星の王子さま 21① (23/32)

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プレイ回数1608難易度(4.2) 3968打 長文
キツネと麦ばたけ 1/2
サン=テグジュペリ作 内藤濯訳 
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ヤス 6258 S 6.5 95.1% 599.8 3955 201 90 2024/04/13

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問題文

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(すると、そこへきつねがあらわれました。)

すると、そこへキツネがあらわれました。

(「こんにちは」 と、きつねがいいました。)

「こんにちは」 と、キツネがいいました。

(「こんにちは」 と、おうじさまは、ていねいにこたえてふりむきましたが、)

「こんにちは」 と、王子さまは、ていねいに答えてふりむきましたが、

(なんにもみえません。)

なんにも見えません。

(「ここだよ。りんごのきのしただよ・・・」 と、こえがいいました。)

「ここだよ。リンゴの木の下だよ・・・」 と、声がいいました。

(「きみ、だれだい? とてもきれいなふうしてるじゃないか・・・」)

「きみ、だれだい? とてもきれいなふうしてるじゃないか・・・」

(と、おうじさまがいいました。)

と、王子さまがいいました。

(「おれ、きつねだよ」 と、きつねがいいました。)

「おれ、キツネだよ」 と、キツネがいいました。

(「ぼくとあそばないかい? ぼく、ほんとにかなしいんだから・・・」)

「ぼくと遊ばないかい? ぼく、ほんとに悲しいんだから・・・」

(と、おうじさまは、きつねにいいました。)

と、王子さまは、キツネにいいました。

(「おれ、あんたとあそべないよ。 かいならされちゃいないんだから」)

「おれ、あんたと遊べないよ。 飼いならされちゃいないんだから」

(と、きつねがいいました。)

と、キツネがいいました。

(「そうか、しっけいしたな」 と、おうじさまがいいました。)

「そうか、失敬したな」 と、王子さまがいいました。

(でも、じっとかんがえたあとで、おうじさまは、いいたしました。)

でも、じっと考えたあとで、王子さまは、いいたしました。

(「かいならすって、それ、なんのことだい?」)

「飼いならすって、それ、なんのことだい?」

(「あんた、ここのひとじゃないな。 いったい、なにさがしてるのかい?」)

「あんた、ここの人じゃないな。 いったい、なに探してるのかい?」

(「にんげんさがしてるんだよ。 <かいならす>って、それ、なんのことだい?」)

「人間さがしてるんだよ。 <飼いならす>って、それ、なんのことだい?」

(「にんげんってやつぁ、てっぽうもってて、かりをするんだから、)

「人間ってやつぁ、鉄砲もってて、狩りをするんだから、

(おれたち、まったくてもあしもでないよ。)

おれたち、まったく手も足もでないよ。

(にわとりもかってるんだが、それよりほかには、)

ニワトリも飼ってるんだが、それよりほかには、

など

(にんげんってやつにゃ、しゅみがないときてるんだ。)

人間ってやつにゃ、趣味がないときてるんだ。

(あんた、にわとりさがしてるのかい?」)

あんた、ニワトリさがしてるのかい?」

(「ちがう、ともだちさがしてるんだよ。)

「ちがう、友だちさがしてるんだよ。

(<かいならす>って、それ、なんのことだい?」)

<飼いならす>って、それ、なんのことだい?」

(「よくわすれられてることだがね。 <なかよくなる>っていうことさ」)

「よく忘れられてることだがね。 <仲よくなる>っていうことさ」

(「なかよくなる?」)

「仲よくなる?」

(「うん、そうだとも。 おれのめからみると、あんたは、いまじゃ、)

「うん、そうだとも。 おれの目から見ると、あんたは、いまじゃ、

(ほかのじゅうまんものおとこのこと、べつにかわりないおとこのこなのさ。)

ほかの十万もの男の子と、べつに変わりない男の子なのさ。

(だから、おれは、あんたがいなくったっていいんだ。)

だから、おれは、あんたがいなくったっていいんだ。

(あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。)

あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。

(あんたのめからみると、おれは、じゅうまんものきつねとおんなじなんだ。)

あんたの目から見ると、おれは、十万ものキツネとおんなじなんだ。

(だけど、あんたが、おれをかいならすと、おれたちは、もう、)

だけど、あんたが、おれを飼いならすと、おれたちは、もう、

(おたがいに、はなれちゃいられなくなるよ。)

おたがいに、離れちゃいられなくなるよ。

(あんたは、おれにとって、このよでたったひとりのひとになるし、)

あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、

(おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ・・・」)

おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ・・・」

(と、きつねがいいました。)

と、キツネがいいました。

(「なんだか、はなしがわかりかけたようだね」 と、おうじさまが、いいました。)

「なんだか、話がわかりかけたようだね」 と、王子さまが、いいました。

(「はながひとつあってね・・・。 そのはなが、ぼくになついてたようだけど・・・」)

「花が一つあってね・・・。 その花が、ぼくになついてたようだけど・・・」

(「かもしれないな。 ちきゅうのうえにゃ、いろんなことがあるんでねえ・・・」)

「かもしれないな。 地球の上にゃ、いろんなことがあるんでねえ・・・」

(と、きつねがいいました。)

と、キツネがいいました。

(「ちきゅうのうえのはなしをしてるんじゃないんだよ」 と、おうじさまがいいました。)

「地球の上の話をしてるんじゃないんだよ」 と、王子さまがいいました。

(すると、きつねはおうじさまのはなしに、たいそうつりこまれたようすでした。)

すると、キツネは王子さまの話に、たいそうつりこまれたようすでした。

(「ほかのほしのうえでのはなしかい?」 「うん」)

「ほかの星の上での話かい?」 「うん」

(「そのほしのうえにゃ、かりうどがいるかい?」 「いないよ、そんなひと」)

「その星の上にゃ、かりうどがいるかい?」 「いないよ、そんな人」

(「そいつぁ、おもしろいね。じゃ、にわとりは?」 「いないよ、そんなもの」)

「そいつぁ、おもしろいね。じゃ、ニワトリは?」 「いないよ、そんなもの」

(「いや、どうもおもいどおりにゃあ、いかないもんだなあ」)

「いや、どうも思いどおりにゃあ、いかないもんだなあ」

(といって、きつねは、ためいきをつきました。)

といって、キツネは、ため息をつきました。

(でも、きつねは、また、はなしをもとにもどしました。)

でも、キツネは、また、話をもとにもどしました。

(「おれ、まいにちおなじことしてくらしているよ。)

「おれ、毎日同じことして暮らしているよ。

(おれがにわとりをおっかけると、にんげんのやつが、おれをおっかける。)

おれがニワトリを追っかけると、人間のやつが、おれを追っかける。

(にわとりがみんなにたりよったりなら、にんげんのやつが、)

ニワトリがみんな似たりよったりなら、人間のやつが、

(またみんなにたりよったりなんだから、おれは、しょうしょうたいくつしてるよ。)

またみんな似たりよったりなんだから、おれは、少々たいくつしてるよ。

(だけど、もし、あんたが、おれとなかよくしてくれたら、)

だけど、もし、あんたが、おれと仲よくしてくれたら、

(おれは、おひさまにあたったようなきもちになって、くらしてゆけるんだ。)

おれは、お日さまにあたったような気持ちになって、暮らしてゆけるんだ。

(あしおとだって、きょうまできいてきたのとは、ちがったのがきけるんだ。)

足音だって、今日まできいてきたのとは、違ったのがきけるんだ。

(ほかのあしおとがすると、おれは、あなのなかにすっこんでしまう。)

ほかの足音がすると、おれは、穴の中にすっこんでしまう。

(でも、あんたのあしおとがすると、おれは、おんがくでもきいてるきもちになって、)

でも、あんたの足音がすると、おれは、音楽でもきいてる気もちになって、

(あなのそとへはいだすだろうね。)

穴の外へはいだすだろうね。

(それから、あれ、みなさい。)

それから、あれ、見なさい。

(あのむこうにみえるむぎばたけはどうだね。)

あの向こうに見える麦ばたけはどうだね。

(おれは、ぱんなんかくいやしない。 むぎなんて、なんにもなりゃしない。)

おれは、パンなんか食いやしない。 麦なんて、なんにもなりゃしない。

(だから、むぎばたけなんかみたところで、おもいだすことって、)

だから、麦ばたけなんか見たところで、思い出すことって、

(なんにもありゃしないよ。)

なんにもありゃしないよ。

(それどころか、おれはあれみると、きがふさぐんだ。)

それどころか、おれはあれ見ると、気がふさぐんだ。

(だけど、あんたのそのきんいろのかみはうつくしいなあ。)

だけど、あんたのその金色の髪は美しいなあ。

(あんたがおれとなかよくしてくれたら、おれにゃ、そいつが、)

あんたがおれと仲良くしてくれたら、おれにゃ、そいつが、

(すばらしいものにみえるだろう。)

素晴らしいものにみえるだろう。

(きんいろのむぎをみると、あんたをおもいだすだろうな。)

金色の麦を見ると、あんたを思い出すだろうな。

(それに、むぎをふくかぜのおとも、おれにゃうれしいだろうな・・・」)

それに、麦を吹く風の音も、おれにゃうれしいだろうな・・・」

(きつねはだまって、ながいこと、おうじさまのかおをじっとみていました。)

キツネはだまって、長いこと、王子さまの顔をじっと見ていました。

(「なんなら・・・おれとなかよくしておくれよ」 と、きつねがいいました。)

「なんなら・・・おれと仲よくしておくれよ」 と、キツネがいいました。

(「ぼく、とてもなかよくなりたいんだよ。)

「ぼく、とても仲よくなりたいんだよ。

(だけど、ぼく、あんまりひまがないんだ。)

だけど、ぼく、あんまりひまがないんだ。

(ともだちもみつけなけりゃならないし、それに、しらなけりゃならないことが、)

友だちも見つけなけりゃならないし、それに、知らなけりゃならないことが、

(たくさんあるんでねえ」)

たくさんあるんでねえ」

(「じぶんのものにしてしまったことでなけりゃ、なんにもわかりゃしないよ。)

「自分のものにしてしまったことでなけりゃ、なんにもわかりゃしないよ。

(にんげんってやつぁ、いまじゃ、もう、なにもわかるひまがないんだ。)

人間ってやつぁ、いまじゃ、もう、なにもわかるひまがないんだ。

(あきんどのみせで、できあいのしなものをかってるんだがね。)

あきんどの店で、できあいの品物を買ってるんだがね。

(ともだちをうりものにしているあきんどなんて、ありゃしないんだから、)

友だちを売り物にしているあきんどなんて、ありゃしないんだから、

(にんげんのやつ、いまじゃ、ともだちなんかもってやしないんだ。)

人間のやつ、いまじゃ、友だちなんか持ってやしないんだ。

(あんたがともだちがほしいんなら、おれとなかよくするんだな」)

あんたが友だちがほしいんなら、おれと仲よくするんだな」

(「でも、どうしたらいいの?」 と、おうじさまがいいました。)

「でも、どうしたらいいの?」 と、王子さまがいいました。

(きつねがこたえました。)

キツネが答えました。

(「しんぼうがだいじだよ。 さいしょは、おれからすこしはなれて、こんなふうに、)

「しんぼうが大事だよ。 最初は、おれからすこしはなれて、こんなふうに、

(くさのなかにすわるんだ。)

草の中に座るんだ。

(おれは、あんたをちょいちょいよこめでみる。)

おれは、あんたをちょいちょい横目で見る。

(あんたは、なんにもいわない。)

あんたは、なんにもいわない。

(それも、ことばっていうやつが、かんちがいのもとだからだよ。)

それも、ことばっていうやつが、感ちがいのもとだからだよ。

(いちにちいちにちとたってゆくうちにゃ、あんたは、だんだんとちかいところへきて、)

一日一日とたってゆくうちにゃ、あんたは、だんだんと近いところへ来て、

(すわれるようになるんだ・・・」)

座れるようになるんだ・・・」

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