビがいいました。
(そして、ふたりはだまりました。)
そして、ふたりはだまりました。