グロースターの仕立屋 4/13

ベアトリクス・ポター 作
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問題文
(したてやは、つかれはて、きぶんがわるくなってきた。)
仕立屋は、疲れ果て、気分が悪くなってきた。
(そして、ろのまえにすわると、)
そして、炉の前に座ると、
(また、りっぱなふくのことをひとりでつぶやきはじめた。)
また、立派な服のことをひとりでつぶやき始めた。
(「これで、かねもできるだろう・・・ななめにもたった・・・)
「これで、金もできるだろう・・・斜めにも裁った・・・
(ぐろーすたーのしちょうどのは、くりすますのあさに、ごこんれい。)
グロースターの市長どのは、クリスマスの朝に、ご婚礼。
(わしは、しちょうどのから、)
わしは、市長どのから、
(うわぎとししゅうのついたちょっきのごちゅうもんをいただいた・・・)
上着と刺繍のついたチョッキのご注文をいただいた・・・
(ちょっきのうらは、きいろのたふた・・・)
チョッキの裏は、黄色のタフタ・・・
(たふたのながさは、ぎりぎりいっぱい・・・)
タフタの長さは、ぎりぎりいっぱい・・・
(あまりぎれでできるのは、ねずみのけーぷぐらいなもの。」)
余りぎれでできるのは、ねずみのケープぐらいなもの。」
(そのとき、したてやははっとした。)
そのとき、仕立屋はハッとした。
(とつぜん、うしろのかべぎわのしょっきだなのほうから、ちいさなきみょうなものおとが、)
突然、後ろの壁際の食器棚の方から、小さな奇妙な物音が、
(たくさんきこえてきたからだ。)
たくさん聞こえてきたからだ。
(かたこと、かたこと、かたことかた!)
カタコト、カタコト、カタコトカタ!
(「さて、あれはいったいなにのおと?」といって、)
「さて、あれはいったい何の音?」といって、
(したてやはいすからとびあがった。)
仕立屋はいすから飛び上がった。
(しょっきだなのうえには、せともののるい、)
食器棚の上には、瀬戸物のるい、
(こうちゃぢゃわんにじょっきなどが、いっぱいならんでいた。)
紅茶茶碗にジョッキなどが、いっぱい並んでいた。
(したてやは、しょっきだなのところまであるいていき、みみをすまし、)
仕立屋は、食器棚のところまで歩いていき、耳を澄まし、
(めがねをかけためをこらして、しずかにじっとたっていた。)
メガネをかけた目をこらして、静かにじっと立っていた。
(すると、ひとつのちゃわんのしたから、また、あのおかしなおとが・・・)
すると、ひとつの茶碗の下から、また、あのおかしな音が・・・
(かたこと、かたこと、かたことかた!)
カタコト、カタコト、カタコトカタ!
(「これはきみょうな!」)
「これは奇妙な!」
(ぐろーすたーのしたてやはこういって、)
グロースターの仕立屋はこういって、
(ふせてあったこうちゃぢゃわんをもちあげてみた。)
ふせてあった紅茶茶碗を持ち上げてみた。
(すると、でてきたのはちいさなげんきな、ごふじんねずみで、)
すると、出てきたのは小さな元気な、ご婦人ねずみで、
(ねずみはしたてやにむかって、こしをかがめてえしゃくした!)
ねずみは仕立屋に向かって、腰をかがめて会釈した!
(それから、たなからぽんととびおり、はめいたのあなのなかにきえていった。)
それから、棚からポンと飛び降り、羽目板の穴の中に消えていった。