銀河鉄道の夜 2

宮沢賢治 作
すぐお父さんの書斎から大きな本をもってきて、
ぎんがというところをひろげ、
まっ黒な頁いっぱいに白い点点のある美しい写真を
ふたりでいつまでも見たのでした。
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問題文
(じょばんにはまっかになってうなずきました。)
ジョバンニはまっ赤になってうなずきました。
(けれどもいつかじょばんにのめのなかにはなみだがいっぱいになりました。)
けれどもいつかジョバンニの目のなかには涙がいっぱいになりました。
(そうだぼくはしっていたのだ、)
そうだぼくは知っていたのだ、
(もちろんかむぱねるらもしっている、)
もちろんカムパネルラも知っている、
(それはいつかかむぱねるらのおとうさんのはかせのうちで、)
それはいつかカムパネルラのお父さんの博士のうちで、
(かむぱねるらといっしょによんだざっしのなかにあったのだ。)
カムパネルラといっしょに読んだ雑誌のなかにあったのだ。
(それどこでなくかむぱねるらは、そのざっしをよむと、)
それどこでなくカムパネルラは、その雑誌を読むと、
(すぐおとうさんのしょさいからおおきなほんをもってきて、)
すぐお父さんの書斎から大きな本をもってきて、
(ぎんがというところをひろげ、)
ぎんがというところをひろげ、
(まっくろなぺーじいっぱいにしろいてんてんのあるうつくしいしゃしんを)
まっ黒な頁いっぱいに白い点点のある美しい写真を
(ふたりでいつまでもみたのでした。)
ふたりでいつまでも見たのでした。
(それをかむぱねるらがわすれるはずもなかったのに、)
それをカムパネルラが忘れるはずもなかったのに、
(すぐにへんじをしなかったのは、)
すぐに返事をしなかったのは、
(このごろぼくが、あさにもごごにもしごとがつらく、)
このごろぼくが、朝にも午後にも仕事がつらく、
(がっこうにでても、もうみんなともはきはきあそばず、)
学校に出ても、もうみんなともはきはき遊ばず、
(かむぱねるらともあんまりものをいわないようになったので、)
カムパネルラともあんまり物をいわないようになったので、
(かむぱねるらがそれをしってきのどくがって)
カムパネルラがそれを知って気の毒がって
(わざとへんじをしなかったのだ、)
わざと返事をしなかったのだ、
(そうかんがえるとたまらないほど、)
そう考えるとたまらないほど、
(じぶんもかむぱねるらもあわれなようなきがするのでした。)
じぶんもカムパネルラもあわれなような気がするのでした。
(せんせいはまたいいました。)
先生はまたいいました。
(「ですからもしもこのあまのがわがほんとうにかわだとかんがえるなら、)
「ですからもしもこの天の川がほんとうに川だと考えるなら、
(そのひとつひとつのちいさなほしはみんな)
その一つ一つの小さな星はみんな
(そのかわのそこのすなやじゃりのつぶにもあたるわけです。)
その川の底の砂や砂利の粒にもあたるわけです。
(またこれをおおきなちちのながれとかんがえるなら)
またこれを大きな乳の流れと考えるなら
(もっとあまのがわとよくにています。)
もっと天の川とよく似ています。
(つまりそのほしはみな、ちちのなかにまるでこまかにうかんでいる)
つまりその星はみな、乳のなかにまるで細かにうかんでいる
(しゆのたまにもあたるのです。)
脂油の珠にもあたるのです。
(そんならなにがそのかわのみずにあたるかといいますと、)
そんなら何がその川の水にあたるかといいますと、
(それはしんくうという、ひかりをあるはやさでつたえるもので、)
それは真空という、光をある速さで伝えるもので、
(たいようやちきゅうもやっぱりそのなかにうかんでいるのです。)
太陽や地球もやっぱりそのなかに浮かんでいるのです。
(つまりはわたくしどももあまのがわのみずのなかにすんでいるわけです。)
つまりは私どもも天の川の水の中にすんでいるわけです。
(そしてそのあまのがわのみずのなかからしほうをみると、)
そしてその天の川の水の中から四方を見ると、
(ちょうどみずがふかいほどあおくみえるように、)
ちょうど水が深いほど青く見えるように、
(あまのがわのそこのふかくとおいところほどほしがたくさんあつまってみえ、)
天の川の底の深く遠いところほど星がたくさん集まって見え、
(したがってしろくぼんやりみえるのです。)
したがって白くぼんやり見えるのです。
(このもけいをごらんなさい。」)
この模型をごらんなさい。」