銀河鉄道の夜 41
九、ジョバンニの切符 13/36
(りんご 3/3)
(りんご 3/3)
「ああぼくいまお母さんの夢をみていたよ。
お母さんがね、りっぱな戸棚や本のあるところにいてね、ぼくの方を見て手をだして、にこにこにこにこわらったよ。
ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、といったら目がさめちゃった。・・・」
お母さんがね、りっぱな戸棚や本のあるところにいてね、ぼくの方を見て手をだして、にこにこにこにこわらったよ。
ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、といったら目がさめちゃった。・・・」
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問題文
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(にわかにおとこのこがぱっちりめをあいていいました。)
にわかに男の子がぱっちり目をあいて言いました。
(「ああぼくいまおかあさんのゆめをみていたよ。)
「ああぼくいまお母さんの夢をみていたよ。
(おかあさんがね、りっぱなとだなやほんのあるところにいてね、)
お母さんがね、りっぱな戸棚や本のあるところにいてね、
(ぼくのほうをみててをだして、にこにこにこにこわらったよ。)
ぼくの方を見て手をだして、にこにこにこにこわらったよ。
(ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、)
ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、
(といったらめがさめちゃった。)
といったら目がさめちゃった。
(ああここさっきのきしゃのなかだねえ。」)
ああここさっきの汽車のなかだねえ。」
(「そのりんごがそこにあります。)
「そのりんごがそこにあります。
(このおじさんにいただいたのですよ。」)
このおじさんにいただいたのですよ。」
(せいねんがいいました。)
青年がいいました。
(「ありがとうおじさん。)
「ありがとうおじさん。
(おや、かおるねえさんまだねてるねえ、)
おや、かおるねえさんまだ寝てるねえ、
(ぼくおこしてやろう。)
ぼくおこしてやろう。
(ねえさん。ごらん、りんごをもらってよ。おきてごらん。」)
ねえさん。ごらん、りんごをもらってよ。おきてごらん。」
(あねはわらってめをさまし、)
姉はわらって目をさまし、
(まぶしそうにりょうてをめにあてて、それからりんごをみました。)
まぶしそうに両手を目にあてて、それからりんごを見ました。
(おとこのこはまるでぱいをたべるように)
男の子はまるでパイを食べるように
(もうそれをたべていました。)
もうそれを食べていました。
(またせっかくむいたそのきれいなかわも、)
またせっかくむいたそのきれいな皮も、
(くるくるこるくぬきのようなかたちになって)
くるくるコルク抜きのような形になって
など
(ゆかへおちるまでのあいだにはすうっと、)
床へ落ちるまでの間にはすうっと、
(はいいろにひかってじょうはつしてしまうのでした。)
灰いろに光って蒸発してしまうのでした。
(ふたりはりんごをたいせつにぽけっとにしまいました。)
ふたりはりんごをたいせつにポケットにしまいました。