『少年探偵団』江戸川乱歩10

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少年探偵団シリーズ第2作品『少年探偵団』
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております

○少年探偵団シリーズ第2作品『少年探偵団』
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8343 8.4 98.9% 522.7 4407 46 96 2024/03/11
2 ssssss 7293 7.8 93.5% 572.0 4480 308 96 2024/03/29
3 kanta 5350 B++ 5.6 94.8% 780.1 4413 239 96 2024/03/16

関連タイピング

問題文

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(こばやしくんが、ほとんどすべりおちるようにして、)

小林君が、ほとんどすべり落ちるようにして、

(まっくらなあなのそこによこたわると、いんどじんのひとりが)

真っ暗な穴の底に横たわると、インド人の一人が

(はしごのとちゅうまでおりて、そこからみどりちゃんの)

ハシゴの途中までおりて、そこから緑ちゃんの

(ちいさいからだをこばやしくんのたおれているうえへ、)

小さい体を小林君の倒れている上へ、

(なげおとしました。やがて、はしごがするすると)

投げ落としました。 やがて、ハシゴがスルスルと

(てんじょうにひきあげられ、あなのいりぐちはみっぺいされ、)

天井に引きあげられ、穴の入り口は密閉され、

(ちかしつはしんのやみになってしまいました。そのやみの)

地下室は真の闇になってしまいました。 その闇の

(なかに、からだのじゆうをうばわれた、みどりちゃんとこばやしくんが、)

中に、体の自由をうばわれた、緑ちゃんと小林君が、

(おりかさなってたおれているのです。みどりちゃんはかおじゅうを)

折り重なって倒れているのです。緑ちゃんは顔中を

(なみだでぬらしてないているのですが、さるぐつわに)

涙でぬらして泣いているのですが、さるぐつわに

(さまたげられ、うううというかなしげなうめきごえが)

さまたげられ、ウウウという悲しげなうめき声が

(もれるばかりです。ああ、かわいそうなふたりは、)

もれるばかりです。 ああ、かわいそうな二人は、

(これからどうなっていくことでしょうか。)

これからどうなっていくことでしょうか。

(「しょうねんそうさくたい」)

「少年捜索隊」

(ちょうどそのころ、しのざきくんのおうちのちかくの、ようげんじの)

ちょうどその頃、篠崎君のおうちの近くの、養源寺の

(もんぜんをろくにんのしょうがっこうじょうきゅうせいが、なにかはなしながら)

門前を六人の小学校上級生が、何か話しながら

(あるいていました。せんとうにたっているのは、しのざきくんの)

歩いていました。 先頭に立っているのは、篠崎君の

(しんゆうの、よくふとったかつらしょういちくんです。かつらくんは、がっこうで)

親友の、よく太った桂正一君です。桂君は、学校で

(しのざきくんからこんかいのじけんのことをきいたものですから、)

篠崎君から今回の事件のことを聞いたものですから、

(まず、いとこのはしばそうじくんにでんわをかけ、はしばくんから)

まず、いとこの羽柴壮二君に電話をかけ、羽柴君から

など

(しょうねんたんていだんいんにつたえてもらって、いちどうがかつらくんのところに)

少年探偵団員に伝えてもらって、一同が桂君の所に

(せいぞろいしたうえ、しのざきけをほうもんすることになった)

勢揃いした上、篠崎家を訪問することになった

(のです。だんいんのうちさんにんは、ようじがあって、)

のです。団員のうち三人は、用事があって、

(あつまったのはろくにんだけでした。しょうねんたんていだんいんたちは、)

集まったのは六人だけでした。 少年探偵団員たちは、

(なかまのうちになにかふこうがあればかならずたすけあう、という)

仲間のうちに何か不幸があれば必ず助けあう、という

(かたいやくそくをむすんでいました。いま、だんいんしのざきはじめくんの)

固い約束をむすんでいました。今、団員篠崎始君の

(おうちは、おそろしいあくまにおそわれています。)

おうちは、おそろしい悪魔におそわれています。

(しかもそれが、このあいだからとうきょうじゅうをさわがせて)

しかもそれが、このあいだから東京中をさわがせて

(いる「くろいかいぶつ」なのですから、しょうねんたんていだんは、)

いる「黒い怪物」なのですから、少年探偵団は、

(もうじっとしているわけにはいきませんでした。)

もうジッとしているわけにはいきませんでした。

(ことにかれらのだんちょうのこばやししょうねんが、しのざきくんのようせいに)

ことに彼らの団長の小林少年が、篠崎君の要請に

(おうじて、しゅつどうしたことがわかっているものですから、)

応じて、出動したことがわかっているものですから、

(いちどうは、いよいよきもちをたかぶらせたのです。)

一同は、いよいよ気持ちを高ぶらせたのです。

(「くろいかいぶつ」は、ぜひわれわれのてでとらえて、)

「黒い怪物」は、ぜひ我々の手でとらえて、

(しょうねんたんていだんのてなみをみせようではないかと、)

少年探偵団の手並みを見せようではないかと、

(だんいんは、もう、はりきっているのです。)

団員は、もう、はりきっているのです。

(かつらしょういちくんは、ようげんじのもんぜんまでくると、そこに)

桂正一君は、養源寺の門前まで来ると、そこに

(たちどまって、いつかのばんのぼうけんについて、いちどうに)

立ち止まって、いつかの晩の冒険について、一同に

(かたりきかせました。どくしゃしょくんは、そのとき、)

語り聞かせました。読者諸君は、そのとき、

(くろいかいぶつがようげんじのぼちのなかで、きえるように)

黒い怪物が養源寺の墓地の中で、消えるように

(すがたをかくしてしまったことをきおくしているでしょう。)

姿を隠してしまったことを記憶しているでしょう。

(「ほんとうに、かきけすようにみえなくなってしまったん)

「本当に、かき消すように見えなくなってしまったん

(だよ。ぼくは、おばけなんかしんじないけれど、ぼちの)

だよ。ぼくは、お化けなんか信じないけれど、墓地の

(なかだろう。それにまっくらなよるだろう。さすがのぼくも)

中だろう。それに真っ暗な夜だろう。さすがのぼくも

(ぞーっとふるえあがって、とっさににげだしてしまった)

ゾーッと震えあがって、とっさに逃げだしてしまった

(のさ。そのぼちっていうのは、このほんどうのうらてに)

のさ。その墓地っていうのは、この本堂の裏手に

(あるんだよ」かつらくんは、そういいながら、おてらのもんないに)

あるんだよ」 桂君は、そう言いながら、お寺の門内に

(はいって、ほんどうのうらてをゆびさしました。しょうねんたちも)

入って、本堂の裏手を指さしました。少年たちも

(かつらくんといっしょに、ぞろぞろともんないにはいり、ゆうぐれどきの)

桂君と一緒に、ぞろぞろと門内に入り、夕暮れ時の

(ものさびしいけいだいを、あちこちみまわしていましたが、)

物寂しい境内を、あちこち見回していましたが、

(さいねんしょうのはしばそうじくんがなにをはっけんしたのか、びっくり)

最年少の羽柴壮二君が何を発見したのか、ビックリ

(したように、かつらくんのうでをつかみました。「しょういちくん、)

したように、桂君の腕をつかみました。「正一君、

(あれあれ、あそこをみたまえ。なにかいるぜ」)

あれあれ、あそこを見たまえ。何か居るぜ」

(ほとんどふるえごえになって、そうじくんがゆびさすところを)

ほとんど震え声になって、壮二君が指さす所を

(みますと、いかにも、もんのよこのいけがきのそばのひくい)

見ますと、いかにも、門の横の生け垣のそばの低い

(じゅもくのしげみのなかに、なにかもこもことうごめいている)

樹木のしげみの中に、何かモコモコとうごめいている

(ものがあります。それが、どうやらにんげんのあしらしい)

物があります。それが、どうやら人間の足らしい

(のです。にんげんのあしが、しげみのなかからにゅーっと)

のです。人間の足が、しげみの中からニューッと

(あらわれて、まるでいもむしみたいにうごいているのです。)

現れて、まるでイモ虫みたいに動いているのです。

(いちどうは、それにきづくと、いくらたんていだんなどと)

一同は、それに気づくと、いくら探偵団などと

(いばっていても、やっぱりこどもですから、)

いばっていても、やっぱり子どもですから、

(ぞっとしてたちすくんでしまいました。おたがいに)

ゾッとして立ちすくんでしまいました。お互いに

(かおをみあわせて、いまにもにげだしそうなようすです。)

顔を見合わせて、今にも逃げだしそうな様子です。

(むりもありません。もののすがたがおぼろにみえる)

無理もありません。物の姿がおぼろに見える

(ゆうぐれどき、さびしいおてらのけいだいで、しかもかつらくんの)

夕暮れ時、さびしいお寺の境内で、しかも桂君の

(かいだんをきかされたばかりのところへ、うすぐらいしげみの)

怪談を聞かされたばかりのところへ、薄暗いしげみの

(あいだからふいに、にんげんのあしがあらわれたのですからね。)

あいだから不意に、人間の足が現れたのですからね。

(おとなだって、おびえないではいられなかった)

大人だって、おびえないではいられなかった

(でしょう。「よし、ぼくがみてこよう」さすが、)

でしょう。「よし、ぼくが見てこよう」 さすが、

(すもうのせんしゅです。かつらしょういちくんは、おびえるいちどうを)

相撲の選手です。桂正一君は、おびえる一同を

(そのばにのこして、たったひとり、しげみのほうへ)

その場に残して、たった一人、しげみのほうへ

(ちかづいていきました。「だれだ、そこにかくれている)

近付いて行きました。「だれだ、そこに隠れている

(のは、だれだ」おおごえでどなってみても、あいては)

のは、だれだ」 大声でどなってみても、相手は

(すこしもへんじをしません。かといってにげだすわけでも)

少しも返事をしません。かといって逃げだすわけでも

(なく、いもむしのようなあしが、ますますはげしくうごく)

なく、イモ虫のような足が、ますます激しく動く

(のみです。かつらくんは、またに、さんぽぜんしんして、)

のみです。 桂君は、また二、三歩前進して、

(しげみのかげをのぞきました。そしてなにをみたのか、)

しげみの陰をのぞきました。そして何を見たのか、

(ぎょっとしたようにたちなおりましたが、いきなり)

ギョッとしたように立ち直りましたが、いきなり

(うしろをふりむくと、いちどうをてまねきするのです。)

うしろを振り向くと、一同を手招きするのです。

(「はやくきたまえ、ひとがしばられているんだよ。)

「早く来たまえ、人がしばられているんだよ。

(ふたりのひとが、ぐるぐるまきにしばられて、ころがって)

二人の人が、グルグル巻きにしばられて、転がって

(いるんだよ」おばけではないとわかると、)

いるんだよ」 お化けではないとわかると、

(だんいんたちはきゅうにいきおいづいて、そのばへかけだし)

団員たちは急に勢いづいて、その場へ駆けだし

(ました。みると、いかにも、そのしげみのかげに)

ました。 見ると、いかにも、そのしげみの陰に

(ふたりのおとなが、てとあしをめちゃくちゃにしばられ、)

二人の大人が、手と足を滅茶苦茶にしばられ、

(さるぐつわまではめられて、よこたわっていました。)

さるぐつわまではめられて、横たわっていました。

(そのうちのひとりは、きものをはぎとられたとみえて、)

そのうちの一人は、着物をはぎとられたとみえて、

(しゃつとずぼんだけの、みじめなすがたです。「おや、)

シャツとズボンだけの、みじめな姿です。「おや、

(これはしのざきくんとこのひしょだぜ」かつらしょうねんは、)

これは篠崎君とこの秘書だぜ」 桂少年は、

(そのしゃついちまいのせいねんをゆびさしてさけびました。)

そのシャツ一枚の青年を指さして叫びました。

(それからろくにんがかりでなわをとき、さるぐつわを)

それから六人がかりで縄をとき、さるぐつわを

(はずしてやりますと、ふたりのおとなは、やっとくちがきける)

外してやりますと、二人の大人は、やっと口がきける

(ようになって、ことのしだいをせつめいしました。しばられて)

ようになって、事の次第を説明しました。 しばられて

(いたのは、しゃついちまいのほうがしのざきけのひしょいまいくん、)

いたのは、シャツ一枚のほうが篠崎家の秘書今井君、

(もうひとりのようふくのおとこは、しのざきけのじどうしゃ)

もう一人の洋服の男は、篠崎家の自動車

(うんてんしゅでした。)

運転手でした。

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