銀河鉄道の夜 9
四、ケンタウル祭 (2/3)
宮沢賢治 作
宮沢賢治 作
そのまん中にまるい黒い星座早見が青いアスパラガスの葉でかざってありました。
ジョバンニはわれを忘れて、その星座の図に見入りました。
ジョバンニはわれを忘れて、その星座の図に見入りました。
| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | おーすぁま | 8244 | 神 | 8.4 | 97.3% | 218.2 | 1850 | 51 | 45 | 2026/09/05 |
| 2 | りく | 6151 | A++ | 6.2 | 98.0% | 299.3 | 1878 | 37 | 45 | 2026/08/30 |
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問題文
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(そのまんなかにまるいくろいせいざはやみが)
そのまん中にまるい黒い星座早見が
(あおいあすぱらがすのはでかざってありました。)
青いアスパラガスの葉でかざってありました。
(じょばんにはわれをわすれて、そのせいざのずにみいりました。)
ジョバンニはわれを忘れて、その星座の図に見入りました。
(それはひるがっこうでみたあのずよりは、ずうっとちいさかったのですが、)
それはひる学校で見たあの図よりは、ずうっと小さかったのですが、
(そのひとじかんにあわせてばんをまわすと、)
その日と時間に合わせて盤をまわすと、
(そのときでているそらがそのままだえんけいのなかに)
そのとき出ているそらがそのまま楕円形のなかに
(めぐってあらわれるようになっており、)
めぐってあらわれるようになっており、
(やはりそのまんなかにはうえからしたへかけて)
やはりそのまん中には上から下へかけて
(ぎんががぼうとけむったようなおびになって、)
銀河がぼうとけむったような帯になって、
(そのしたのほうではかすかにばくはつして)
その下の方ではかすかに爆発して
(ゆげでもあげているようにみえるのでした。)
湯気でもあげているように見えるのでした。
(またそのうしろにはさんほんのあしのついたちいさなぼうえんきょうが)
またそのうしろには三本の脚のついた小さな望遠鏡が
(きいろにひかってたっていましたし、)
黄いろに光って立っていましたし、
(いちばんうしろのかべにはそらじゅうのせいざを)
いちばんうしろの壁には空じゅうの星座を
(ふしぎなけものやへびやさかなやびんのかたちにかいた)
ふしぎな獣やヘビや魚やびんの形に書いた
(おおきなずがかかっていました。)
大きな図がかかっていました。
(ほんとうにこんなような、さそりだのゆうしだの)
ほんとうにこんなような、サソリだの勇士だの
(そらにぎっしりいるだろうか、)
空にぎっしりいるだろうか、
(ああぼくはそのなかをどこまでもあるいてみたい、)
ああぼくはその中をどこまでも歩いて見たい、
(とおもってたりして、しばらくぼんやりたっていました。)
と思ってたりして、しばらくぼんやり立っていました。
など
(それからにわかにおかあさんのぎゅうにゅうのことをおもいだして)
それからにわかにお母さんの牛乳のことを思いだして
(じょばんにはそのみせをはなれました。)
ジョバンニはその店をはなれました。
(そしてきゅうくつなうわぎのかたをきにしながら、)
そしてきゅうくつな上着の肩を気にしながら、
(それでもわざとむねをはって、おおきくてをふってまちをとおっていきました。)
それでもわざと胸を張って、大きく手を降って町を通って行きました。
(くうきはすみきって、まるでみずのようにとおりやみせのなかをながれましたし、)
空気は澄みきって、まるで水のように通りや店の中をながれましたし、
(がいとうはみなまっさおなもみやならのえだでつつまれ、)
街燈はみなまっ青なモミやナラの枝で包まれ、
(でんきがいしゃのまえのろっぽんのぷらたぬすのきなどは、)
電気会社の前の六本のプラタヌスの木などは、
(なかにたくさんのまめでんとうがついて、)
中にたくさんの豆電燈がついて、
(ほんとうにそこらはにんぎょのみやこのようにみえるのでした。)
ほんとうにそこらは人魚の都のように見えるのでした。
(こどもらは、みんなあたらしいおりのついたきものをきて、)
子どもらは、みんな新しい折のついた着物を着て、
(ほしめぐりのくちぶえをふいたり、)
星めぐりの口笛を吹いたり、
(「けんたうるす、つゆをふらせ。」とさけんではしったり、)
「ケンタウルス、露をふらせ。」と叫んで走ったり、
(あおいまぐねしやのはなびをもやしたりして、)
青いマグネシヤの花火を燃やしたりして、
(たのしそうにあそんでいるのでした。)
たのしそうに遊んでいるのでした。
(けれどもじょばんには、いつかまたふかくくびをたれて、)
けれどもジョバンニは、いつかまた深く首をたれて、
(そこらのにぎやかさとはまるでちがったことをかんがえながら、)
そこらのにぎやかさとはまるでちがったことを考えながら、
(ぎゅうにゅうやのほうへいそぐのでした。)
牛乳屋の方へ急ぐのでした。
(じょばんには、いつかまちはずれのぽぷらのきがいくほんもいくほんも、)
ジョバンニは、いつか町はずれのポプラの木がいく本もいく本も、
(たかくほしぞらにうかんでいるところにきていました。)
高く星ぞらに浮かんでいるところにきていました。
(そのぎゅうにゅうやのくろいもんをはいり、)
その牛乳屋の黒い門を入り、
(うしのにおいのするうすくらいだいどころのまえにたって、)
牛の匂いのするうすくらい台所の前に立って、
(じょばんにはぼうしをぬいで、)
ジョバンニは帽子をぬいで、
(「こんばんは。」)
「今晩は。」
(といいましたら、)
といいましたら、
(いえのなかはしぃんとしてだれもいたようではありませんでした。)
家の中はしぃんとして誰もいたようではありませんでした。