半導体
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問題文
(はんどうたい(はんどうたい、えい:semiconductor)とは、)
半導体(はんどうたい、英: semiconductor)とは、
(きんぞくなどのどうたいと、ごむなどのぜつえんたいのちゅうかんのていこうりつをもつぶっしつである。)
金属などの導体と、ゴムなどの絶縁体の中間の抵抗率を持つ物質である。
(はんどうたいは、ふじゅんぶつのどうにゅうやねつやひかりじばでんあつでんりゅうほうしゃせんなどのえいきょうで、)
半導体は、不純物の導入や熱や光・磁場・電圧・電流・放射線などの影響で、
(そのどうでんせいがけんちょにかわるせいしつをもつ。このせいしつをりようして、)
その導電性が顕著に変わる性質を持つ。この性質を利用して、
(とらんじすたなどのはんどうたいそしにりようされている。)
トランジスタなどの半導体素子に利用されている。
(がいよう)
概要
(りょうどうたい(つうじょうのきんぞく)、はんどうたいぜつえんたいにおけるばんどぎゃっぷ)
良導体(通常の金属)、半導体・絶縁体におけるバンドギャップ
((きんせいおびはば)のもしきず。あるしゅのはんどうたいではひかくてきよういにでんしが)
(禁制帯幅)の模式図。ある種の半導体では比較的容易に電子が
(でんどうたいへとせんいすることででんきでんどうせいをもつでんどうでんしがしょうじる。)
伝導帯へと遷移することで電気伝導性を持つ伝導電子が生じる。
(きんぞくではえねるぎーばんどないにあきじゅんいがあり、かでんしがすぐうえの)
金属ではエネルギーバンド内に空き準位があり、価電子がすぐ上の
(あきじゅんいにうつってでんどうでんしとなるため、つねにでんきでんどうせいをしめす。)
空き準位に移って伝導電子となるため、常に電気伝導性を示す。
(はんどうたいのばんどこうぞうのもしきず。eはでんしのもつえねるぎー、kははすう。)
半導体のバンド構造の模式図。Eは電子の持つエネルギー、kは波数。
(egがばんどぎゃっぷ。はんどうたい(やぜつえんたい)では、ぜったいぜろどででんしがはいっている)
Egがバンドギャップ。半導体(や絶縁体)では、絶対零度で電子が入っている
(いちばんじょうのえねるぎーばんどがでんしでみたされており(じゅうまんたい)、)
一番上のエネルギーバンドが電子で満たされており(充満帯)、
(そのうえにきんせいおびをへだててそらおびがある(でんどうたい)。)
その上に禁制帯を隔てて空帯がある(伝導帯)。
(はんどうたいは、でんきでんどうせいのよいきんぞくなどのどうたいと、でんきていこうりつのおおきい)
半導体は、電気伝導性の良い金属などの導体と、電気抵抗率の大きい
(ぜつえんたいのちゅうかんてきなていこうりつをもつぶっしつである。だいひょうてきなものとしては)
絶縁体の中間的な抵抗率をもつ物質である。代表的なものとしては
(げんそはんどうたいのけいそ、げるまにうむ、かごうぶつはんどうたいのひかがりうむ、)
元素半導体のケイ素、ゲルマニウム、化合物半導体のヒ化ガリウム、
(りんかがりうむ、りんかいんじうむなどがある。)
リン化ガリウム、リン化インジウムなどがある。
(はんどうたいのとくちょうは、こたいのばんどりろんによってせつめいされる。)
半導体の特徴は、固体のバンド理論によって説明される。
(なお、ばんどりろんをもちいれば、はんどうたいとは、かでんしおびをうめるでんしの)
なお、バンド理論を用いれば、半導体とは、価電子帯を埋める電子の
(じょうたいはかんぜんにつまっているものの、きんせいおびをはさんで、でんどうおびをうめるでんしの)
状態は完全に詰まっているものの、禁制帯を挟んで、伝導帯を埋める電子の
(じょうたいはそんざいしないぶっしつとしてていぎされる。)
状態は存在しない物質として定義される。
(ひおーむせいていこう)
非オーム性抵抗
(いっぱんてきに、ていこうはでんりゅうとでんあつにかんしてひれいてきなかんけいをみたす、すなわち)
一般的に、抵抗は電流と電圧に関して比例的な関係を満たす、すなわち
(おーむのほうそくがなりたつことからおーむせいていこうとよばれる。いっぽう、)
オームの法則が成り立つことからオーム性抵抗と呼ばれる。一方、
(でんきかいろにおいては、ひおーむせいていこうそしはおーむせいていこうそしに)
電気回路においては、非オーム性抵抗素子はオーム性抵抗素子に
(おとらずじゅうようである。)
劣らず重要である。
(はんどうたいがじゅうようしされるせいしつのひとつは、はんどうたいときんぞく、またははんどうたいどうしを)
半導体が重要視される性質の一つは、半導体と金属、または半導体同士を
(てきとうにせっしょくさせることでさまざまなひおーむせいていこうがえられることにある。)
適当に接触させることでさまざまな非オーム性抵抗が得られることにある。
(ぐたいてきには、pかたはんどうたいとnかたはんどうたいをpnせつごうしただいおーどや、)
具体的には、p型半導体とn型半導体をpn接合したダイオードや、
(nかたはんどうたいをpかたはんどうたいではさんだ、もしくはpかたはんどうたいをnかたはんどうたいで)
n型半導体をp型半導体で挟んだ、もしくはp型半導体をn型半導体で
(はさんだとらんじすたなどがある。たいようでんちもpnせつごうをもちいている。)
挟んだトランジスタなどがある。太陽電池もpn接合を用いている。
(ねつでんこうか)
熱電効果
(はんどうたいではつうじょう、おんどがあがるとでんきでんどうせいがます。)
半導体では通常、温度が上がると電気伝導性が増す。
(しつおんでは、きゃりあがふじゅんぶつげんしからうけるそくばくをはなれて)
室温では、キャリアが不純物原子から受ける束縛を離れて
(けっしょうちゅうをうごけるじょうたいにある。いいかたをかえれば、どなーとあくせぷたーの)
結晶中を動ける状態にある。言い方を変えれば、ドナーとアクセプターの
(げんしはおおくがいおんかしているが、おんどがていかするとねつれいきもよわくなり、)
原子は多くがイオン化しているが、温度が低下すると熱励起も弱くなり、
(ふじゅんぶつげんしのくーろんいんりょくによるそくばくのえいきょうがそうたいてきにおおきくなる。)
不純物原子のクーロン引力による束縛の影響が相対的に大きくなる。
(きゃりあがそくばくをはなれているおんどのりょういきをほうわりょういき、)
キャリアが束縛を離れている温度の領域を飽和領域、
(あるいはではらいりょういきといい、)
あるいは出払い領域といい、
(きゃりあがそくばくをうけるおんどりょういきをふじゅんぶつりょういきという。また、おんどを)
キャリアが束縛を受ける温度領域を不純物領域という。また、温度を
(じょうしょうさせるとかでんしまでもがねつれいきされ、きゃりあのきょうきゅうげんとなり、)
上昇させると価電子までもが熱励起され、キャリアの供給源となり、
(このおんどりょういきをしんせいりょういきとよぶ。はんどうたいそしとしてりようする)
この温度領域を真性領域と呼ぶ。半導体素子として利用する
(ばあいはほうわりょういきがりようされる。)
場合は飽和領域が利用される。
(ぎゃくばいあすされたpnせつごうなどにおいておんどがあがりすぎると、)
逆バイアスされたpn接合などにおいて温度が上がりすぎると、
(きゃりあのぞうかででんりゅうがぞうかし、そのていこうはつねつで)
キャリアの増加で電流が増加し、その抵抗発熱で
(さらにおんどがあがるねつぼうそうがはっせいする。)
さらに温度が上がる熱暴走が発生する。
(ざいりょう)
材料
(はんどうたいとなるざいりょうにはいかのものがある。)
半導体となる材料には以下のものがある。
(ivぞくはんどうたい:si、ge、ふらーれん、かーぼんなのちゅーぶなど)
IV族半導体:Si、Ge、フラーレン、カーボンナノチューブなど
(かごうぶつはんどうたい)
化合物半導体
(ii-viぞくはんどうたい:znse、cds、znoなど)
II-VI族半導体:ZnSe、CdS、ZnOなど
(iii-vぞくはんどうたい:gaas、inp、ganなど)
III-V族半導体:GaAs、InP、GaNなど
(ivぞくかごうぶつはんどうたい:sic、sigeなど)
IV族化合物半導体:SiC、SiGeなど
(i-iii-viぞくはんどうたい:cuinse2などかるこぱいらいとけいはんどうたい)
I-III-VI族半導体:CuInSe2などカルコパイライト系半導体
(ゆうきはんどうたい、どうでんせいこうぶんし)
有機半導体、導電性高分子
(げんしそうはんどうたいでばいす)
原子層半導体デバイス
(ぐらふぇんのぶんしこうぞう)
グラフェンの分子構造
(はんどうたいのざいりょうとしてぐらふぇんがちゅうもくされている。ぐらふぇんは、)
半導体の材料としてグラフェンが注目されている。グラフェンは、
(たんそげんしとそのけつごうからできたはちのすのようなろっかっけいごうしこうぞうで、)
炭素原子とその結合からできた蜂の巣のような六角形格子構造で、
(うすさはわずか0.142nmとなっている。)
薄さはわずか 0.142 nm となっている。
(だいやもんどいじょうにたんそどうしの)
ダイヤモンド以上に炭素同士の
(けつごうがつよく、へいめんないではだいやもんどよりつよいぶっしつとかんがえられている。)
結合が強く、平面内ではダイヤモンドより強い物質と考えられている。
(ぶつりてきにもとてもつよく、せかいでもっともひっぱりにつよい。ねつでんどうもせかいで)
物理的にもとても強く、世界で最も引っ張りに強い。熱伝導も世界で
(もっともよいとされ、でんきのでんどうどもとっぷくらすによいぶっしつである。)
最も良いとされ、電気の伝導度もトップクラスに良い物質である。
(これらのとくせいからげんしそうはんどうたいでばいすへのかつようがきたいされる。)
これらの特性から原子層半導体デバイスへの活用が期待される。
(はんどうたいのかた)
半導体の型
(ふじゅんぶつやこうしけっかんをまったくふくまないはんどうたいをしんせいはんどうたいとよぶ。)
不純物や格子欠陥を全く含まない半導体を真性半導体と呼ぶ。
(しんせいはんどうたいは、そのふぇるみじゅんいはきんせいたいのちゅうおうにいちし、ぜんおんどりょういきにおいて)
真性半導体は、そのフェルミ準位は禁制帯の中央に位置し、全温度領域において
(きゃりあはかでんしおびのえねるぎーれべるにあるでんしのれいきによってのみ)
キャリアは価電子帯のエネルギーレベルにある電子の励起によってのみ
(きょうきゅうされることから、でんしかいろにもちいるようなはんどうたいそしとしてはつかいがたい。)
供給されることから、電子回路に用いるような半導体素子としては使い難い。
(はんどうたいそしとしてもちいることができるようなはんどうたいは、)
半導体素子として用いることができるような半導体は、
(しんせいはんどうたいにどーぱんととよばれるびりょうのてんかぶつをまぜて)
真性半導体にドーパントと呼ばれる微量の添加物を混ぜて
(ふじゅんぶつはんどうたいとすることでさくせいする。このどーぷによって、)
不純物半導体とすることで作成する。このドープによって、
(はんどうたいのきゃりあであるでんしまたはせいこうのみつどがへんかすることとなるが、)
半導体のキャリアである電子または正孔の密度が変化することとなるが、
(でんどうげんしょうをしはいするきゃりあとしてでんしがゆうせいであるはんどうたいを)
伝導現象を支配するキャリアとして電子が優勢である半導体を
(nかたはんどうたい、ぎゃくにせいこうがゆうせいなものをpかたはんどうたいとよぶ。)
n型半導体、逆に正孔が優勢なものをp型半導体と呼ぶ。
(このようなゆうせいなきゃりあをたすうきゃりあ、ぎゃくにれっせいなきゃりあを)
このような優勢なキャリアを多数キャリア、逆に劣勢なキャリアを
(しょうすうきゃりあとよぶ。nかたはんどうたいでのたすうきゃりあはでんし、)
少数キャリアと呼ぶ。n型半導体での多数キャリアは電子、
(しょうすうきゃりあはせいこうである。pかたはんどうたいでのたすうきゃりあはせいこう、)
少数キャリアは正孔である。p型半導体での多数キャリアは正孔、
(しょうすうきゃりあはでんしである。なお、pかたはんどうたいやnかたはんどうたいは)
少数キャリアは電子である。 なお、p型半導体やn型半導体は
(どーぴんぐしなければつくれないというわけではない。)
ドーピングしなければ作れないというわけではない。
(かーぼんなのちゅーぶはpかたはんどうたいとしてしられている。)
カーボンナノチューブはP型半導体として知られている。
(nかたはんどうたい)
n 型半導体
(しりこん(si)にりん(p)をどーぷしたれいである。5つのあかいまるが)
シリコン(Si)にリン(P)をドープした例である。5つの赤い丸が
(りんゆらいのかでんし。1つだけあまったe-とかかれているでんしが)
リン由来の価電子。1つだけ余った e- と書かれている電子が
(でんかのはこびてとなりけっしょうちゅうをうごく。)
電荷の運び手となり結晶中を動く。
(nかたはんどうたいとは、でんあつがかけられるとでんどうでんしやじゆうでんし、ほとんど)
n型半導体とは、電圧がかけられると伝導電子や自由電子、ほとんど
(じゆうなでんしともよばれるでんしのいどうによってでんかがはこばれるはんどうたいである。)
自由な電子とも呼ばれる電子の移動によって電荷が運ばれる半導体である。
(かすうのおおいげんそをどーぴんぐすることでつくられる。たとえばしりこんや)
価数の多い元素をドーピングすることで作られる。例えばシリコンや
(げるまにうむのけっしょうに、ひそなどの5かのげんしをまぜることでnかたとなる。)
ゲルマニウムの結晶に、ヒ素などの5価の原子を混ぜることでn型となる。
(ふじゅんぶつのどうにゅうによってせいせいされたきゃりあは、どうにゅうされた)
不純物の導入によって生成されたキャリアは、導入された
(ふじゅんぶつげんしからうけるくーろんいんりょくによりそくばくされる。)
不純物原子から受けるクーロン引力により束縛される。