半七捕物帳 弁天娘7

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投稿者投稿者さうっちゃんいいね0お気に入り登録
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岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第13話
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 すもさん 5833 A+ 6.1 95.1% 392.7 2415 124 40 2024/04/14

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問題文

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(りょうごくばしをわたってほんじょへはいると、とくぞうのうちはあいおいちょうにちょうめにあった。)

両国橋を渡って本所へはいると、徳蔵の家は相生町二丁目にあった。

(まぐちはせまいが、ともかくもおもてだなで、きょうはもちろんしょうばいをやすんでいるらしかった。)

間口は狭いが、ともかくも表店で、きょうは勿論商売を休んでいるらしかった。

(きんじょのあらものやできくと、とくぞうはおとめというにょうぼうとふたりぐらしで、)

近所の荒物屋できくと、徳蔵はお留という女房と二人ぐらしで、

(とくぞうがばんだいをかついでしょうばいにでたるすは、おとめがみせのあきないを)

徳蔵が盤台をかついで商売に出た留守は、お留が店の商いを

(しているのであった。ていしゅもよくかせぎ、にょうぼうもかいがいしくはたらくので、)

しているのであった。亭主もよく稼ぎ、女房もかいがいしく働くので、

(こがねはためているらしい。あのひとたちはいまにしんじょうを)

小金は溜めているらしい。あの人達は今に身上(しんじょう)を

(しいだすであろうと、あらものやのおかみさんはうらやましそうにはなした。)

仕出(しいだ)すであろうと、荒物屋のおかみさんは羨ましそうに話した。

(とくぞうのにょうぼうはよしわらのかしみせのつとめあがりで、)

徳蔵の女房は吉原の河岸店(かしみせ)の勤めあがりで、

(ねんあきののちに、とくぞうのところへころげこんできたのである。)

年(ねん)あきの後に、徳蔵のところへ転げ込んで来たのである。

(ていしゅよりもよっつとしうえで、ことしにじゅうくになるが、しょうばいあがりにはめずらしいくらいに)

亭主よりも四つ年上で、今年二十九になるが、商売あがりには珍しい位に

(かいがいしいおんなで、なりにもふりにもかまわずにあさからばんまでよくはたらく。)

かいがいしい女で、服装(なり)にも振りにも構わずに朝から晩までよく働く。

(とくさんはよいおかみさんをもってしあわせだと、これもきんじょに)

徳さんは良いおかみさんを持って仕合わせだと、これも近所に

(うらやまれているとのことであった。)

羨まれているとのことであった。

(はんしちはあらものやをでて、さらにほかのうちできいてみたが、きんじょのうわさは)

半七は荒物屋を出て、更にほかの家で訊いてみたが、近所の噂は

(みないっちしていて、だれもさかなやのふうふをわるくいうものはなかった。)

みな一致していて、誰も魚屋の夫婦を悪くいう者はなかった。

(それほどひょうばんのいいとくぞうがねもないことをいいがかりにして、)

それほど評判のいい徳蔵が根もないことを云いがかりにして、

(おとうとのしゅじんのみせへねじこんでいこうとはおもわれなかったが、)

弟の主人の店へねじ込んで行こうとは思われなかったが、

(それにしてもさんびゃくりょうというたいきんをねだるのはすこしほうがいであるとはんしちはおもった。)

それにしても三百両という大金をねだるのは少し法外であると半七は思った。

(もちろん、ひとのいのちにそうばはない。せんりょうまんりょうといわれてもしかたがないのであるが、)

勿論、人の命に相場はない。千両万両といわれても仕方がないのであるが、

(それほどしょうじきもののとくぞうがじぶんのほうからかねだかをきりだして、)

それほど正直者の徳蔵が自分の方から金高を切り出して、

など

(ゆすりがましいことをいいかけるのがどうものみこめないように)

強請(ゆすり)がましいことを云いかけるのがどうも吞み込めないように

(おもわれてならなかった。)

思われてならなかった。

(このうえはしょうめんからさかなやへおしかけて、とくぞうふうふのようすをさぐるより)

この上は正面から魚屋へ押し掛けて、徳蔵夫婦の様子を探るより

(ほかはないとおもったので、はんしちはそこらのかみやへよって、)

ほかは無いと思ったので、半七はそこらの紙屋へ寄って、

(くろいみずひきとかみとをかってこうでんのつつみをこしらえた。)

黒い水引(みずひき)と紙とを買って香奠(こうでん)の包みをこしらえた。

(それをふところにしてとくぞうのみせへゆくと、せまいうちのなかにはきんじょのひとらしいのが)

それをふところにして徳蔵の店へゆくと、狭い家のなかには近所の人らしいのが

(ご、ろくにんつめかけていて、せんこうのにおいがうちじゅうにただよっていた。)

五、六人つめ掛けていて、線香の匂いが家じゅうにただよっていた。

(「ごめんなさい」)

「ごめんなさい」

(こえをかけると、ひとりのおんながたってきた。さんじゅうにちかい、いろのあおじろい、)

声をかけると、一人の女が起って来た。三十に近い、色の蒼白い、

(やせぎすのにょうぼうで、それがおとめであるらしいことをはんしちはすぐにみてとった。)

痩せぎすの女房で、それがお留であるらしいことを半七はすぐに看て取った。

(「こちらはさかなやのとくぞうさんでございますか」)

「こちらは魚屋の徳蔵さんでございますか」

(「はい」と、おんなはていねいにこたえた。)

「はい」と、女は丁寧に答えた。

(「ごていしゅはおうちですか」 「やどはただいまでましてございます」)

「御亭主はお内ですか」 「やどは唯今出ましてございます」

(「さようでございますか」と、はんしちはちゅうちょしながらいいだした。)

「左様でございますか」と、半七は躊躇しながら云い出した。

(「じつはわたくしはそとかんだのやましろやさんのちょうないにいるものでございますが、)

「実はわたくしは外神田の山城屋さんの町内にいるものでございますが、

(うけたまわればこちらのとくじろうさんはどうもとんだことで・・・・・・。)

うけたまわればこちらの徳次郎さんはどうも飛んだことで……。

(わたくしもごきんじょで、とくじろうさんとはふだんからごこんいにいたして)

わたくしも御近所で、徳次郎さんとはふだんから御懇意にいたして

(おりましたので、ちょっとおせんこうをあげにでました」)

居りましたので、ちょっとお線香をあげに出ました」

(「それは、それはありがとうございます。きたないところでは)

「それは、それはありがとうございます。穢(きたな)いところでは

(ございますが、どうぞこちらへ・・・・・・」)

ございますが、どうぞこちらへ……」

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