星の王子さま vol.2

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投稿者投稿者masa_ao_lecいいね20お気に入り登録
プレイ回数2万難易度(3.6) 2417打 長文
小説「星の王子さま」からの出典です。
小説「星の王子さま」からの出典です。
句読点あり。
カギカッコ等の表記符号は省略してあります。
タイピングをしながら小説を楽しんでくださいね。

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。
それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどりついた王子さまだった・・・・・・
一度読んだら必ず宝物にしたくなる、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんではなさない。最も愛らしく忽然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 みかげ 5252 キツネ 5.6 93.2% 424.0 2401 174 66 2024/09/24

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問題文

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(こうしてぼくは、いまからろくねんまえ、)

こうして僕は、今から六年前、

(さはらさばくにひこうきがふじちゃくするまで、)

サハラ砂漠に飛行機が不時着するまで、

(こころからはなしができるひともないまま、)

心から話ができる人もないまま、

(ひとりでいきてきた。)

ひとりで生きてきた。

(ひこうきはえんじんのどこかがこわれたのだ。)

飛行機はエンジンのどこかが壊れたのだ。

(せいびしもじょうきゃくものせていなかったので、)

整備士も乗客も乗せていなかったので、

(むずかしいしゅうりをひとりでやりとげるしかないと、)

むずかしい修理をひとりでやりとげるしかないと、

(ぼくはかくごをきめた。)

僕は覚悟を決めた。

(いきるかしぬかのもんだいだった。)

生きるか死ぬかの問題だった。

(のみみずがいっしゅうかんぶんあるかどうかだった。)

飲み水が一週間分あるかどうかだった。

(さいしょのばん、ひとがすむちからせんまいるもかなたのすなのうえで、)

最初の晩、人が住む地から千マイルもかなたの砂の上で、

(ぼくはねむりについた。)

僕は眠りについた。

(ふねがしずんで、おおうなばらのただなかをいかだでひょうりゅうしているひとより、)

船が沈んで、大海原のただなかをいかだで漂流している人より、

(もっとこどくだった。)

もっと孤独だった。

(だから、よあけに、ちいさなかわったこえで、おこされたときには、)

だから、夜明けに、小さな変わった声で、起こされたときには、

(どんなにおどろいたことだろう。)

どんなに驚いたことだろう。

(きこえてきたのは、こんなこえ・・・・・・)

聞こえてきたのは、こんな声・・・・・・

(おねがい・・・・・・ひつじのえをかいて!)

「おねがい・・・・・・ヒツジの絵を描いて!」

(え?!)

「え?!」

(ひつじのえをかいて・・・・・・)

「ヒツジの絵を描いて・・・・・・」

など

(ぼくはかみなりにでもうたれたように、とびあがった。)

僕は雷にでも打たれたように、跳びあがった。

(そうしてごしごしめをこすった。)

そうしてごしごし目をこすった。

(しっかりみてみた。)

しっかり見てみた。

(するとそこには、とてもふしぎなふんいきのちいさなおとこのこがいて、)

するとそこには、とても不思議な雰囲気の小さな男の子がいて、

(いっしょうけんめいにこちらをみつめているではないか。)

いっしょうけんめいにこちらを見つめているではないか。

(これが、のちにぼくがかいたなかで、)

これが、のちに僕が描いたなかで、

(いちばんよくできたそのこのしょうぞうがだ。)

いちばんよくできたその子の肖像画だ。

(とはいえぼくのえは、もちろん、)

とはいえ僕の絵は、もちろん、

(かがやくばかりにあいらしかっためのまえのすがたを、)

輝くばかりに愛らしかった目の前の姿を、

(とてもつたえきれてはいない。)

とても伝えきれてはいない。

(でもぼくのせいではない。)

でも僕のせいではない。

(なにしろろくさいで、おとなたちからがかをめざすのをあきらめさせられたし、)

なにしろ六歳で、おとなたちから画家をめざすのをあきらめさせられたし、

(なかがみえないぼあとみえるぼあいがい、)

なかが見えないボアと見えるボア以外、

(えのれんしゅうはなにもしなかったのだから。)

絵の練習はなにもしなかったのだから。

(とにかくぼくは、そのこがとつぜんあらわれたことに、)

とにかく僕は、その子が突然現れたことに、

(すっかりめをまるくしていた。)

すっかり目をまるくしていた。

(なにしろ、ひとのすむちからせんまいるもかなたなのだ。)

なにしろ、人の住む地から千マイルもかなたなのだ。

(それなのにそのおとこのこは、)

それなのにその男の子は、

(みちにまよったのではなさそうだし、)

道に迷ったのではなさそうだし、

(つかれてくたくたでもなければ、)

疲れてくたくたでもなければ、

(しにそうなほどおなかがすいていたり、)

死にそうなほどおなかがすいていたり、

(のどがかわいていたり、こわがったりしているわけでもない。)

のどが渇いていたり、こわがったりしているわけでもない。

(どうみても、ひとのすむちからせんまいるもかなたのさばくのまんなかで、)

どう見ても、人の住む地から千マイルもかなたの砂漠のまんなかで、

(まいごになったというようすではないのだ。)

迷子になったという様子ではないのだ。

(ようやくくちがきけるようになると、ぼくはそのこにたずねた。)

ようやく口がきけるようになると、僕はその子にたずねた。

(いったい・・・・・・きみはここでなにをしているの?)

「いったい・・・・・・きみはここでなにをしているの?」

(でもそのこは、なにかじゅうだいなことのように、)

でもその子は、なにか重大なことのように、

(しずかなこえでそっとくりかえすだけだった。)

静かな声でそっとくり返すだけだった。

(おねがい・・・・・・ひつじのえをかいて・・・・・・)

「おねがい・・・・・・ヒツジの絵を描いて・・・・・・」

(ふしぎなことでも、あまりにこころをうたれると、)

不思議なことでも、あまりに心を打たれると、

(ひとはさからわなくなるものだ。)

人はさからわなくなるものだ。

(ひとのすむちからせんまいるものかなたで、)

人の住む地から千マイルものかなたで、

(しのきけんにさらされているときに、)

死の危険にさらされているときに、

(ばかげているとぼくはおもいながらも、)

ばかげていると僕は思いながらも、

(ぽけっとからいちまいのかみとまんねんひつをとりだした。)

ポケットから一枚の紙と万年筆をとりだした。

(だがそこで、じぶんがしっかりべんきょうしてきたのは、)

だがそこで、自分がしっかり勉強してきたのは、

(ちりとれきしとさんすうとぶんぽうだったことをおもいだし、)

地理と歴史と算数と文法だったことを思い出し、

(そのおとこのこにすこしむっとしながらえはかけない、とつげた。)

その男の子に(少しむっとしながら)絵は描けない、と告げた。

(おとこのこはこうこたえた。)

男の子はこう答えた。

(そんなのへいき。ひつじのえをかいて)

「そんなの平気。ヒツジの絵を描いて」

(ひつじのえなどかいたことがなかったので、)

ヒツジの絵など描いたことがなかったので、

(ぼくはじぶんにかけるたったふたつのえのうちの、)

僕は自分に描けるたったふたつの絵のうちの、

(ひとつをそのこにかいてみせた。)

ひとつをその子に描いてみせた。

(れいの、なかがみえないだいじゃぼあだ、)

例の、なかが見えない大蛇ボアだ、

(するとおとこのこはこういって、ぼくをひどくびっくりさせた。)

すると男の子はこう言って、僕をひどくびっくりさせた。

(ちがうちがう!ぼあにのまれたぞうなんていらないよ。)

「ちがうちがう!ボアに飲まれたゾウなんていらないよ。

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