魯迅 阿Q正伝その14
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問題文
(その1はちょうだんなが、まだしゅうさいにはいらぬころ、あかりをてんじて)
その1は趙ダンナが、まだ秀才に入らぬ頃、燈を点じて
(ぶんしょうをよむことをゆるされた。)
文章を読むことを許された。
(その2はあきゅうがひやといにくるときはあかりをてんじてこめつくことをゆるされた。)
その2は阿Qが日雇いに来る時は燈を点じて米搗くことを許された。
(このれいがいのだい2によって、あきゅうがこめつきにちゃくしゅするまえに)
この例外の第2に依って、阿Qが米搗きに着手する前に
(だいどころでたばこをすっていたのだ。)
台所で煙草を吸っていたのだ。
(うーまは、ちょうけのなかでたったひとりのじょぼくであった。)
呉媽は、趙家のなかでたった一人の女僕であった。
(さらこばちをあらってしまうとかのじょもまたこしかけのうえにざして)
皿小鉢を洗ってしまうと彼女もまた腰掛の上に坐して
(あきゅうとむだはなしをした。)
阿Qと無駄話をした。
(「おくさんはきょうでふつかごはんをあがらないのですよ。)
「奥さんはきょうで二日御飯をあがらないのですよ。
(だからだんなはちいさいのをひとりかおうとおもっているんです」)
だから旦那は小妾のを一人買おうと思っているんです」
(「おんな、うーま、このちびごけ」)
「女、呉媽、このチビごけ」
(とあきゅうはおもった。)
と阿Qは思った。
(「うちのわかおくさんは8がつになると、あかちゃんがうまれるの」)
「うちの若奥さんは8月になると、赤ちゃんが生れるの」
(「おんな」とあきゅうはおもった。)
「女」と阿Qは想った。
(あきゅうはきせるをおいてたちあがった。)
阿Qは煙管を置いて立上った。
(「うちのわかおくさんは」とうーまはまだしゃべっていた。)
「うちの若奥さんは」と呉媽はまだ喋っていた。
(「おれとおまえとねよう。おれとおまえとねよう」)
「俺とお前と寝よう。俺とお前と寝よう」
(あきゅうはたちまちきょうようとでかけ、かのじょにたいしてひざまずいた。)
阿Qはたちまち強要と出掛け、彼女に対してひざまずいた。
(いっせつな、きわめてしんかんとしていた。)
一刹那、極めて森閑としていた。
(うーまはしばらくしんいにうたれていたが、)
呉媽はしばらく神威に打たれていたが、
(やがてがたがたせんえだした。)
やがてガタガタ顫え出した。
(「あれーっ」)
「あれーッ」
(かのじょはおおごえあげてそとへかけだし、かけだしながらどなっていたが、)
彼女は大声上げて外へかけ出し、かけ出しながら怒鳴っていたが、
(だんだんそれがなきごえにかわってきた。)
だんだんそれが泣声に変って来た。
(あきゅうはかべにむかってきざし、)
阿Qは壁に向かって跪坐し、
(これもしんいにうたれていたが、このときりょうてをついて)
これも神威に打たれていたが、この時両手をついて
(むしょうらしくこしをあげ、いささかあわをくったようなからだでどぎまぎしながら、)
無性らしく腰を上げ、いささかあわを食ったような体でドギマギしながら、
(おびのあいだにえんかんをさしこみ、これからこめつきにいこうか)
帯の間に煙管を挿し込み、これから米搗きに行こうか
(どうしようかとまごまごしているところへ、)
どうしようかとまごまごしているところへ、
(ぽかりとひとつ、ふといものがあたまのうえからおちてきた。)
ポカリと一つ、太い物が頭の上から落ちて来た。
(かれははっとしてみをてんじると、しゅうさいはたけのぼうきれをもってゆくてをふさいだ。)
彼はハッとして身を転じると、秀才は竹の棒キレをもって行手を塞いだ。
(「きさまはむほんをおこしたな。これ、こんちくしょう」)
「キサマは謀反を起したな。これ、こん畜生」