『妖怪博士』江戸川乱歩11

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プレイ回数462難易度(4.7) 4598打 長文 長文モードのみ
少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
※分かりやすくする為、表記等を一部改変しております

○少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
前回→https://typing.twi1.me/game/369866
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初回→https://typing.twi1.me/game/369844

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第1作品→https://typing.twi1.me/game/314206
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 sai 8479 8.7 97.2% 524.2 4573 128 99 2024/05/26
2 おっ 8200 8.4 96.7% 533.4 4525 151 99 2024/06/20
3 berry 7848 8.0 97.8% 559.2 4489 100 99 2024/05/14
4 subaru 7559 7.9 95.8% 573.3 4531 197 99 2024/05/15
5 HAKU 7252 7.5 95.7% 604.6 4588 203 99 2024/05/13

関連タイピング

問題文

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(「おい、これからあけちせんせいのじむしょへいって)

「おい、これから明智先生の事務所へ行って

(みないか。こばやしさんにあってそうだんすれば、なにか)

みないか。小林さんに会って相談すれば、なにか

(うまいかんがえがあるかもしれないぜ」うえむらくんがふと)

上手い考えがあるかもしれないぜ」上村君がふと

(おもいついて、さけぶようにいいました。「うん、)

思いついて、叫ぶように言いました。「うん、

(そうしよう。こばやしさんも、ぼくたちにあいたがって)

そうしよう。小林さんも、ぼくたちに会いたがって

(いるかもしれないよ」さいとうくんがさんせいすると、おおのくんも)

いるかもしれないよ」斎藤君が賛成すると、大野君も

(「それがいい、それがいい」とどういしました。)

「それがいい、それがいい」と同意しました。

(あけちたんていじむしょは、おなじあざぶのりゅうどちょうにあるので、)

明智探偵事務所は、同じ麻布の竜土町にあるので、

(あるいていってもわけはありません。そこで、いよいよ)

歩いて行っても訳はありません。 そこで、いよいよ

(しょうねんたんていだんちょうのこばやしくんをたずねることにきめて、)

少年探偵団長の小林君をたずねることに決めて、

(さんにんがあしをはやめたときでした。うしろから、だれかが)

三人が足を早めた時でした。後ろから、だれかが

(おっかけるようにちかづいてきて、とつぜんさんにんにこえを)

追っかけるように近づいて来て、突然三人に声を

(かけました。「ちょっと、きみたちあいかわたいじくんの)

かけました。「ちょっと、きみたち相川泰二君の

(おともだちでしょう。そして、しょうねんたんていだんのだんいん)

お友だちでしょう。そして、少年探偵団の団員

(でしょう」びっくりしてふりむくと、すぐうしろに)

でしょう」 ビックリして振り向くと、すぐ後ろに

(さんじゅうし、ごさいのたくしーうんてんしゅみたいなひとがたって)

三十四、五歳のタクシー運転手みたいな人が立って

(いました。かいしゃのせいふくをきて、おおきなきんもーるの)

いました。会社の制服を着て、大きな金モールの

(ぼうしょうがついたぼうしをかぶって、にこにことわらっている)

帽章がついた帽子をかぶって、ニコニコと笑っている

(のです。「ええ、そうです。なにかごようですか」)

のです。「ええ、そうです。なにかご用ですか」

(たちどまってききかえすと、うんてんしゅはみぎのてのひらに)

立ち止まって聞き返すと、運転手は右のてのひらに

など

(なにかのせて、さんにんのめのまえにさしだしながら、)

なにか載せて、三人の目の前に差し出しながら、

(「これ、きみたち、たんていだんのばっじじゃないですか」)

「これ、きみたち、探偵団のバッジじゃないですか」

(と、たずねました。みれば、いかにもそれは、)

と、たずねました。 見れば、いかにもそれは、

(しょうねんたんていだんのbdばっじでした。bdばっじというのは、)

少年探偵団のbdバッジでした。 bdバッジというのは、

(ぜんさくの「しょうねんたんていだん」をおよみになったかたはごぞんじ)

前作の「少年探偵団」をお読みになった方はご存知

(でしょうが、こばやしくんのこうあんで、「しょうねん」と「たんてい」に)

でしょうが、小林君の考案で、「少年」と「探偵」に

(あたるえいごのかしらもじbとdをくみあわせたもので、)

あたる英語の頭文字bとdを組み合わせたもので、

(なまりでできたひゃくえんぎんかほどのおおきさのめだるです。)

鉛で出来た百円銀貨ほどの大きさのメダルです。

(これをたくさんつくって、かくだんいんがさんじゅうまいずつほど)

これをたくさん作って、各団員が三十枚ずつほど

(もっているのです。ばっじならみんながひとつずつ)

持っているのです。 バッジならみんなが一つずつ

(もっていればよさそうなものですが、それをにじゅうまいも)

持っていれば良さそうなものですが、それを二十枚も

(さんじゅうまいもよういしているのにはわけがあったのです。)

三十枚も用意しているのには訳があったのです。

(だんいんのひとりがほかのだんいんに、あるばしょをしらせようと)

団員の一人が他の団員に、ある場所を知らせようと

(するときに、そのみちすじのところどころへばっじをおとして)

する時に、その道筋の所々へバッジを落として

(おけば、きらきらぎんいろにひかっているので、めじるしになる)

おけば、キラキラ銀色に光っているので、目印になる

(のです。げんにこばやしくんがかいじんにじゅうめんそうにつかまり、)

のです。 現に小林君が怪人二十面相に捕まり、

(おそろしいみずぜめにあったとき、このばっじの)

恐ろしい水責めにあった時、このバッジの

(おかげで、そのゆくえがわかり、ぶじにすくわれたという)

おかげで、その行方が分かり、無事に救われたという

(じじつさえあるのです。そのばっじを、みしらぬじどうしゃ)

事実さえあるのです。そのバッジを、見知らぬ自動車

(うんてんしゅがもっているのをみると、さんにんはおもわずかおを)

運転手が持っているのを見ると、三人は思わず顔を

(みあわせました。「ええ、それbdばっじっていうん)

見合わせました。「ええ、それbdバッジっていうん

(です。ぼくたちのばっじです。あなたはどうして)

です。ぼくたちのバッジです。あなたはどうして

(それをもっているんですか」うえむらくんがうたがわしげに)

それを持っているんですか」 上村君が疑わしげに

(たずねると、みょうなうんてんしゅはにこにこしてこたえ)

たずねると、みょうな運転手はニコニコして答え

(ました。「ひろったんですよ」「え、ひろったの。どこで)

ました。「拾ったんですよ」「え、拾ったの。どこで

(ですか」「このへんじゃありません。ずっととおいところ)

ですか」「このへんじゃありません。ずっと遠い所

(です。だから、きみたちがおとしたのをひろったわけでは)

です。だから、きみたちが落としたのを拾った訳では

(ないですよ」「とおいところってどこですか」「あざぶです)

ないですよ」「遠い所ってどこですか」「麻布です

(がね、ぼくもまちのなははっきりしらないんですよ。)

がね、ぼくも町の名はハッキリ知らないんですよ。

(いけばわかるんだけど」「じゃ、いまでも、これが)

行けば分かるんだけど」「じゃ、今でも、これが

(おちていたところをちゃんとおぼえているんですね」)

落ちていた所をちゃんと憶えているんですね」

(「ええ、おぼえてますとも。みょうなあかれんがのようかんの)

「ええ、憶えてますとも。みょうな赤レンガの洋館の

(まえでしたよ」それをきくとさんにんのしょうねんたちは、また)

前でしたよ」それを聞くと三人の少年たちは、また

(いみありげに、めとめをみあわせるのでした。)

意味ありげに、目と目を見合わせるのでした。

(「へびやしき」)

「ヘビ屋敷」

(もしかしたら、そのあかれんがのようかんのまえにおちていた)

もしかしたら、その赤レンガの洋館の前に落ちていた

(bdばっじは、ゆくえふめいのあいかわたいじくんのぽけっとから)

bdバッジは、行方不明の相川泰二君のポケットから

(でたものではないのか。そしてたいじくんは、そのようかんの)

出た物ではないのか。そして泰二君は、その洋館の

(なかに、とらわれているのではないか。さんにんのしょうねんは、)

中に、とらわれているのではないか。三人の少年は、

(ふとそうおもいました。じっさいは、そうではないのかも)

ふとそう思いました。実際は、そうではないのかも

(しれません。でもいちおう、たしかめてみないとわからない)

しれません。でも一応、確かめてみないと分からない

(のです。「おじさん、じゃ、いまからぼくたちを、その)

のです。「おじさん、じゃ、今からぼくたちを、その

(ようかんのまえへつれていってくれませんか」さいとうくんが)

洋館の前へ連れて行ってくれませんか」斎藤君が

(みなのおもいをさっして、うんてんしゅにたのんでみました。)

みなの思いを察して、運転手に頼んでみました。

(「そうかい。いってみるのか。ぼくもね、なんだか)

「そうかい。行ってみるのか。ぼくもね、なんだか

(そんなきがするんだよ。あのようかんにあいかわのぼっちゃんが)

そんな気がするんだよ。あの洋館に相川の坊ちゃんが

(いるんじゃないかって」「ええ、だから、ぼくたちも)

居るんじゃないかって」「ええ、だから、ぼくたちも

(いってみようとおもうんです。おじさん、おねがいです。)

行ってみようと思うんです。おじさん、お願いです。

(はやくそこへつれていってください」「ああ、いい)

早くそこへ連れて行ってください」「ああ、いい

(とも。それじゃ、ぼくのくるまにのってくれ。すぐちかくの)

とも。それじゃ、ぼくの車に乗ってくれ。すぐ近くの

(よこちょうにおいてあるんだよ」うんてんしゅはこころよくさんにんのたのみを)

横町に置いてあるんだよ」 運転手は快く三人の頼みを

(しょうちして、すぐうしろのよこちょうをゆびさしました。あたり)

承知して、すぐ後ろの横町を指さしました。 あたり

(には、もうゆうぐれのうすやみがせまっていました。それに、)

には、もう夕暮れの薄闇が迫っていました。それに、

(そのへんはおおきなやしきのへいばかりがつづいている、たいへん)

そのへんは大きな屋敷の塀ばかりが続いている、大変

(さびしいまちで、ひとどおりもほとんどありません。うんてんしゅに)

寂しい町で、人通りもほとんどありません。運転手に

(ついて、そのよこちょうへいってみると、どこかのやしきの)

ついて、その横町へ行ってみると、どこかの屋敷の

(たかいこんくりーとべいのまえに、あまりあたらしくないいちだいの)

高いコンクリート塀の前に、あまり新しくない一台の

(じどうしゃが、ものさびしくとまっていました。うんてんしゅが)

自動車が、物寂しく停まっていました。 運転手が

(きゃくせきのどあをひらいてくれたので、さんにんのしょうねんは)

客席のドアをひらいてくれたので、三人の少年は

(そのなかにはいり、よごれたくっしょんのうえにこみあって)

その中に入り、よごれたクッションの上に込み合って

(ならびました。どくしゃしょくん、このしょうねんたちは、すこしかんがえが)

並びました。 読者諸君、この少年たちは、少し考えが

(たりなかったのではないでしょうか。ばっじがおちて)

足りなかったのではないでしょうか。バッジが落ちて

(いたばしょをたしかめてみることはひつようでしょうが、)

いた場所を確かめてみることは必要でしょうが、

(そんなにいそいでじぶんたちだけでいってみるよりは、)

そんなに急いで自分たちだけで行ってみるよりは、

(そのまえにまずあいかわくんのおうちやけいさつなりに、この)

その前にまず相川君のおうちや警察なりに、この

(ことをしらせ、おとなのてでしらべてもらうのが、かしこい)

ことを知らせ、大人の手で調べてもらうのが、賢い

(やりかたではなかったでしょうか。それに、うんてんしゅも)

やり方ではなかったでしょうか。 それに、運転手も

(うんてんしゅです。そんなたいせつなてがかりを、ほかのひとには)

運転手です。そんな大切な手がかりを、他の人には

(おしえないで、まだしょうがくせいのしょうねんたちにだけしらせる)

教えないで、まだ小学生の少年たちにだけ知らせる

(というのは、なんとなくへんではありませんか。)

というのは、なんとなく変ではありませんか。

(それに、このうんてんしゅは、さんにんがしょうねんたんていだんいんである)

それに、この運転手は、三人が少年探偵団員である

(ことや、bdばっじがそのだんいんのばっじであることを、)

ことや、bdバッジがその団員のバッジであることを、

(いったいどうしてしっていたのでしょう。よくかんがえて)

一体どうして知っていたのでしょう。よく考えて

(みれば、ふしんなことばかりです。ああ、もしや、これ)

みれば、不審なことばかりです。ああ、もしや、これ

(からいくさきには、なにかおそろしいうんめいがまちうけて)

から行く先には、なにか恐ろしい運命が待ち受けて

(いるのではないでしょうか。しかし、しょうねんたちは)

いるのではないでしょうか。 しかし、少年たちは

(たいじくんのゆくえがつきとめられそうなようすに、ただ)

泰二君の行方が突き止められそうな様子に、ただ

(きもちがあせるのみで、そんなことをうたがうよゆうも)

気持ちがあせるのみで、そんなことを疑う余裕も

(ないのでした。)

ないのでした。

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