魯迅 阿Q正伝その2
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問題文
(こまかくせんさくすると、かれはしゅうさいよりもめうえだとかたった。)
こまかく詮索すると、彼は秀才よりも目上だと語った。
(このときそばにきいていたひとたちはしゅくぜんとしていささかけいいをはらった。)
この時そばに聴いていた人達は粛然としていささか敬意を払った。
(ところが2にちめにはむらやくにんがあきゅうをよびにきてちょうけにつれていった。)
ところが2日目には村役人が阿Qを呼びに来て趙家に連れて行った。
(ちょうだんなはかれをひとめみるとかおじゅうまっかにしてどなった。)
趙太爺は彼を一目見ると顔じゅう真っ赤にして怒鳴った。
(「あきゅう!きさまはなんとぬかした。おまえがおれのごほんけか。たわけめ」)
「阿Q! キサマは何とぬかした。お前が俺の御本家か。たわけめ」
(あきゅうはだまっていた。)
阿Qは黙っていた。
(ちょうだんなはみればみるほどしゃくにさわって2,3ぽまえにおしだし)
趙太爺は見れば見るほど癪に障って2,3歩前に押し出し
(「でたらめもいいかげんにしろ。おまえのようなやつがいっかにあるわけがない。)
「デタラメもいい加減にしろ。お前のような奴が一家にあるわけがない。
(おまえのせいはちょうというのか」)
お前の姓は趙というのか」
(あきゅうはだまってみをうしろにひこうとしたとき、ちょうだんなははやくもとびかかって、)
阿Qは黙って身を後ろに引こうとした時、趙太爺は早くも飛びかかって、
(ぴしゃりと1つくれた。)
ぴしゃりと1つくれた。
(「おまえは、どうしてちょうというせいがわかった。どこからそのせいをわけた」)
「お前は、どうして趙という姓がわかった。どこからその姓を分けた」
(あきゅうはかれがちょうせいであるかくしょうをべんかいもせずに、ただてをもって)
阿Qは彼が趙姓である確証を弁解もせずに、ただ手をもって
(ひだりのほおをなでながらむらやくにんといっしょにたいしゅつした。)
左の頬を撫でながら村役人と一緒に退出した。
(そとへでるとまたむらやくにんからひととおりおこごとをきいて、)
外へ出るとまた村役人から一通りお小言をきいて、
(200もんのわいろをだしてむらやくにんにおわびをした。)
200文のワイロを出して村役人にお詫びをした。
(このはなしをきいたものはみないった。あきゅうはじつにでたらめなやつだ。)
この話を聴いた者は皆言った。阿Qは実に出鱈目な奴だ。
(じぶんでなぐられるようなことをしでかしたんだ。)
自分で殴られるようなことを仕出かしたんだ。
(かれはちょうだかなんだかしれたもんじゃない。)
彼は趙だか何だか知れたもんじゃない。
(よしほんとうにちょうであっても、ちょうだんながここにいるいじょうは、)
よし本当に趙であっても、趙太爺がここにいる以上は、
(そんなたわごとをいってはけしからん。)
そんなたわごとを言ってはけしからん。
(それからというものはかれのみょうじをもちだすものがなくなって、)
それからというものは彼の苗字を持ち出す者が無くなって、
(あきゅうはついになにせいであるか、つきとめることができなかった。)
阿Qは遂に何姓であるか、突きとめることが出来なかった。
(だい3、わたしはまた、あきゅうのなまえをどうかいていいかしらない。)
第3、わたしはまた、阿Qの名前をどう書いていいか知らない。
(かれがいきているあいだは、ひとはみなあqueiとよんだ。)
彼が生きている間は、人は皆阿 Quei と呼んだ。
(しんだあとではもうだれひとりあqueiのうわさをするものがないので、)
死んだあとではもう誰1人阿 Quei の噂をする者がないので、
(どうして「これをちくはくにしるす」ことができよう。)
どうして「これをちくはくに記す」ことが出来よう。
(「これちくはくにしるす」ことからいえば、このいっぺんのぶんしょうがかわきりであるから、)
「これちくはくに記す」ことから言えば、この一編の文章が皮切りであるから、
(まず、だい1のなんかんにぶつかるのである。わたしはつくづくかんがえてみると、)
まず、第1の難関にぶつかるのである。わたしはつくづく考えてみると、
(あqueiは、あくいあるいはあくいかもしれない。)
阿 Quei は、阿桂あるいは阿貴かもしれない。
(もしかれにげっていというごうがあって、)
もし彼に月亭という号があって、
(あるいはうまれたつきひが8がつのなかごろであったなら、)
あるいは生れた月日が8月の中頃であったなら、
(それこそあくいにちがいない。)
それこそ阿桂に違いない。
(しかしかれにはごうがない。)
しかし彼には号がない。
(ごうがあったかもしれないが、それをしっているひとはない。)
号があったかもしれないが、それを知っている人は無い。
(そうしてせいねんがっぴをかいたてちょうなどどこにものこっていないのだから、)
そうして生年月日を書いた手帖などどこにも残っていないのだから、
(あくいときめてしまうのはあんまりらんぼうだ。)
阿桂ときめてしまうのはあんまり乱暴だ。
(もしまたかれにひとりのきょうだいがあってあふとなのっていたら、)
もしまた彼に1人の兄弟があって阿富と名乗っていたら、
(それこそきっとあくいにちがいない。しかしかれはまったくのひとりものであってみると、)
それこそきっと阿貴に違いない。しかし彼は全くの独り者であってみると、
(あくいとすべきしょうこがない。)
阿貴とすべき証拠がない。
(そのたqueiとはつおんするもじは)
その他 Quei と発音する文字は
(みなへんてこないみがふくまれいっそうはまりがわるい。)
皆ヘンテコな意味が含まれいっそうハマりが悪い。