半七捕物帳 少年少女の死4

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投稿者投稿者さうっちゃんいいね1お気に入り登録
プレイ回数514難易度(4.5) 1908打 長文
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 すもさん 5771 A+ 6.0 95.6% 324.5 1963 90 30 2024/02/29
2 にこーる 5118 B+ 5.3 96.6% 378.2 2005 69 30 2024/04/16

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問題文

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(このじだいのひとたちはかみかくしということをしんじていた。じっさいそんなことでも)

この時代の人たちは神隠しということを信じていた。実際そんなことでも

(かんがえなければ、このふしぎをかいしゃくするすべがなかった。かみかてんぐの)

考えなければ、この不思議を解釈する術がなかった。神か天狗の

(しわざでなければ、こんなふしぎをみせられるどうりがない。ししょうもしまいには)

仕業でなければ、こんな不思議を見せられる道理がない。師匠もしまいには

(なきだした。ほかのこどももいっしょになきだした。このさわぎがにかいにもひろがって、)

泣き出した。ほかの子供も一緒に泣き出した。この騒ぎが二階にもひろがって、

(けんぶつせきのひとたちもめいめいのこどもをあんじて、どやどやとおりてきた。)

見物席の人達もめいめいの子供を案じて、どやどやと降りて来た。

(はなやかなおどりのがくやはきょうふとこんらんのちまたとなった。)

華やかな踊りの楽屋は恐怖と混乱の巷となった。

(「きょうのおさらいはあんまりけいきがよすぎたから、こんないたずらを)

「きょうのお浚いはあんまり景気が好過ぎたから、こんな悪戯を

(されたのかもしれない」と、てんぐをおそれるようにささやくものもあった。)

されたのかも知れない」と、天狗を恐れるようにささやく者もあった。

(そこへきあわせたのははんしちであった。かれもししょうからてぬぐいをもらったぎりが)

そこへ来合わせたのは半七であった。彼も師匠から手拭を貰った義理が

(あるので、いくらかのもくろくづつみをもってちょうばへかおをだすと、ちょうどそのそうどうの)

あるので、幾らかの目録づつみを持って帳場へ顔を出すと、丁度その騒動の

(まんなかへとびこんだのであった。はんしちはそのはなしをきかされまゆをよせた。)

まん中へ飛び込んだのであった。半七はその話を聞かされ眉を寄せた。

(「ふうむ。そりゃあおかしいな。まあ、なにしろししょうにあって)

「ふうむ。そりゃあおかしいな。まあ、なにしろ師匠に逢って

(よくきいてみよう」)

よく訊いてみよう」

(おくへとおると、かれはみつやっこととくべえとにさゆうからとりまかれた。)

奥へ通ると、かれは光奴と徳兵衛とに左右から取り巻かれた。

(「おやぶんさん。どうかしてくださいませんか。あたしはほんとうにやまとやのだんなに)

「親分さん。どうかして下さいませんか。あたしはほんとうに大和屋の旦那に

(もうしわけないんですから」と、みつやっこはなきながらうったえた。)

申し訳ないんですから」と、光奴は泣きながら訴えた。

(「さあ、どうもとんだことになったねえ」)

「さあ、どうも飛んだことになったねえ」

(はんしちもうでをくんでかんがえていた。かれはおていのかわいらしいむすめであることを)

半七も腕をくんで考えていた。彼はおていの可愛らしい娘であることを

(しっているので、おそらくこのこんざつにまぎれてかのじょをひっさらっていったものが)

知っているので、おそらくこの混雑にまぎれて彼女を引っ攫って行った者が

(あるにそういないとかんていした。かみかくしばかりでなく、ひとさらいということも)

あるに相違ないと鑑定した。神隠しばかりでなく、人攫いということも

など

(このじだいにはおおかった。はんしちはまずこのひとさらいにめをつけたが、)

此の時代には多かった。半七は先ずこの人攫いに眼をつけたが、

(そうなるとてがかりはよほどむずかしい。はじめからおていをねらっていた)

そうなると手がかりは余ほどむずかしい。初めからおていを狙っていた

(ものならばかくべつ、まんいちこのこんざつにまぎれていしょうでもなんでもてあたりしだいに)

ものならば格別、万一この混雑にまぎれて衣裳でも何でも手あたり次第に

(ぬすみだすつもりで、にわぐちからひそかにしのびこんだにんげんが、ぐうぜんそこにいる)

盗み出すつもりで、庭口からひそかに忍び込んだ人間が、偶然そこにいる

(うつくしいしょうじょをみつけて、ふとしたできごころでかのじょをかどわかしていったものとすると、)

美しい少女を見つけて、ふとした出来心で彼女を拐引して行ったものとすると、

(そのたんさくはめんどうである。しかしこどもとはいいながら、おていはもう)

その探索は面倒である。しかし子供とはいいながら、おていはもう

(ここのつであるいじょう、なんとかこえでもたてそうなものである。こえをたてれば)

九つである以上、なんとか声でも立てそうなものである。声を立てれば

(そこらにはおおぜいのひとがいる。こえもたてさせずにふいにひっさらって)

其処らには大勢の人がいる。声も立てさせずに不意に引っ攫って

(ゆくというのは、よほどしごとになれたものでなければできない。)

ゆくというのは、余ほど仕事に馴れた者でなければ出来ない。

(はんしちはこころあたりのきょうじょうもちをそれからそれへとかぞえてみた。)

半七は心あたりの兇状持ちをそれからそれへと数えてみた。

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