紫式部 源氏物語 絵合 3 與謝野晶子訳

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | omochi | 8068 | 神 | 8.2 | 97.4% | 320.4 | 2655 | 70 | 40 | 2025/03/29 |
2 | subaru | 7786 | 神 | 8.2 | 94.7% | 319.0 | 2630 | 146 | 40 | 2025/03/29 |
3 | berry | 7678 | 神 | 7.8 | 98.2% | 335.2 | 2621 | 47 | 40 | 2025/03/30 |
4 | HAKU | 7547 | 神 | 7.8 | 96.5% | 339.7 | 2659 | 95 | 40 | 2025/03/29 |
5 | だだんどん | 6764 | S++ | 7.2 | 93.8% | 363.5 | 2631 | 172 | 40 | 2025/04/11 |
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問題文
(こんなふうにすきまもないふうにふたりのにょごがじしているのであったから、)
こんなふうに隙間もないふうに二人の女御が侍しているのであったから、
(ひょうぶきょうのみやはにょおうのこうきゅういりをじつげんさせにくくてはんもんをしておいでになったが、)
兵部卿の宮は女王の後宮入りを実現させにくくて煩悶をしておいでになったが、
(みかどがせいねんにおなりになったなら、がいせきのじぶんのむすめをそがいあそばすことは)
帝が青年におなりになったなら、外戚の自分の娘を疎外あそばすことは
(なかろうとなおきぼうをつないでおいでになった。きゅうていのふたりのにょごは)
なかろうとなお希望をつないでおいでになった。宮廷の二人の女御は
(はなやかにいどみあった。みかどはなによりもえにきょうみをもっておいでになった。)
はなやかに挑み合った。帝は何よりも絵に興味を持っておいでになった。
(とくべつにおすきなせいかおかきになることもおじょうずであった。さいぐうのにょごは)
特別にお好きなせいかお描きになることもお上手であった。斎宮の女御は
(えをよくかくのでそれがおきにいって、にょごのごてんへおいでになっては)
絵をよく描くのでそれがお気に入って、女御の御殿へおいでになっては
(ごいっしょにえをおかきになることをたのしみにあそばした。てんじょうのわかいやくにんの)
ごいっしょに絵をお描きになることを楽しみにあそばした。殿上の若い役人の
(なかでもえのかけるものをとくにおあいしになるみかどであったから、ましてうつくしいひとが、)
中でも絵の描ける者を特にお愛しになる帝であったから、まして美しい人が、
(がみのあるえをじょうずにすみでかいて、からだをよこたえながら、つぎのふでの)
雅味のある絵を上手に墨で描いて、からだを横たえながら、次の筆の
(おろしようをかんがえたりしているかれんさがみこころにしんで、しばしばこちらへ)
下ろしようを考えたりしている可憐さが御心に沁んで、しばしばこちらへ
(おいでになるようになり、ごちょうあいがみるみるさかんになった。ごんのちゅうなごんがそれを)
おいでになるようになり、御寵愛が見る見る盛んになった。権中納言がそれを
(きくと、どこまでもまけぎらいなせいしつからゆうめいながかのいくにんをいえにかかえて、)
聞くと、どこまでも負けぎらいな性質から有名な画家の幾人を家にかかえて、
(よいえをよいかみに、かかせることをひそかにさせていた。)
よい絵をよい紙に、描かせることをひそかにさせていた。
(「しょうせつをだいにしてかいたえがもっともおもしろい」 といって、)
「小説を題にして描いた絵が最もおもしろい」 と言って、
(ごんのちゅうなごんはえらんだよいしょうせつのないようをえにさせているのである。いちねんじゅうにきのえも)
権中納言は選んだよい小説の内容を絵にさせているのである。一年十二季の絵も
(へいぼんでないぶんがくてきかちのあることばがきをつけてみかどのおめにかけた。)
平凡でない文学的価値のある詞書きをつけて帝のお目にかけた。
(おもしろいものであるがそれはひじょうにだいじなものらしくして、みかどのおいでに)
おもしろい物であるがそれは非常に大事な物らしくして、帝のおいでに
(なっているあいだにも、ながくはごぜんへだしておかずにしまわせてしまうのである。)
なっている間にも、長くは御前へ出して置かずにしまわせてしまうのである。
(みかどがさいぐうのにょごにみせたくおぼしめして、おもちになろうとするのをこきでんのひとびとは)
帝が斎宮の女御に見せたく思召して、お持ちになろうとするのを弘徽殿の人々は
(つねにはばむのであった。げんじがそれをきいて、)
常にはばむのであった。源氏がそれを聞いて、
(「ちゅうなごんのきょうそうしんはいつまでもわかわかしくもえているらしい」 などとわらった。)
「中納言の競争心はいつまでも若々しく燃えているらしい」 などと笑った。
(「かくそうかくそうとしてあまりごぜんへださずにへいかをおなやましする)
「隠そう隠そうとしてあまり御前へ出さずに陛下をお悩ましする
(などということはけしからんことだ」 とげんじはいって、みかどへは)
などということはけしからんことだ」 と源氏は言って、帝へは
(「わたくしのところにもふるいえはたくさんございますからさしあげることに)
「私の所にも古い絵はたくさんございますから差し上げることに
(いたしましょう」 とそうして、げんじはにじょうのいんのこがしんがのはいったたなをあけて)
いたしましょう」 と奏して、源氏は二条の院の古画新画のはいった棚をあけて
(ふじんといっしょにえをみわけた。ふるいえにぞくするものとげんだいてきなものとを)
夫人といっしょに絵を見分けた。古い絵に属する物と現代的な物とを
(ぶんるいしたのである。ちょうごんか、おうしょうくんなどをだいもくにしたのはおもしろいが)
分類したのである。長恨歌、王昭君などを題目にしたのはおもしろいが
(えんぎはよろしくない。そんなのをこんどははぶくことにげんじはきめたのである。)
縁起はよろしくない。そんなのを今度は省くことに源氏は決めたのである。
(りょちゅうににっきがわりにかいたえまきのはいったはこをだしてきてげんじははじめて)
旅中に日記代わりに描いた絵巻のはいった箱を出して来て源氏ははじめて
(ふじんにもみせた。なんのよびちしきをそなえずにみるものがあっても、すこしかんじょうの)
夫人にも見せた。何の予備知識を備えずに見る者があっても、少し感情の
(ゆたかなものであればなかずにはいられないだけのちからをもったえであった。)
豊かな者であれば泣かずにはいられないだけの力を持った絵であった。
(ましてわすれようもなくそのかなしかったじだいをおもっているげんじにとって、)
まして忘れようもなくその悲しかった時代を思っている源氏にとって、
(ふじんにとっていままたきゅうさくがどれほどのかんどうをあたえるものであるかはそうぞうするに)
夫人にとって今また旧作がどれほどの感動を与えるものであるかは想像するに
(かたくはない。ふじんはいままでげんじのみせなかったことをうらんでいった。 )
かたくはない。夫人は今まで源氏の見せなかったことを恨んで言った。
(「ひとりいてながめしよりはあまのすむかたをかきてぞみるべかりける )
「一人居て眺めしよりは海人の住むかたを書きてぞ見るべかりける
(あなたにはこんななぐさめがおありになったのですわね」)
あなたにはこんな慰めがおありになったのですわね」
(げんじはふじんのこころもちをあわれにおもっていった。 )
源氏は夫人の心持ちを哀れに思って言った。
(「うきめみしそのおりよりはきょうはまたすぎにしかたにかえるなみだか )
「うきめ見しそのをりよりは今日はまた過ぎにし方に帰る涙か
(ちゅうぐうにだけはおめにかけねばならないものですよ」)
中宮にだけはお目にかけねばならない物ですよ」