半七捕物帳 勘平の死6

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岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第三話
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 kkk4015 4291 C+ 4.4 96.0% 432.2 1935 80 34 2024/09/27

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(かのじょはしだいにしんけいがたかぶって、ものくるおしいほどにとりのぼせていた。)

彼女は次第に神経が昂ぶって、物狂おしいほどに取りのぼせていた。

(ここでうっかりけしかけるようなことをいったら、やまいぬのようなかのじょは)

ここでうっかり嗾けるようなことを云ったら、病犬のような彼女は

(だれにくらいつこうもしれなかった。はんしちはさからわずに、だまってたばこを)

誰に啖い付こうも知れなかった。半七は逆らわずに、黙って煙草を

(すっていたが、やがてしずかにくちをあいた。)

すっていたが、やがてしずかに口をあいた。

(「すっかりわかりました。ようがす。わたしができるだけしらべてあげましょう。)

「すっかり判りました。ようがす。わたしが出来るだけ調べてあげましょう。

(じょさいはあるめえが、とうぶんはだれにもないしょにして・・・・・・」)

如才はあるめえが、当分は誰にも内証にして……」

(「いくらじぶんのこになっているからといって、かくたろうをころしたおかみさんは)

「いくら自分の子になっているからと云って、角太郎を殺したおかみさんは

(ぶじじゃあすみますまいね。おかみできっとかたきをとってくださるでしょうね」)

無事じゃあ済みますまいね。お上できっとかたきを取って下さるでしょうね」

(と、もじきよはねんをおした。)

と、文字清は念を押した。

(「そりゃあしれたことさ。まあ、なんでもいいからわたしにまかせておおきなせえ」)

「そりゃあ知れたことさ。まあ、なんでもいいから私にまかせてお置きなせえ」

(もじきよをなだめてかえして、はんしちはすぐにでるしたくをした。おくめはあとにのこって)

文字清をなだめて帰して、半七はすぐに出る支度をした。お粂はあとに残って

(あねのおせんとなにかしゃべっていた。)

義姉のお仙と何かしゃべっていた。

(「にいさん。ごくろうさまだね。まったくいずみやのおかみさんがわるいんでしょうか」)

「兄さん。御苦労さまだね。まったく和泉屋のおかみさんが悪いんでしょうか」

(と、はんしちのでるときにおくめはうしろからささやくようにきいた。)

と、半七の出る時にお粂はうしろからささやくように訊いた。

(「そりゃあわからねえ。なんとかてをつけてみようよ」)

「そりゃあ判らねえ。なんとか手を着けてみようよ」

(はんしちはまっすぐきょうばしへむかった。いくらごようききでも、なんのてがかりもなしに)

半七はまっすぐ京橋へ向った。いくら御用聞きでも、何の手がかりも無しに

(むやみにいずみやへのりこんでせんぎだてをするわけにはいかなかった。)

むやみに和泉屋へ乗り込んで詮議立てをするわけには行かなかった。

(かれはかなものやのみせさきをすどおりして、ちょうないのかしらのうちをたずねた。)

彼は鉄物屋の店さきを素通りして、町内の鳶頭の家をたずねた。

(かしらはあいにくるすだというので、かれはそのにょうぼうとふたことみことあいさつしてわかれた。)

鳶頭はあいにく留守だというので、彼はその女房とふた言三言挨拶して別れた。

(「これからどこへいったものだろう」)

「これから何処へ行ったものだろう」

など

(おうらいにたってしあんしているうちに、はんしちはうしろからじぶんをおいかけてきたひとの)

往来に立って思案しているうちに、半七はうしろから自分を追い掛けて来た人の

(あることにきがついた。それはごじゅういじょうのちょうにんふうのおとこで、)

あることに気がついた。それは五十以上の町人風の男で、

(わるいせいかつのひとではないということはひとめにもしられた。)

悪い生活の人ではないということは一と目にも知られた。

(おとこははんしちのそばへきてていねいにあいさつした。)

男は半七のそばへ来て丁寧に挨拶した。

(「まことにしつれいでございますが、おまえさんはかんだのおやぶんさんじゃあ)

「まことに失礼でございますが、お前さんは神田の親分さんじゃあ

(ございますまいか。わたくしはしばのろうげつちょうにかなものとせいをいたしております)

ございますまいか。わたくしは芝の露月町に鉄物渡世をいたして居ります

(やまとやじゅうえもんともうすものでございますが、ただいまあのかしらのうちへ)

大和屋十右衛門と申す者でございますが、只今あの鳶頭の家へ

(すこしそうだんがあってたずねてまいりますと、かしらはるすで、おかみさんをあいてに)

少し相談があって訪ねてまいりますと、鳶頭は留守で、おかみさんを相手に

(なにかのはなしをしておりますところへ、おまえさんがおいでになりまして・・・・・・。)

何かの話をして居ります所へ、お前さんがお出でになりまして……。

(おかみさんにきくと、あれはかんだのおやぶんさんだというので、よいおりからと)

おかみさんに訊くと、あれは神田の親分さんだというので、好い折柄と

(ぞんじまして、すぐにおあとをおってまいりましたのですが、いかがで)

存じまして、すぐにおあとを追ってまいりましたのですが、いかがで

(ございましょうか。ごめいわくでもちょいとそこらまでごいっしょに)

ございましょうか。御迷惑でもちょいとそこらまで御一緒に

(おいでくださるわけには・・・・・・」)

おいで下さるわけには……」

(「ようございます。おともいたしましょう」)

「ようございます。お伴いたしましょう」

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