風の又三郎 15

投稿者ヤマセミプレイ回数147
難易度(4.1) 2882打 長文タグ小説 風の又三郎 宮沢賢治
九月七日 さいかち淵②
宮沢賢治 作 全文
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 HAKU 6850 S++ 7.0 96.9% 407.1 2880 91 65 2020/08/31
2 おっ 6476 S 6.8 95.2% 421.5 2873 143 65 2020/09/07
3 でこ 6435 S 6.5 97.6% 437.9 2889 71 65 2020/09/12
4 じゃじゃ 6406 S 6.5 97.7% 437.7 2869 65 65 2020/09/14
5 nikukyu- 4822 B 5.0 96.0% 593.5 2984 122 65 2020/08/30

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問題文

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(いちろうは、きのうえでてをひたいにあてて、もういちどよくみきわめてから、)

一郎は、木の上で手を額にあてて、もう一度よく見きわめてから、

(どぶんとさかさまにふちへとびこみました。)

どぶんと逆まに淵へ飛びこみました。

(それからみずをもぐって、いっぺんにみんなへおいついたのです。)

それから水を潜って、一ぺんにみんなへ追いついたのです。

(みんなは、ふちのかりゅうの、せになったところにたちました。)

みんなは、淵の下流の、瀬になったところに立ちました。

(「しらないふりしてあそんでろ。みんな。」いちろうがいいました。)

「知らないふりして遊んでろ。みんな。」一郎がいいました。

(みんなは、といしをひろったり、せきれいをおったりして、)

みんなは、砥石をひろったり、せきれいを追ったりして、

(はっぱのことなぞ、すこしもきがつかないふりをしていました。)

発破のことなぞ、すこしも気がつかないふりをしていました。

(するとむこうのふちのきしでは、かりゅうのこうふをしていたしょうすけが、)

すると向うの淵の岸では、下流の坑夫をしていた庄助が、

(しばらくあちこちみまわしてから、)

しばらくあちこち見まわしてから、

(いきなりあぐらをかいてじゃりのうえへすわってしまいました。)

いきなりあぐらをかいて砂利の上へ坐ってしまいました。

(それからゆっくりこしからたばこいれをとって、)

それからゆっくり腰からたばこ入れをとって、

(きせるをくわいて、ぱくぱくけむりをふきだしました。)

きせるをくわいて、ぱくぱく煙をふきだしました。

(きたいだとおもっていましたら、またはらかけからなにかだしました。)

奇体だと思っていましたら、また腹かけから何か出しました。

(「はっぱだぞ、はっぱだぞ。」とみんなさけびました。)

「発破だぞ、発破だぞ。」とみんな叫びました。

(いちろうはてをふってそれをとめました。)

一郎は手をふってそれをとめました。

(しょうすけは、きせるのひをしずかにそれへうつしました。)

庄助は、きせるの火をしずかにそれへうつしました。

(うしろにいたひとりは、すぐみずにはいってあみをかまえました。)

うしろに居た一人は、すぐ水に入って網をかまえました。

(しょうすけはまるでおちついて、たってひとあしみずにはいると、)

庄助はまるで落ちついて、立って一あし水に入ると、

(すぐそのもったものを、さいかちのきのしたのところへなげこみました。)

すぐその持ったものを、さいかちの木の下のところへ投げこみました。

(するとまもなく、ぼぉというようなひどいおとがして、)

するとまもなく、ぼぉというようなひどい音がして、

など

(みずはむくっともりあがり、)

水はむくっと盛りあがり、

(それからしばらく、そこらあたりがきぃんとなりました。)

それからしばらく、そこらあたりがきぃんと鳴りました。

(むこうのおとなたちはみんなみずへはいりました。)

向うの大人たちはみんな水へ入りました。

(「さあ、ながれてくるぞ。みんなとれ。」といちろうがいいました。)

「さあ、流れて来るぞ。みんなとれ。」と一郎がいいました。

(まもなくこうすけは、こゆびぐらいのちゃいろなかじかが、)

まもなく耕助は、小指ぐらいの茶いろなかじかが、

(よこむきになってながれてきたのをつかみましたし、)

横向きになって流れて来たのをつかみましたし、

(そのうしろではかすけが、まるでうりをすするときのようなこえをだしました。)

そのうしろでは嘉助が、まるで瓜をすするときのような声を出しました。

(それはろくすんぐらいあるふなをとって、かおをまっかにしてよろこんでいたのです。)

それは六寸ぐらいある鮒をとって、顔をまっ赤にしてよろこんでいたのです。

(それからみんなとって、わあわあよろこびました。)

それからみんなとって、わあわあよろこびました。

(「だまってろ、だまってろ。」いちろうがいいました。)

「だまってろ、だまってろ。」一郎がいいました。

(そのときむこうのしろいかわらをはだぬぎになったり、)

そのとき向うの白い河原を肌ぬぎになったり、

(しゃつだけきたりしたおとながごろくにんかけてきました。)

シャツだけ着たりした大人が五六人かけて来ました。

(そのうしろからは、ちょうどかつどうしゃしんのように、)

そのうしろからは、ちょうど活動写真のように、

(ひとりのあみしゃつをきたひとが、)

一人の網シャツを着た人が、

(はだかうまにのってまっしぐらにはしってきました。)

はだか馬に乗ってまっしぐらに走って来ました。

(みんなはっぱのおとをきいてみにきたのです。)

みんな発破の音を聞いて見に来たのです。

(しょうすけはしばらくうでをくんで、みんなのとるのをみていましたが、)

庄助はしばらく腕を組んで、みんなのとるのを見ていましたが、

(「さっぱりいなぃな。」といいました。)

「さっぱり居なぃな。」といいました。

(するとまたさぶろうがいつのまにか、しょうすけのそばへいっていました。)

すると又三郎がいつの間にか、庄助のそばへ行っていました。

(そしてちゅうぐらいのふなをにひき「さかなかえすよ。」といって、)

そして中位の鮒を二疋「魚返すよ。」といって、

(かわらへなげるようにおきました。)

河原へ投げるように置きました。

(するとしょうすけが、)

すると庄助が、

(「なんだこのわらすぁ、きたいなやづだな。」といいながら、)

「何だこの童(ワラス)ぁ、きたいなやづだな。」といいながら、

(じろじろまたさぶろうをみました。)

じろじろ又三郎を見ました。

(またさぶろうはだまってこっちへかえってきました。)

又三郎はだまってこっちへ帰ってきました。

(しょうすけはへんなかおをしてみています。)

庄助は変な顔をしてみています。

(みんなはどっとわらいました。)

みんなはどっとわらいました。

(しょうすけはだまって、またかみへあるきだしました。)

庄助はだまって、また上流(カミ)へ歩きだしました。

(ほかのおとなたちもついていき、)

ほかのおとなたちもついて行き、

(あみしゃつのひとはうまにのって、またかけていきました。)

網シャツの人は馬に乗って、またかけて行きました。

(こうすけがおよいでいってさぶろうのおいてきたさかなをもってきました。)

耕助が泳いで行って三郎の置いて来た魚を持ってきました。

(みんなはそこでまたわらいました。)

みんなはそこでまたわらいました。

(「はっぱかけだら、ざこまかせ。」)

「発破かけだら、雑魚(ザコ)撒かせ。」

(かすけがかわらのすなっぱのうえで、ぴょんぴょんはねながらたかくさけびました。)

嘉助が河原の砂っぱの上で、ぴょんぴょんはねながら高く叫びました。

(みんなはとったさかなをいしでかこんで、ちいさないけすをこしらえて、)

みんなはとった魚を石で囲んで、小さな生洲をこしらえて、

(いきかえっても、もうにげていかないようにして、)

生き返っても、もう遁げて行かないようにして、

(またかみのさいかちのきへ、のぼりはじめました。)

また上流のさいかちの樹へ、のぼりはじめました。

(ほんとうにあつくなって、)

ほんとうに暑くなって、

(ねむのきもまるでなつのようにぐったりみえましたし、)

ねむの木もまるで夏のようにぐったり見えましたし、

(そらもまるでそこなしのふちのようになりました。)

空もまるで底なしの淵のようになりました。

(そのころだれかが、)

そのころ誰かが、

(「あ、いけす、ぶっこわすとこだぞ。」とさけびました。)

「あ、生洲、打壊(ブッコワ)すとこだぞ。」と叫びました。

(みるとひとりのへんにはなのとがった、ようふくをきてわらじをはいたひとが、)

見ると一人の変に鼻の尖った、洋服を着てわらじをはいた人が、

(てにはすてっきみたいなものをもって、)

手にはステッキみたいなものをもって、

(みんなのさかなをぐちゃぐちゃかきまわしているのでした。)

みんなの魚をぐちゃぐちゃ掻きまわしているのでした。

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