銀河鉄道の夜 8

背景
投稿者投稿者ヤマセミいいね6お気に入り登録
プレイ回数2230難易度(3.8) 1656打 長文
四、ケンタウル祭 (1/3)
宮沢賢治 作
「ザネリ、からすうりながしに行くの。」
ジョバンニがまだそういってしまわないうちに、
「ジョバンニ、お父さんから、らっこの上着がくるよ。」
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 みき 5997 A+ 6.0 98.9% 273.3 1657 18 42 2024/10/06
2 てんぷり 5624 A 5.8 96.0% 279.5 1639 67 42 2024/10/06
3 ばぼじま 4811 B 5.0 96.1% 326.9 1639 66 42 2024/10/09
4 mame 4506 C++ 4.8 93.9% 344.2 1657 106 42 2024/10/27

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(よん、けんたうるさいのよる)

四、ケンタウル祭の夜

(じょばんには、くちぶえをふいているようなさびしいくちつきで、)

ジョバンニは、口笛を吹いているような寂しい口つきで、

(ひのきのまっくろにならんだまちのさかをおりてきたのでした。)

ヒノキのまっ黒にならんだ町の坂を降りてきたのでした。

(さかのしたにおおきなひとつのがいとうが、あおじろくりっぱにひかっていました。)

坂の下に大きな一つの街燈が、青白くりっぱに光っていました。

(じょばんにが、どんどんでんとうのほうへおりていきますと、)

ジョバンニが、どんどん電燈の方へ下りて行きますと、

(いままでばけもののように、ながくぼんやり、)

いままでばけもののように、長くぼんやり、

(うしろへひいていたじょばんにのかげぼうしは、)

うしろへ引いていたジョバンニの影ぼうしは、

(だんだんこくくろくはっきりなって、あしをあげたりてをふったり、)

だんだん濃く黒くはっきりなって、足をあげたり手を振ったり、

(じょばんにのよこのほうへまわってくるのでした。)

ジョバンニの横の方へまわってくるのでした。

((ぼくはりっぱなきかんしゃだ。ここはこうばいだからはやいぞ。)

(ぼくはりっぱな機関車だ。ここは勾配だから速いぞ。

(ぼくはいまそのでんとうをとおりこす。)

ぼくはいまその電燈を通り越す。

(そうら、こんどはぼくのかげぼうしはこむぱすだ。)

そうら、こんどはぼくの影法師はコムパスだ。

(あんなにくるっとまわって、まえのほうへきた。))

あんなにくるっとまわって、前の方へきた。)

(とじょばんにがおもいながら、おおまたにそのがいとうのしたをとおりすぎたとき、)

とジョバンニが思いながら、大股にその街燈の下を通り過ぎたとき、

(いきなりひるまのざねりが、)

いきなり昼間のザネリが、

(あたらしいえりのとがったしゃつをきて)

新しい襟のとがったシャツを着て

(でんとうのむこうがわのくらいこうじからでてきて、)

電燈の向こう側の暗い小路から出てきて、

(ひらっとじょばんにとすれちがいました。)

ひらっとジョバンニとすれちがいました。

(「ざねり、からすうりながしにいくの。」)

「ザネリ、カラスウリ流しに行くの。」

(じょばんにがまだそういってしまわないうちに、)

ジョバンニがまだそういってしまわないうちに、

など

(「じょばんに、おとうさんから、らっこのうわぎがくるよ。」)

「ジョバンニ、お父さんから、ラッコの上着がくるよ。」

(そのこがなげつけるようにうしろからさけびました。)

その子が投げつけるようにうしろから叫びました。

(じょばんには、ぱっとむねがつめたくなり、)

ジョバンニは、ぱっと胸がつめたくなり、

(そこらじゅうきぃんとなるようにおもいました。)

そこら中キィンと鳴るように思いました。

(「なんだい。ざねり。」)

「なんだい。ザネリ。」

(とじょばんにはたかくさけびかえしましたが、)

とジョバンニは高く叫び返しましたが、

(もうざねりはむこうのひばのうわったいえのなかへはいっていました。)

もうザネリは向こうのヒバの植わった家の中へ入っていました。

(「ざねりはどうしてぼくがなんにもしないのに)

「ザネリはどうしてぼくがなんにもしないのに

(あんなことをいうのだろう。)

あんなことをいうのだろう。

(はしるときはまるでねずみのようなくせに。)

走るときはまるでネズミのようなくせに。

(ぼくがなんにもしないのにあんなことをいうのは)

ぼくがなんにもしないのにあんなことをいうのは

(ざねりがばかなからだ。」)

ザネリがばかなからだ。」

(じょばんには、せわしくいろいろのことをかんがえながら、)

ジョバンニは、せわしくいろいろのことを考えながら、

(さまざまのあかりやきのえだで、)

さまざまの灯りや木の枝で、

(すっかりきれいにかざられたまちをとおっていきました。)

すっかりきれいに飾られた街を通って行きました。

(とけいやのみせにはあかるくねおんとうがついて、)

時計屋の店には明るくネオン燈がついて、

(いちびょうごとに、いしでこさえたふくろうのあかいめが、)

一秒ごとに、石でこさえたふくろうの赤い目が、

(くるっくるっとうごいたり、)

くるっくるっとうごいたり、

(いろいろなほうせきがうみのようないろをしたあついがらすのばんにのって、)

いろいろな宝石が海のような色をした厚いガラスの盤にのって、

(ほしのようにゆっくりめぐったり、)

星のようにゆっくりめぐったり、

(またむこうがわから、)

また向こう側から、

(どうのじんばがゆっくりこっちへまわってきたりするのでした。)

銅の人馬がゆっくりこっちへまわってきたりするのでした。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

ヤマセミのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード