オオカミ王ロボ 12

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投稿者投稿者ヤマセミいいね2お気に入り登録
プレイ回数668難易度(4.0) 1345打 長文 かな
シートン動物記
アーネスト・トムソン・シートン作
偕成社文庫

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問題文

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(これはほんのいちれいだが、ようするに、こんなことをくりかえしているうちに、)

これはほんの一例だが、ようするに、こんなことを繰り返しているうちに、

(このどろぼうをしまつするには、どくやくはやくにたたないことがはっきりわかった。)

この泥棒を始末するには、毒薬は役に立たないことがはっきりわかった。

(それでも、わなのにがつくまでおなじことをつづけていたが、)

それでも、罠の荷がつくまで同じことを続けていたが、

(そのりゆうというのは、かんたんである。)

その理由というのは、簡単である。

(こよーてだのそのほかのならずものをころすには、これでじゅうぶんだったからだ。)

コヨーテだのその他のならず者を殺すには、これで十分だったからだ。

(また、ちょうどそのころだったが、ひとつじけんがおこって、)

また、ちょうどその頃だったが、一つ事件がおこって、

(わたしはろぼのあくまのようなちえを、いよいよおもいしらされたことがある。)

私はロボの悪魔のような知恵を、いよいよ思い知らされたことがある。

(だいだい、このおおかみどもには、すくなくともひとつだけ、)

だいだい、このオオカミどもには、すくなくとも一つだけ、

(あそびはんぶんのたのしみしごとがあった。)

遊び半分の楽しみ仕事があった。

(それはにくをくうわけでもないのに、ひつじをただおいちらしてころすことだ。)

それは肉を食うわけでもないのに、ヒツジをただ追い散らして殺すことだ。

(ひつじはふつう、いっせんとうからさんぜんとうぐらいのむれになって、)

ヒツジはふつう、一千頭から三千頭ぐらいの群れになって、

(ひつじかいにまかされている。)

羊飼いにまかされている。

(ひつじかいはひとりのこともあれば、もっといることもある。)

羊飼いは一人のこともあれば、もっといることもある。

(よるになると、あたりでいちばんあんぜんなところにあつめ、)

夜になると、あたりで一番安全な所に集め、

(ひつじかいはむれのりょうがわについてまもりながらねむる。)

羊飼いは群れの両側について守りながら眠る。

(ひつじはたいへんおろかなどうぶつで、)

ヒツジはたいへん愚かな動物で、

(ほんのちょっとしたことにも、いきなりだいぼうそうをおこしたりする。)

ほんのちょっとしたことにも、いきなり大暴走をおこしたりする。

(ところがここに、かれらのみにふかくしみこんだせいしつがある。)

ところがここに、彼らの身に深く染み込んだ性質がある。

(これがまたじゃくてんであるとともに、いいところでもあるのだが、)

これがまた弱点であるとともに、いいところでもあるのだが、

(つまりしどうしゃにはかならずしたがうといううまれつきがある。)

つまり指導者には必ず従うという生まれつきがある。

など

(ひつじかいはこれをりようするのだ。)

羊飼いはこれを利用するのだ。

(まずご、ろくとうのやぎをひつじのむれにまぜておく。)

まず五、六頭のヤギをヒツジの群れに混ぜておく。

(すると、ひつじはこのひげのあるきょうだいを、たいへんしんようしているから、)

すると、ヒツジはこの髭のある兄弟を、たいへん信用しているから、

(よるなにごとかあると、たちまちそのまわりにあつまる。)

夜何事かあると、たちまちその周りに集まる。

(こうしてひつじかいには、むれがそうくずれになることをふせいで、)

こうして羊飼いには、群れが総崩れになることを防いで、

(これをまもることができるのだ。)

これを守ることができるのだ。

(しかし、いつもそううまくいくとはかぎらない。)

しかし、いつもそううまくいくとは限らない。

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