銀河鉄道の夜 19

宮沢賢治 作
「ああ、十一時かっきりには着くんだよ。」
早くも、シグナルの緑の燈と、ぼんやり白い柱とが、ちらっと窓のそとを過ぎ、汽車はだんだんゆるやかになって、ふたりはちょうど白鳥停車場の大きな時計の前にきてとまりました。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | いんちき | 6556 | S+ | 6.7 | 97.1% | 200.4 | 1354 | 40 | 33 | 2025/02/17 |
2 | 布ちゃん | 5985 | A+ | 6.1 | 96.9% | 219.2 | 1354 | 42 | 33 | 2025/02/02 |
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問題文
(「もうじきはくちょうのていしゃばだねえ。」)
「もうじき白鳥の停車場だねえ。」
(「ああ、じゅういちじかっきりにはつくんだよ。」)
「ああ、十一時かっきりには着くんだよ。」
(はやくも、しぐなるのみどりのあかりと、ぼんやりしろいはしらとが、)
早くも、シグナルの緑の燈と、ぼんやり白い柱とが、
(ちらっとまどのそとをすぎ、)
ちらっと窓のそとを過ぎ、
(それからいおうのほのおのようなくらいぼんやりした)
それから硫黄のほのおのようなくらいぼんやりした
(てんてつきのまえのあかりがまどのしたをとおり、)
転てつ機の前のあかりが窓の下を通り、
(きしゃはだんだんゆるやかになって、)
汽車はだんだんゆるやかになって、
(まもなくぷらっとほーむのいちれつのでんとうが、)
間もなくプラットホームの一列の電燈が、
(うつくしくきそくただしくあらわれ、)
うつくしく規則正しくあらわれ、
(それがだんだんおおきくなってひろがって、)
それがだんだん大きくなってひろがって、
(ふたりはちょうどはくちょうていしゃばのおおきなとけいのまえにきてとまりました。)
ふたりはちょうど白鳥停車場の大きな時計の前にきてとまりました。
(さわやかなあきのとけいのばんめんには、)
さわやかな秋の時計の盤面には、
(あおくやかれたはがねのにほんのはりが、)
青くやかれたはがねの二本の針が、
(くっきりじゅういちじをさしました。)
くっきり十一時を指しました。
(みんなは、いっぺんにおりて、しゃしつのなかはがらんとなってしまいました。)
みんなは、一ぺんに下りて、車室の中はがらんとなってしまいました。
([にじゅっぷんていしゃ]ととけいのしたにかいてありました。)
[二十分停車]と時計の下に書いてありました。
(「ぼくたちもおりてみようか。」)
「ぼくたちも降りてみようか。」
(じょばんにがいいました。)
ジョバンニがいいました。
(「おりよう。」)
「降りよう。」
(ふたりはいちどにはねあがってどあをとびだしてかいさつぐちへかけていきました。)
ふたりは一度にはねあがってドアを飛び出して改札口へかけて行きました。
(ところがかいさつぐちには、あかるいむらさきがかったでんとうが、)
ところが改札口には、明るい紫がかった電燈が、
(ひとつついているばかり、だれもいませんでした。)
一つついているばかり、誰もいませんでした。
(そこらじゅうをみても、えきちょうやあかぼうらしいひとの、かげもなかったのです。)
そこら中を見ても、駅長や赤帽らしい人の、影もなかったのです。
(ふたりは、ていしゃばのまえの、すいしょうざいくのようにみえる)
ふたりは、停車場の前の、水晶細工の用に見える
(いちょうのきにかこまれた、ちいさなひろばにでました。)
いちょうの木にかこまれた、小さな広場に出ました。
(そこからはばのひろいみちが、)
そこから幅の広いみちが、
(まっすぐにぎんがのあおびかりのなかへとおっていました。)
まっすぐに銀河の青光(あおびかり)の中へ通っていました。
(さきにおりたひとたちは、もうどこへいったか)
さきに降りた人たちは、もうどこへ行ったか
(ひとりもみえませんでした。)
ひとりも見えませんでした。
(ふたりがそのしろいみちを、かたをならべていきますと、)
ふたりがその白い道を、肩をならべて行きますと、
(ふたりのかげは、ちょうどしほうにまどのあるへやのなかの、)
ふたりの影は、ちょうど四方に窓のある室(へや)の中の、
(にほんのはしらのかげのように、またふたつのしゃりんのやのように)
二本の柱の影のように、また二つの車輪の輻(や)のように
(いくほんもいくほんもしほうへでるのでした。)
いく本もいく本も四方へ出るのでした。