第10章 奥入瀬渓流の声

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(とわだこのじけんからすうじつご。) 十和田湖の事件から数日後。 (あらたなちずがあらわれた。) 新たな地図が現れた。 (もくてきちはおいらせけいりゅうだった。) 目的地は奥入瀬渓流だった。 (きよらかなながれでしられるばしょである。) 清らかな流れで知られる場所である。 (さんにんはもりのみちをあるいた。) 三人は森の道を歩いた。 (かわのせせらぎがきこえる。) 川のせせらぎが聞こえる。 (こもれびがゆれている。) 木漏れ日が揺れている。 (みさきはうれしそうだった。) 美咲は嬉しそうだった。 (「ここすきなんだ」) 「ここ好きなんだ」 (「なんかおちつくよね」) 「なんか落ち着くよね」
(れんもめずらしくしずかだった。) 蓮も珍しく静かだった。 (だがもりのおくへすすむにつれいへんがおこる。) だが森の奥へ進むにつれ異変が起こる。 (かぜがやんだ。) 風が止んだ。 (とりのなきごえもきえた。) 鳥の鳴き声も消えた。 (しぜんのおとがきえてしまったのである。) 自然の音が消えてしまったのである。 (さんにんはたちどまった。) 三人は立ち止まった。 (ぶきみなちんもくだった。) 不気味な沈黙だった。 (そのとき。) その時。 (かわのむこうぎしにひとかげがみえた。) 川の向こう岸に人影が見えた。 (くろいこーとのおとこである。) 黒いコートの男である。
など
(おとこはほほえんだ。) 男は微笑んだ。 (「またあったな」) 「また会ったな」 (「おまえはだれなんだ!」) 「お前は誰なんだ!」 (かいとがさけぶ。) 海斗が叫ぶ。 (おとこはすこしかんがえてからこたえた。) 男は少し考えてから答えた。 (「いまはとうどうとよばれている」) 「今は東堂と呼ばれている」 (「きみたちのてきではない」) 「君たちの敵ではない」 (「だがみかたでもない」) 「だが味方でもない」 (いみふめいだった。) 意味不明だった。 (つぎのしゅんかん。) 次の瞬間。 (もりのおくからきょだいなしんどうがひびく。) 森の奥から巨大な振動が響く。 (じめんがゆれる。) 地面が揺れる。 (きぎがざわめく。) 木々がざわめく。 (まるでなにかがめざめたようだった。) まるで何かが目覚めたようだった。 (とうどうはめずらしくしんけんなひょうじょうになる。) 東堂は珍しく真剣な表情になる。 (「まずいな」) 「まずいな」 (「だいよんのかぎがさきにはんのうしたか」) 「第四の鍵が先に反応したか」 (さんにんはかおをみあわせた。) 三人は顔を見合わせた。 (そしておいらせけいりゅうのさらにおくへとはしりだした。) そして奥入瀬渓流のさらに奥へと走り出した。 (そこでは、あらたなしれんがまちうけていた。) そこでは、新たな試練が待ち受けていた。
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