銀河鉄道の夜 41

(りんご 3/3)
お母さんがね、りっぱな戸棚や本のあるところにいてね、ぼくの方を見て手をだして、にこにこにこにこわらったよ。
ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、といったら目がさめちゃった。・・・」
関連タイピング
-
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第14話
プレイ回数556長文2001打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第14話
プレイ回数614長文2484打 -
原初の自覚赤子の哲学的覚醒
プレイ回数1771長文2077打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第14話
プレイ回数547長文3158打 -
少年探偵団シリーズ第1作品『怪人二十面相』
プレイ回数978長文4377打 -
三人の奇妙な女たちに助けられる話
プレイ回数911長文2814打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第17話
プレイ回数747長文2183打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第17話
プレイ回数442長文3414打
問題文
(にわかにおとこのこがぱっちりめをあいていいました。)
にわかに男の子がぱっちり目をあいて言いました。
(「ああぼくいまおかあさんのゆめをみていたよ。)
「ああぼくいまお母さんの夢をみていたよ。
(おかあさんがね、りっぱなとだなやほんのあるところにいてね、)
お母さんがね、りっぱな戸棚や本のあるところにいてね、
(ぼくのほうをみててをだして、にこにこにこにこわらったよ。)
ぼくの方を見て手をだして、にこにこにこにこわらったよ。
(ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、)
ぼく、おっかさん、りんごをひろってきてあげましょうか、
(といったらめがさめちゃった。)
といったら目がさめちゃった。
(ああここさっきのきしゃのなかだねえ。」)
ああここさっきの汽車のなかだねえ。」
(「そのりんごがそこにあります。)
「そのりんごがそこにあります。
(このおじさんにいただいたのですよ。」)
このおじさんにいただいたのですよ。」
(せいねんがいいました。)
青年がいいました。
(「ありがとうおじさん。)
「ありがとうおじさん。
(おや、かおるねえさんまだねてるねえ、)
おや、かおるねえさんまだ寝てるねえ、
(ぼくおこしてやろう。)
ぼくおこしてやろう。
(ねえさん。ごらん、りんごをもらってよ。おきてごらん。」)
ねえさん。ごらん、りんごをもらってよ。おきてごらん。」
(あねはわらってめをさまし、)
姉はわらって目をさまし、
(まぶしそうにりょうてをめにあてて、それからりんごをみました。)
まぶしそうに両手を目にあてて、それからりんごを見ました。
(おとこのこはまるでぱいをたべるように)
男の子はまるでパイを食べるように
(もうそれをたべていました。)
もうそれを食べていました。
(またせっかくむいたそのきれいなかわも、)
またせっかくむいたそのきれいな皮も、
(くるくるこるくぬきのようなかたちになって)
くるくるコルク抜きのような形になって
(ゆかへおちるまでのあいだにはすうっと、)
床へ落ちるまでの間にはすうっと、
(はいいろにひかってじょうはつしてしまうのでした。)
灰いろに光って蒸発してしまうのでした。
(ふたりはりんごをたいせつにぽけっとにしまいました。)
ふたりはりんごをたいせつにポケットにしまいました。