風の又三郎 6

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プレイ回数777難易度(4.2) 3058打 長文
九月四日 上の野原①
宮沢賢治 作 全文
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 だだんどん 5928 A+ 6.6 90.3% 458.1 3040 324 66 2026/01/12

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問題文

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(くがつよっか、にちよう) 九 月 四 日 、日 曜 (つぎのあさ、そらはよくはれてたにがわはさらさらなりました。) 次の朝、空はよく晴れて谷川はさらさら鳴りました。 (いちろうはとちゅうでかすけとさたろうとえつじをさそって、) 一郎は途中で嘉助と佐太郎と悦治をさそって、 (いっしょにさぶろうのうちのほうへいきました。) 一緒に三郎のうちの方へ行きました。 (がっこうのすこしかりゅうでたにがわをわたって、) 学校の少し下流で谷川をわたって、 (それからきしでやなぎのえだをみんなでいっぽんづつおって、) それから岸でやなぎの枝をみんなで一本づつ折って、 (あおいかわをくるくるはいでむちをこしらえて、てでひゅうひゅうふりながら、) 青い皮をくるくるはいで鞭を拵えて、手でひゅうひゅう振りながら、 (うえののはらへのみちを、だんだんのぼっていきました。) 上の野原への路を、だんだんのぼって行きました。 (みんなははやくものぼりながら、いきをはあはあしました。) みんなは早くも登りながら、息をはあはあしました。 (「またさぶろうほんとにあそごのわきみずまできてまぢでるべが。」) 「又三郎ほんとにあそごの湧水まできて待ぢでるべが。」
(「まぢでるんだ。またさぶろううそこがなぃもな。」) 「待ぢでるんだ。又三郎偽(ウソ)こがなぃもな。」 (「あああつう、かぜふげばいいな。」) 「ああ暑う、風吹げばいいな。」 (「どごがらだがかぜふいでるぞ。」) 「どごがらだが風吹いでるぞ。」 (「またさぶろうふがせだらべも。」) 「又三郎吹がせだらべも。」 (「なんだがおひさんぼゃっとしてきたな。」) 「何だがお日さんぼゃっとしてきたな。」 (そらにすこしばかりのしろいくもがでました。そしてもうだいぶのぼっていました。) 空に少しばかりの白い雲が出ました。そしてもうだいぶのぼっていました。 (たにのみんなのいえがずうっとしたにみえ、) 谷のみんなの家がずうっと下に見え、 (いちろうのうちのきごやのやねがしろくひかっています。) 一郎のうちの木小屋の屋根が白く光っています。 (みちがはやしのなかにはいり、しばらくみちはじめじめして、) 路が林の中に入り、しばらく路はじめじめして、 (あたりはみえなくなりました。) あたりは見えなくなりました。
など
(そしてまもなく、みんなはやくそくのゆうすいのちかくにきました。) そして間もなく、みんなは約束の湧水の近くに来ました。 (するとそこから、) するとそこから、 (「おうい。みんなきたかい。」とさぶろうのたかくさけぶこえがしました。) 「おうい。みんな来たかい。」と三郎の高く叫ぶ声がしました。 (みんなはまるでせかせかとはしってのぼりました。) みんなはまるでせかせかと走ってのぼりました。 (むこうのまがりかどのところに、またさぶろうがちいさなくちびるをきっとむすんだまま、) むこうの曲り角の処に、又三郎が小さな唇をきっと結んだまま、 (さんにんのかけのぼってくるのをみていました。) 三人のかけ上って来るのを見ていました。 (さんにんはやっとさぶろうのまえまできました。) 三人はやっと三郎の前まで来ました。 (けれどもあんまりいきがはあはあして、すぐにはなにもいえませんでした。) けれどもあんまり息がはあはあして、すぐには何もいえませんでした。 (かすけなどはあんまりもどかしいもんですから、そらへむいて、) 嘉助などはあんまりもどかしいもんですから、空へ向いて、 (「ほっほう。」とさけんではやくいきをはいてしまおうとしました。) 「ホッホウ。」と叫んで早く息を吐いてしまおうとしました。 (するとさぶろうはおおきなこえでわらいました。) すると三郎は大きな声で笑いました。 (「ずいぶんまったぞ。それにきょうはあめがふるかもしれないそうだよ。」) 「ずいぶん待ったぞ。それに今日は雨が降るかもしれないそうだよ。」 (「そだらはやぐいぐべすさ。おらまんつみずのんでぐ。」) 「そだら早ぐ行ぐべすさ。おらまんつ水のんでぐ。」 (さんにんはあせをふいて、しゃがんでまっしろないわからこぼこぼふきだす、) 三人は汗をふいて、しゃがんでまっ白な岩からこぼこぼ噴きだす、 (つめたいみずをなんべんもすくってのみました。) 冷たい水を何べんもすくってのみました。 (「ぼくのうちはここからすぐなんだ。ちょうどあのたにのうえあたりなんだ。) 「ぼくのうちはここからすぐなんだ。ちょうどあの谷の上あたりなんだ。 (みんなでかえりによろうねえ。」) みんなで帰りに寄ろうねえ。」 (「うん。まんつのはらさいぐべすさ。」) 「うん。まんつ野原さ行ぐべすさ。」 (みんながまたあるきはじめたとき、わきみずはなにかをしらせるように、) みんながまたあるきはじめたとき、湧水は何かを知らせるように、 (ぐうっとなり、そこらのきもなんだかざあっとなったようでした。) ぐうっと鳴り、そこらの樹もなんだかざあっと鳴ったようでした。 (よにんははやしのすそのやぶのあいだをいったり、いわかけのちいさくくずれるところを、) 四人は林のすその藪の間を行ったり、岩かけの小さく崩れる所を、 (なんべんもとおったりして、もううえのはらのいりぐちにちかくなりました。) 何べんも通ったりして、もう上の原の入口に近くなりました。 (みんなはそこまでくると、きたほうからまたにしのほうをながめました。) みんなはそこまで来ると、来た方からまた西の方をながめました。 (ひかったりかげったり、いくとおりにもかさなったたくさんのおかのむこうに、) 光ったり陰ったり、幾通りにも重なったたくさんの丘のむこうに、 (かわにそったほんとうののはらが、ぼんやりあおくひろがっているのでした。) 川に沿ったほんとうの野原が、ぼんやりあおくひろがっているのでした。 (「ありゃ、あいづがわだぞ。」) 「ありゃ、あいづ川だぞ。」 (「かすがみょうじんさんのおびのようだな。」またさぶろうがいいました。) 「春日明神さんの帯のようだな。」又三郎がいいました。 (「なんのようだど。」いちろうがききました。) 「何のようだど。」一郎がききました。 (「かすがみょうじんさんのおびのようだ。」) 「春日明神さんの帯のようだ。」 (「うなかみさんのおびみだごとあるが。」) 「うな神さんの帯見だごとあるが。」 (「ぼくほっかいどうでみたよ。」) 「ぼく北海道で見たよ。」 (みんなはなんのことだかわからず、だまってしまいました。) みんなは何のことだかわからず、だまってしまいました。 (ほんとうにそこはもううえののはらのいりぐちで、) ほんとうにそこはもう上の野原の入口で、 (きれいにかられたくさのなかに、いっぽんのおおきなくりのきがたって、) きれいに刈られた草の中に、一本の巨きな栗の木が立って、 (そのみきはねもとのところがまっくろにこげて、おおきなほらのようになり、) その幹は根もとの所がまっ黒に焦げて、大きな洞のようになり、 (そのえだにはふるいなわや、きれたわらじなどがつるしてありました。) その枝には古い縄や、切れたわらじなどがつるしてありました。 (「もうすこしいぐづど、みんなしてくさかってるぞ。) 「もう少し行ぐづど、みんなして草刈ってるぞ。 (それがらうまのいるどごもあるぞ。」いちろうはいいながらさきにたって、) それがら馬のいるどごもあるぞ。」一郎はいいながら先に立って、 (かったくさのなかのいっぽんみちを、ぐんぐんあるきました。) 刈った草のなかの一ぽんみちを、ぐんぐん歩きました。 (さぶろうはそのつぎにたって、) 三郎はその次に立って、 (「ここにはくまいないから、うまをはなしておいてもいいなあ。」) 「ここには熊いないから、馬をはなして置いてもいいなあ。」 (といってあるきました。) といって歩きました。 (しばらくいくと、みちばたのおおきなならのきのしたに、) しばらく行くと、みちばたの大きな楢の木の下に、 (なわであんだふくろがなげだしてあって、) 縄で編んだ袋が投げ出してあって、 (たくさんのくさたばが、あっちにもこっちにもころがっていました。) 沢山の草たばが、あっちにもこっちにもころがっていました。 (せなかに「」をしょったにひきのうまが、いちろうをみてはなをぷるぷるならしました。) せなかに「」をしょった二匹の馬が、一郎を見て鼻をぷるぷる鳴らしました。
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