紫式部 源氏物語 絵合 6 與謝野晶子訳

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1 berry 7737 7.8 98.2% 343.8 2708 48 37 2025/03/31
2 omochi 7664 7.9 96.5% 344.7 2739 97 37 2025/03/30
3 subaru 7553 7.8 96.1% 345.4 2717 108 37 2025/03/29
4 HAKU 7101 7.3 97.2% 375.0 2740 77 37 2025/03/29
5 ヤス 6956 S++ 7.3 94.5% 370.6 2735 157 37 2025/03/29

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問題文

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(さだめられたえあわせのひになると、それはいくぶんにわかなことではあったが、)

定められた絵合わせの日になると、それはいくぶんにわかなことではあったが、

(おもしろくいしょうをしたふうりゅうなつつみになって、さゆうのえがかいじょうへもちだされた。)

おもしろく意匠をした風流な包みになって、左右の絵が会場へ持ち出された。

(にょかんたちのひかえざしきにりんじのぎょくざがつくられて、きたがわ、みなみがわとわかれて)

女官たちの控え座敷に臨時の玉座が作られて、北側、南側と分かれて

(はんざがざについた。それはせいりょうでんのことで、にしのこうろうでんのえんにはてんじょうやくにんが)

判者が座についた。それは清涼殿のことで、西の後涼殿の縁には殿上役人が

(さゆうにおもいおもいのみかたをしてすわっていた。ひだりのしたんのはこにすおうのきのかざりだい、)

左右に思い思いの味方をしてすわっていた。左の紫檀の箱に蘇芳の木の飾り台、

(しきものはむらさきじのからにしき、ふくさはあかむらさきのからにしきである。ろくにんのじどうのすがたは)

敷き物は紫地の唐錦、帛紗は赤紫の唐錦である。六人の侍童の姿は

(しゅいろのふくのうえにさくらがさねのかざみ、あこめはべにのうらにふじがさねのあつおりもので、)

朱色の服の上に桜襲の汗袗、衵は紅の裏に藤襲の厚織物で、

(からだのとりなしがきわめてゆうびである。みぎはじんのきのはこにあさかのしたづくえ、)

からだのとりなしがきわめて優美である。右は沈の木の箱に浅香の下机、

(ふくさはあおじのこうらいにしき、つくえのあしのくみひものかざりがはなやかであった。)

帛紗は青地の高麗錦、机の脚の組み紐の飾りがはなやかであった。

(じどうらはあおいろにやなぎのいろのかざみ、やまぶきがさねのあこめをきていた。そうほうのじどうが)

侍童らは青色に柳の色の汗袗、山吹襲の衵を着ていた。双方の侍童が

(このえのはこをごぜんにすえたのである。げんじのないだいじんとごんのちゅうなごんとがごぜんへでた。)

この絵の箱を御前に据えたのである。源氏の内大臣と権中納言とが御前へ出た。

(だざいそつのみやもめされてでておいでになった。このかたはげいじゅつにしゅみを)

太宰帥の宮も召されて出ておいでになった。この方は芸術に趣味を

(おもちになるかたであるが、ことにかいががおすきであったから、はじめにげんじから)

お持ちになる方であるが、ことに絵画がお好きであったから、初めに源氏から

(このおはなしもしてあった。こうしきのおめしではなくて、てんじょうのまに)

このお話もしてあった。公式のお召しではなくて、殿上の間に

(きておいでになったのにおおせがくだったのである。このかたにきょうのしんぱんやくを)

来ておいでになったのに仰せが下ったのである。この方に今日の審判役を

(かめいされた。ひょうばんどおりににゅうねんにかかれたえまきがおおかった。ゆうれつをにわかに)

下命された。評判どおりに入念に描かれた絵巻が多かった。優劣をにわかに

(おきめになるのはこんなんなようである。れいのしきをかいたえも、)

お決めになるのは困難なようである。例の四季を描いた絵も、

(たいかがよいだいざいをえらんでひつりょくもゆうけんにかきながしたものはかちがたかいように)

大家がよい題材を選んで筆力も雄健に描き流した物は価値が高いように

(みえるが、こんどはみなかみえであるから、さんすいがのゆたかにかかれたたいさくなどとは)

見えるが、今度は皆紙絵であるから、山水画の豊かに描かれた大作などとは

(ちがって、ぼんようなものにおもわれているいまのわかいえしもむかしのめいがにちかいものを)

違って、凡庸な者に思われている今の若い絵師も昔の名画に近い物を

など

(つくることができ、それにはまたげんだいじんのこころをひくものもたりょうにふくまれていて、)

作ることができ、それにはまた現代人の心を惹くものも多量に含まれていて、

(さゆうはそうしたえのゆうれつをろんじあっているが、きょうのろんそうはそうほうとも)

左右はそうした絵の優劣を論じ合っているが、今日の論争は双方とも

(まじめであったからおもしろかった。からかみをあけてあさがれいのまににょいんはでて)

まじめであったからおもしろかった。襖子をあけて朝餉の間に女院は出て

(おいでになった。えのかんしきにかならずじしんがおありになるのであろうとおもって、)

おいでになった。絵の鑑識に必ず自信がおありになるのであろうと思って、

(げんじはそれさえありがたくおもわれた。はんざがだんていのしきれないようなときに、)

源氏はそれさえありがたく思われた。判者が断定のしきれないような時に、

(おうかがいをにょいんへするのにたいして、みじかいおことばのくだされるのも)

お伺いを女院へするのに対して、短いお言葉の下されるのも

(かんじのよいことであった。さゆうのかちがまだきまらずによるがきた。)

感じのよいことであった。左右の勝ちがまだ決まらずに夜が来た。

(さいごのばんにひだりからすまのかんがでてきたことによってちゅうなごんのむねはさわぎだした。)

最後の番に左から須磨の巻が出てきたことによって中納言の胸は騒ぎ出した。

(みぎもことにさいごによいえまきがよういされていたのであるが、げんじのようなてんさいが)

右もことに最後によい絵巻が用意されていたのであるが、源氏のような天才が

(せいちょうなしんきょうにたっしたときにしゃせいしたふうけいがはなにもののついずいをもゆるさない。)

清澄な心境に達した時に写生した風景画は何者の追随をも許さない。

(はんざのしんのうをはじめとしてだれもみななみだをながしてみた。そのじだいにどうじょうしながら)

判者の親王をはじめとしてだれも皆涙を流して見た。その時代に同情しながら

(そうぞうしたすまよりも、えによっておしえられるうらずまいはもっと)

想像した須磨よりも、絵によって教えられる浦住まいはもっと

(かなしいものであった。さくしゃのかんじょうがゆたかにあらわれていて、げんざいをもそのじだいに)

悲しいものであった。作者の感情が豊かに現われていて、現在をもその時代に

(ひきもどすちからがあった。すまからするうみのながめ、さびしいすまい、さきざきうらうらが)

引きもどす力があった。須磨からする海のながめ、寂しい住居、崎々浦々が

(みなあざやかにかかれてあった。そうしょでかなまじりのぶんたいのにっきが)

皆あざやかに描かれてあった。草書で仮名混じりの文体の日記が

(そのところどころにはまぜられてある。みにしむうたもあった。だれもほかのえのことは)

その所々には混ぜられてある。身にしむ歌もあった。だれも他の絵のことは

(わすれてこうこつとなってしまった。あっかんはこれであるときまってひだりがかちになった。)

忘れて恍惚となってしまった。圧巻はこれであると決まって左が勝ちになった。

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