半七捕物帳 鷹のゆくえ5

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投稿者投稿者さうっちゃんいいね0お気に入り登録
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岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第15話
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 すもさん 5845 A+ 6.1 95.7% 376.9 2306 103 41 2024/04/19
2 やまちやまちゃん 4786 B 4.9 97.0% 445.4 2198 66 41 2024/04/11

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問題文

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(そのきんのすけがまかりまちがえばせっぷくのだいじけんをしでかしていることを、)

その金之助がまかり間違えば切腹の大事件を仕でかしていることを、

(とりさしのろうじんはゆめにもしらないらしかった。それからだんだんはなしてみると、)

鳥さしの老人は夢にも知らないらしかった。それからだんだん話して見ると、

(このろうじんはみついきんのすけというわかいたかじょうにたいしてよほどのこういをもって)

この老人は光井金之助という若い鷹匠に対してよほどの好意を持って

(いるらしく、しきりにかれのしゅっせをいのるようなくちぶりであった。ゆらい、たかじょうと)

いるらしく、しきりに彼の出世を祈るような口ぶりであった。由来、鷹匠と

(えとりとはみっせつのかんけいをもっているしょくむでありながら、そのおりあいが)

餌取りとは密接の関係をもっている職務でありながら、その折り合いが

(どうもよくないもので、えとりにほめられるたかじょうはあまりおおくない。)

どうもよくないもので、餌取りに褒められる鷹匠はあまり多くない。

(そのえとりのろうじんがしきりにきんのすけをほめるいじょう、そうほうのあいだに)

その餌取りの老人がしきりに金之助を褒める以上、双方のあいだに

(とくべつのしたしみがあるらしくさっせられたので、はんしちはむしろこのろうじんを)

特別の親しみがあるらしく察せられたので、半七はむしろこの老人を

(かたらってじぶんのみかたにひきいれようかともかんがえついた。)

語らって自分の味方に引き入れようかとも考え付いた。

(「おまえさんはけさはやくにせんだぎをおでかけになりましたかえ」)

「おまえさんはけさ早くに千駄木をお出かけになりましたかえ」

(「むっつはんごろにでました」と、とりさしのろうじんはこたえた。)

「六ツ半頃に出ました」と、鳥さしの老人は答えた。

(「それじゃあみついさんのことをなんにもごぞんじないんですか」と、)

「それじゃあ光井さんのことをなんにも御存知ないんですか」と、

(はんしちはこごえでいった。)

半七は小声で云った。

(「みついさんがどうかしましたか」)

「光井さんがどうかしましたか」

(「これはここだけのおはなしですが、みついさんはけさおたかをにがしたので・・・・・・」)

「これはここだけのお話ですが、光井さんはけさお鷹を逃がしたので……」

(ろうじんのかおいろはにわかにかわった。)

老人の顔色は俄かに変った。

(「それはどこでにがしたのです」)

「それはどこで逃がしたのです」

(「しながわのまるやといういえのにかいで・・・・・・」)

「品川の丸屋という家の二階で……」

(「まるやで・・・・・・」と、ろうじんはいよいよそのかおをしかめた。)

「丸屋で……」と、老人はいよいよ其の顔をしかめた。

(たかをにがしたぜんごのじじょうをきかされて、ろうじんはといきをついていた。)

鷹を逃がした前後の事情を聞かされて、老人は太息(といき)をついていた。

など

(かれはほとんどとほうにくれたようにそのくびをうなだれたまま、しばらくは)

かれは殆ど途方に暮れたように其の首をうなだれたまま、しばらくは

(なんにもいわなかった。そのくろうのいろがあまりにはなはだしいので、)

何にも云わなかった。その苦労の色があまりに甚だしいので、

(はんしちもすこしくいがいにかんじた。ふつうのしたしみというのをとおりこして、)

半七も少しく意外に感じた。普通の親しみというのを通り越して、

(このろうじんとわかいたかじょうとのあいだには、なにかとくべつのかんけいがあるのではないかと)

この老人と若い鷹匠とのあいだには、なにか特別の関係があるのではないかと

(うたがった。)

疑った。

(このときに、うらぐちからわかいおんながはいってきて、ぬれたたもとやすそを)

この時に、裏口から若い女がはいって来て、ぬれた袂(たもと)や裾(すそ)を

(かままえでかわかしていた。はんしちはふとみると、それはさっきかわばたで)

釜前で乾かしていた。半七はふと見ると、それはさっき川端(かわばた)で

(であったふたりのおんなのひとりで、どこをどうまわってきたのか、)

出逢った二人の女のひとりで、どこをどう廻って来たのか、

(たったいまこのいえへもどったらしい。としのころははたちばかりで、)

たった今この家へ戻ったらしい。年のころは二十歳(はたち)ばかりで、

(いろのしろい、こぶとりにふとった、にくげのないむすめであった。)

色の白い、小肥(こぶと)りにふとった、憎気のない娘であった。

(かれははんしちとかおをみあわせてむごんでえしゃくした。)

かれは半七と顔を見あわせて無言で会釈した。

(「たびたびおめにかかるね」と、はんしちはわらった。「おまえはここの)

「たびたびお目にかかるね」と、半七は笑った。「おまえはここの

(うちのむすめさんかえ」)

家(うち)の娘さんかえ」

(「はい」と、むすめははじめてくちをきいた。「あの、なぬしさんのいえはしれましたか」)

「はい」と、娘は初めて口をきいた。「あの、名主さんの家は知れましたか」

(「しれた。しれた」)

「知れた。知れた」

(このはなしごえできがついたらしく、とりさしのろうじんはおもわずかおをあげて)

この話し声で気がついたらしく、鳥さしの老人は思わず顔をあげて

(むすめのほうをみかえると、むすめはろうじんにむかってもむごんでえしゃくした。)

娘の方を見かえると、娘は老人に向っても無言で会釈した。

(しかもろうじんとかおをみあわせて、むすめのめのいろがにわかにかわったらしいのを、)

しかも老人と顔を見あわせて、娘の眼の色が俄かに変ったらしいのを、

(はんしちはけっしてみのがさなかった。)

半七は決して見逃さなかった。

(ろうじんはふたたびくびをたれてしまったが、むすめはやはりけわしいめをして)

老人は再び首を垂れてしまったが、娘はやはり嶮(けわ)しい眼をして

(ろうじんをじっとながめていた。)

老人をじっと眺めていた。

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