星の王子さま 21① (23/32)
関連タイピング
-
プレイ回数168かな142打
-
プレイ回数3826長文1069打
-
プレイ回数1134歌詞かな940打
-
プレイ回数3966歌詞かな1406打
-
プレイ回数675長文2087打
-
プレイ回数188長文かな3533打
-
プレイ回数633長文1169打
-
プレイ回数608長文4474打
問題文
(すると、そこへきつねがあらわれました。)
すると、そこへキツネがあらわれました。
(「こんにちは」 と、きつねがいいました。)
「こんにちは」 と、キツネがいいました。
(「こんにちは」 と、おうじさまは、ていねいにこたえてふりむきましたが、)
「こんにちは」 と、王子さまは、ていねいに答えてふりむきましたが、
(なんにもみえません。)
なんにも見えません。
(「ここだよ。りんごのきのしただよ・・・」 と、こえがいいました。)
「ここだよ。リンゴの木の下だよ・・・」 と、声がいいました。
(「きみ、だれだい? とてもきれいなふうしてるじゃないか・・・」)
「きみ、だれだい? とてもきれいなふうしてるじゃないか・・・」
(と、おうじさまがいいました。)
と、王子さまがいいました。
(「おれ、きつねだよ」 と、きつねがいいました。)
「おれ、キツネだよ」 と、キツネがいいました。
(「ぼくとあそばないかい? ぼく、ほんとにかなしいんだから・・・」)
「ぼくと遊ばないかい? ぼく、ほんとに悲しいんだから・・・」
(と、おうじさまは、きつねにいいました。)
と、王子さまは、キツネにいいました。
(「おれ、あんたとあそべないよ。 かいならされちゃいないんだから」)
「おれ、あんたと遊べないよ。 飼いならされちゃいないんだから」
(と、きつねがいいました。)
と、キツネがいいました。
(「そうか、しっけいしたな」 と、おうじさまがいいました。)
「そうか、失敬したな」 と、王子さまがいいました。
(でも、じっとかんがえたあとで、おうじさまは、いいたしました。)
でも、じっと考えたあとで、王子さまは、いいたしました。
(「かいならすって、それ、なんのことだい?」)
「飼いならすって、それ、なんのことだい?」
(「あんた、ここのひとじゃないな。 いったい、なにさがしてるのかい?」)
「あんた、ここの人じゃないな。 いったい、なに探してるのかい?」
(「にんげんさがしてるんだよ。 <かいならす>って、それ、なんのことだい?」)
「人間さがしてるんだよ。 <飼いならす>って、それ、なんのことだい?」
(「にんげんってやつぁ、てっぽうもってて、かりをするんだから、)
「人間ってやつぁ、鉄砲もってて、狩りをするんだから、
(おれたち、まったくてもあしもでないよ。)
おれたち、まったく手も足もでないよ。
(にわとりもかってるんだが、それよりほかには、)
ニワトリも飼ってるんだが、それよりほかには、
(にんげんってやつにゃ、しゅみがないときてるんだ。)
人間ってやつにゃ、趣味がないときてるんだ。
(あんた、にわとりさがしてるのかい?」)
あんた、ニワトリさがしてるのかい?」
(「ちがう、ともだちさがしてるんだよ。)
「ちがう、友だちさがしてるんだよ。
(<かいならす>って、それ、なんのことだい?」)
<飼いならす>って、それ、なんのことだい?」
(「よくわすれられてることだがね。 <なかよくなる>っていうことさ」)
「よく忘れられてることだがね。 <仲よくなる>っていうことさ」
(「なかよくなる?」)
「仲よくなる?」
(「うん、そうだとも。 おれのめからみると、あんたは、いまじゃ、)
「うん、そうだとも。 おれの目から見ると、あんたは、いまじゃ、
(ほかのじゅうまんものおとこのこと、べつにかわりないおとこのこなのさ。)
ほかの十万もの男の子と、べつに変わりない男の子なのさ。
(だから、おれは、あんたがいなくったっていいんだ。)
だから、おれは、あんたがいなくったっていいんだ。
(あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。)
あんたもやっぱり、おれがいなくたっていいんだ。
(あんたのめからみると、おれは、じゅうまんものきつねとおんなじなんだ。)
あんたの目から見ると、おれは、十万ものキツネとおんなじなんだ。
(だけど、あんたが、おれをかいならすと、おれたちは、もう、)
だけど、あんたが、おれを飼いならすと、おれたちは、もう、
(おたがいに、はなれちゃいられなくなるよ。)
おたがいに、離れちゃいられなくなるよ。
(あんたは、おれにとって、このよでたったひとりのひとになるし、)
あんたは、おれにとって、この世でたったひとりのひとになるし、
(おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ・・・」)
おれは、あんたにとって、かけがえのないものになるんだよ・・・」
(と、きつねがいいました。)
と、キツネがいいました。
(「なんだか、はなしがわかりかけたようだね」 と、おうじさまが、いいました。)
「なんだか、話がわかりかけたようだね」 と、王子さまが、いいました。
(「はながひとつあってね・・・。 そのはなが、ぼくになついてたようだけど・・・」)
「花が一つあってね・・・。 その花が、ぼくになついてたようだけど・・・」
(「かもしれないな。 ちきゅうのうえにゃ、いろんなことがあるんでねえ・・・」)
「かもしれないな。 地球の上にゃ、いろんなことがあるんでねえ・・・」
(と、きつねがいいました。)
と、キツネがいいました。
(「ちきゅうのうえのはなしをしてるんじゃないんだよ」 と、おうじさまがいいました。)
「地球の上の話をしてるんじゃないんだよ」 と、王子さまがいいました。
(すると、きつねはおうじさまのはなしに、たいそうつりこまれたようすでした。)
すると、キツネは王子さまの話に、たいそうつりこまれたようすでした。
(「ほかのほしのうえでのはなしかい?」 「うん」)
「ほかの星の上での話かい?」 「うん」
(「そのほしのうえにゃ、かりうどがいるかい?」 「いないよ、そんなひと」)
「その星の上にゃ、かりうどがいるかい?」 「いないよ、そんな人」
(「そいつぁ、おもしろいね。じゃ、にわとりは?」 「いないよ、そんなもの」)
「そいつぁ、おもしろいね。じゃ、ニワトリは?」 「いないよ、そんなもの」
(「いや、どうもおもいどおりにゃあ、いかないもんだなあ」)
「いや、どうも思いどおりにゃあ、いかないもんだなあ」
(といって、きつねは、ためいきをつきました。)
といって、キツネは、ため息をつきました。
(でも、きつねは、また、はなしをもとにもどしました。)
でも、キツネは、また、話をもとにもどしました。
(「おれ、まいにちおなじことしてくらしているよ。)
「おれ、毎日同じことして暮らしているよ。
(おれがにわとりをおっかけると、にんげんのやつが、おれをおっかける。)
おれがニワトリを追っかけると、人間のやつが、おれを追っかける。
(にわとりがみんなにたりよったりなら、にんげんのやつが、)
ニワトリがみんな似たりよったりなら、人間のやつが、
(またみんなにたりよったりなんだから、おれは、しょうしょうたいくつしてるよ。)
またみんな似たりよったりなんだから、おれは、少々たいくつしてるよ。
(だけど、もし、あんたが、おれとなかよくしてくれたら、)
だけど、もし、あんたが、おれと仲よくしてくれたら、
(おれは、おひさまにあたったようなきもちになって、くらしてゆけるんだ。)
おれは、お日さまにあたったような気持ちになって、暮らしてゆけるんだ。
(あしおとだって、きょうまできいてきたのとは、ちがったのがきけるんだ。)
足音だって、今日まできいてきたのとは、違ったのがきけるんだ。
(ほかのあしおとがすると、おれは、あなのなかにすっこんでしまう。)
ほかの足音がすると、おれは、穴の中にすっこんでしまう。
(でも、あんたのあしおとがすると、おれは、おんがくでもきいてるきもちになって、)
でも、あんたの足音がすると、おれは、音楽でもきいてる気もちになって、
(あなのそとへはいだすだろうね。)
穴の外へはいだすだろうね。
(それから、あれ、みなさい。)
それから、あれ、見なさい。
(あのむこうにみえるむぎばたけはどうだね。)
あの向こうに見える麦ばたけはどうだね。
(おれは、ぱんなんかくいやしない。 むぎなんて、なんにもなりゃしない。)
おれは、パンなんか食いやしない。 麦なんて、なんにもなりゃしない。
(だから、むぎばたけなんかみたところで、おもいだすことって、)
だから、麦ばたけなんか見たところで、思い出すことって、
(なんにもありゃしないよ。)
なんにもありゃしないよ。
(それどころか、おれはあれみると、きがふさぐんだ。)
それどころか、おれはあれ見ると、気がふさぐんだ。
(だけど、あんたのそのきんいろのかみはうつくしいなあ。)
だけど、あんたのその金色の髪は美しいなあ。
(あんたがおれとなかよくしてくれたら、おれにゃ、そいつが、)
あんたがおれと仲良くしてくれたら、おれにゃ、そいつが、
(すばらしいものにみえるだろう。)
素晴らしいものにみえるだろう。
(きんいろのむぎをみると、あんたをおもいだすだろうな。)
金色の麦を見ると、あんたを思い出すだろうな。
(それに、むぎをふくかぜのおとも、おれにゃうれしいだろうな・・・」)
それに、麦を吹く風の音も、おれにゃうれしいだろうな・・・」
(きつねはだまって、ながいこと、おうじさまのかおをじっとみていました。)
キツネはだまって、長いこと、王子さまの顔をじっと見ていました。
(「なんなら・・・おれとなかよくしておくれよ」 と、きつねがいいました。)
「なんなら・・・おれと仲よくしておくれよ」 と、キツネがいいました。
(「ぼく、とてもなかよくなりたいんだよ。)
「ぼく、とても仲よくなりたいんだよ。
(だけど、ぼく、あんまりひまがないんだ。)
だけど、ぼく、あんまりひまがないんだ。
(ともだちもみつけなけりゃならないし、それに、しらなけりゃならないことが、)
友だちも見つけなけりゃならないし、それに、知らなけりゃならないことが、
(たくさんあるんでねえ」)
たくさんあるんでねえ」
(「じぶんのものにしてしまったことでなけりゃ、なんにもわかりゃしないよ。)
「自分のものにしてしまったことでなけりゃ、なんにもわかりゃしないよ。
(にんげんってやつぁ、いまじゃ、もう、なにもわかるひまがないんだ。)
人間ってやつぁ、いまじゃ、もう、なにもわかるひまがないんだ。
(あきんどのみせで、できあいのしなものをかってるんだがね。)
あきんどの店で、できあいの品物を買ってるんだがね。
(ともだちをうりものにしているあきんどなんて、ありゃしないんだから、)
友だちを売り物にしているあきんどなんて、ありゃしないんだから、
(にんげんのやつ、いまじゃ、ともだちなんかもってやしないんだ。)
人間のやつ、いまじゃ、友だちなんか持ってやしないんだ。
(あんたがともだちがほしいんなら、おれとなかよくするんだな」)
あんたが友だちがほしいんなら、おれと仲よくするんだな」
(「でも、どうしたらいいの?」 と、おうじさまがいいました。)
「でも、どうしたらいいの?」 と、王子さまがいいました。
(きつねがこたえました。)
キツネが答えました。
(「しんぼうがだいじだよ。 さいしょは、おれからすこしはなれて、こんなふうに、)
「しんぼうが大事だよ。 最初は、おれからすこしはなれて、こんなふうに、
(くさのなかにすわるんだ。)
草の中に座るんだ。
(おれは、あんたをちょいちょいよこめでみる。)
おれは、あんたをちょいちょい横目で見る。
(あんたは、なんにもいわない。)
あんたは、なんにもいわない。
(それも、ことばっていうやつが、かんちがいのもとだからだよ。)
それも、ことばっていうやつが、感ちがいのもとだからだよ。
(いちにちいちにちとたってゆくうちにゃ、あんたは、だんだんとちかいところへきて、)
一日一日とたってゆくうちにゃ、あんたは、だんだんと近いところへ来て、
(すわれるようになるんだ・・・」)
座れるようになるんだ・・・」