銀河鉄道の夜 39
九、ジョバンニの切符 11/36
(りんご 1/3)
(りんご 1/3)
「いかがですか。こういうりんごは、おはじめてでしょう。」
向こうの席の燈台看守が、いつか黄金と紅でうつくしくいろどられた大きなりんごを落とさないように両手で膝の上にかかえていました。
向こうの席の燈台看守が、いつか黄金と紅でうつくしくいろどられた大きなりんごを落とさないように両手で膝の上にかかえていました。
関連タイピング
-
谷崎潤一郎の中編小説です
プレイ回数669 長文5520打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数23 長文3129打 -
夏目漱石「こころ」3-93
プレイ回数704 長文1905打 -
夏目漱石
プレイ回数17万 長文かな512打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数107 長文2341打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数30 長文2421打 -
少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
プレイ回数1519 長文4349打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数174 長文1949打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(ごとごとごとごとときしゃはきらびやかなりんこうのかわのきしをすすみました。)
ごとごとごとごとと汽車はきらびやかな燐光の川の岸を進みました。
(むこうのほうのまどをみると、)
向こうの方の窓を見ると、
(のはらはまるでげんとうのようでした。)
野原はまるで幻燈のようでした。
(ひゃくもせんものだいしょうさまざまのさんかくひょう、)
百も千もの大小さまざまの三角標、
(そのおおきなもののうえにはあかいてんてんをうったそくりょうきもみえ、)
その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、
(のはらのはてはそれらがいちめん、)
野原のはてはそれらがいちめん、
(たくさんたくさんあつまってぼおっとあおじろいきりのよう、)
たくさんたくさん集まってぼおっと青白い霧のよう、
(そこからか、またはもっとむこうからか、)
そこからか、またはもっと向こうからか、
(ときどきさまざまのかたちのぼんやりしたのろしのようなものが、)
ときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙のようなものが、
(かわるがわる、きれいなききょういろのそらに)
かわるがわる、きれいなききょういろの空に
(うちあげられるのでした。)
うちあげられるのでした。
(じつにそのすきとおったきれいなかぜは、)
じつにそのすきとおったきれいな風は、
(ばらのにおいでいっぱいでした。)
ばらの匂いでいっぱいでした。
(「いかがですか。こういうりんごは、おはじめてでしょう。」)
「いかがですか。こういうりんごは、おはじめてでしょう。」
(むこうのせきのとうだいかんしゅが)
向こうの席の燈台看守が
(いつかきんとべにでうつくしくいろどられたおおきなりんごを)
いつか黄金(きん)と紅でうつくしくいろどられた大きなりんごを
(おとさないようにりょうてでひざのうえにかかえていました。)
落とさないように両手で膝の上にかかえていました。
(「おや、どっからきたのですか。りっぱですねえ。)
「おや、どっからきたのですか。りっぱですねえ。
(ここらではこんなりんごができるのですか。」)
ここらではこんなりんごができるのですか。」
(せいねんはほんとうにびっくりしたらしく)
青年はほんとうにびっくりしたらしく
など
(とうだいかんしゅのりょうてにかかえられたひともりのりんごを、)
燈台看守の両手にかかえられた一盛のりんごを、
(めをほそくしたりくびをまげたりしながら)
目を細くしたり首をまげたりしながら
(われをわすれてながめていました。)
われを忘れてながめていました。
(「いや、まあおとりください。どうか、まあおとりください。」)
「いや、まあおとりください。どうか、まあおとりください。」
(せいねんはひとつとってじょばんにたちのほうをちょっとみました。)
青年は一つとってジョバンニたちの方をちょっと見ました。
(「さあ、むこうのぼっちゃんがた。)
「さあ、向こうの坊っちゃんがた。
(いかがですか。おとりください。」)
いかがですか。おとりください。」
(じょばんにはぼっちゃんといわれたので)
ジョバンニは坊っちゃんといわれたので
(すこししゃくにさわってだまっていましたが、かむぱねるらは、)
すこししゃくにさわって黙っていましたが、カムパネルラは、
(「ありがとう。」)
「ありがとう。」
(といいました。)
といいました。
(するとせいねんはじぶんでとってひとつずつ)
すると青年は自分でとって一つずつ
(ふたりにおくってよこしましたので)
ふたりに送ってよこしましたので
(じょばんにもたって、ありがとうといいました。)
ジョバンニも立って、ありがとうといいました。
(とうだいかんしゅはやっとりょううでがあいたので、)
燈台看守はやっと両腕があいたので、
(こんどはじぶんでひとつずつ)
こんどは自分で一つずつ
(ねむっているきょうだいのひざにそっとおきました。)
ねむっている姉弟のひざにそっとおきました。