不思議の国のアリス　3

(ありすとねずみが、ぽしゃぽしゃおよいでいると、)

アリスとねずみが、ぽしゃぽしゃ泳いでいると、

(おうむがぱしゃんとおちてきました。)

おうむがぱしゃんと落ちてきました。

(「だれだい、こんなところにいけをつくったのは」)

「誰だい、こんな所に池をつくったのは」

(かもと、わしと、ひよこと、とかげもおちてきて、もんくをいいました。 )

鴨と、わしと、ひよこと、とかげも落ちてきて、文句を言いました。

(なみだのいけは、もういっぱいです。)

涙の池は、もういっぱいです。

(みんなはびしょぬれになって、やっとのことできしにあがりました。)

みんなはびしょぬれになって、やっとのことで岸にあがりました。

(いけからでてみると、あたりのようすはすっかりかわっていました。)

池から出てみると、あたりの様子はすっかり変わっていました。

(そこは、ただののはらで、よっつのどあもなければ、)

そこは、ただの野原で、四つのドアもなければ、

(がらすのてーぶるもきんのかぎもありません。)

ガラスのテーブルも金の鍵もありません。

(「よかった。これで、どこかへいかれるわ。でも、でかけるまえに)

「よかった。これで、どこかへ行かれるわ。でも、出かける前に

(ぬれたふくをかわかさなければ」ありすはいいました。)

濡れた服を乾かさなければ」アリスは言いました。

(「ぼくたちも、かわかさなければ。こんなにびしょぬれでは、)

「僕たちも、乾かさなければ。こんなにびしょぬれでは、

(きもちわるくてしようがないよ」ねずみと、おうむと、かもがいいました。)

気持ち悪くてしようがないよ」ねずみと、おうむと、鴨が言いました。

(「みんなで、こーかすれーすをやろうじゃないか」とかげがいいました。)

「みんなで、コーカス・レースをやろうじゃないか」とかげが言いました。

(「こーかすれーすってなんのこと？」)

「コーカス・レースって何のこと？」

(「こーかすれーすは、こーかすれーすさ。)

「コーカス・レースは、コーカス・レースさ。

(なんのことかわからなくても、やってみればわかるよ」)

何のことかわからなくても、やってみればわかるよ」

(ねずみはそういってはしりだしました。)

ねずみはそう言って走り出しました。

(みんながわになって、ぐるぐるぐるぐるまわります。)

みんなが輪になって、ぐるぐるぐるぐる回ります。

(「さあ、こーかすれーすのはじまりだ。はしれやはしれ、さいごまで」)

「さあ、コーカス・レースのはじまりだ。走れや走れ、最後まで」