オオカミ王ロボ 5
シートン動物記
アーネスト・トムソン・シートン作
偕成社文庫
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問題文
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(あるとき、ひとりのかうぼーいが、)
あるとき、ひとりのカウボーイが、
(ろぼじいが、てしたをかりあつめるれいのこえをみみにして、そっとちかづいたことがある。)
ロボじいが、手下を駆り集める例の声を耳にして、そっと近づいたことがある。
(いってみると、くぼちにからんぽーのむほうものがあつまり、)
行ってみると、窪地にカランポーの無法者が集まり、
(うしのちいさないちぐんをいま、かりあつめているところだった。)
牛の小さな一群をいま、狩り集めているところだった。
(ろぼははなれて、こだかいところにすわり、ぶらんかがほかのものといっしょに、)
ロボは離れて、小高いところに座り、ブランカが他の者といっしょに、
(めをつけたわかいうしを、むれからひきはなそうとしていた。)
目をつけた若い牛を、群れから引き離そうとしていた。
(これにたいして、うしのほうはひとかたまりになってえんじんをつくり、)
これに対して、牛の方はひと塊になって円陣を作り、
(くびをそとにつきだし、つのをずらりとならべて、てきにたちむかっていた。)
首を外に突き出し、角をズラリと並べて、敵に立ち向かっていた。
(ならんだうしのどれかがおおかみのこうげきをおそれて、なかへにげこんだときしか、)
並んだ牛のどれかがオオカミの攻撃を恐れて、中へ逃げ込んだときしか、
(このまもりをやぶることはできない。)
この守りを破ることはできない。
(そういうすきをねらって、おおかみどもはすでにめあてのめうしに、)
そういうスキを狙って、オオカミどもはすでに目当ての牝牛に、
(いちげき、にげきをくわえてはいたが、これをたおすまでにはまだほどとおかった。)
一撃、二撃を加えてはいたが、これを倒すまでにはまだ程遠かった。
(てしたのこのだらしないありさまに、ろぼはとうとうしびれをきらしたとみえた。)
手下のこのだらしない有様に、ロボはとうとうしびれを切らしたと見えた。
(すわっていたおかからこしをあげると、おうはひくいうなりごえをあげながら、)
座っていた丘から腰を上げると、王は低い唸り声を上げながら、
(うしのむれにまっしぐらにとんだ。)
牛の群れにまっしぐらに飛んだ。
(ふるえあがったうしのれつのひとところが、くずれる。)
ふるえあがった牛の列のひとところが、崩れる。
(そこからろぼは、むれのまんなかにおどりこむ。)
そこからロボは、群れの真ん中に躍り込む。
(たちまちうしは、くものこをちらすようににげだした。)
たちまち牛は、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
(ねらわれためうしもはしったが、あわれ、じゅうめーとるといかないうちに、)
狙われた牝牛も走ったが、あわれ、十メートルと行かないうちに、
(ろぼにくらいつかれていた。)
ロボに食らいつかれていた。
など
(めうしのくびをつかんだろぼは、ぜんりょくをふるってえものをひきもどし、)
牝牛の首をつかんだロボは、全力をふるって獲物を引き戻し、
(じめんにたたきつけた。)
地面に叩きつけた。
(そのいきおいは、よほどすさまじいものだったにちがいない。)
その勢いは、よほど凄まじいものだったに違いない。
(わかいめうしはくるりとはらをだしてころがった。)
若い牝牛はクルリと腹を出して転がった。
(ろぼもひっくりかえったが、すぐたちなおり、)
ロボもひっくり返ったが、すぐ立ち直り、
(つぎのしゅんかんにはてしたどもがどっとおそいかかった。)
次の瞬間には手下どもがどっと襲いかかった。
(そして、またたくまにこれをころしてしまった。)
そして、またたくまにこれを殺してしまった。
(ろぼはなげとばしたあとはてをひいていて、)
ロボは投げ飛ばした後は手を引いていて、
(ただ、こういっているかのようだった。)
ただ、こう言っているかのようだった。
(「こののうなしぞろいめ。)
「この能無しぞろいめ。
(ぼやぼやせずに、このくらいのことが、どうしてできないんだ。」)
ぼやぼやせずに、このくらいのことが、どうしてできないんだ。」