『少年探偵団』江戸川乱歩13
○少年探偵団シリーズ第2作品『少年探偵団』
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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヌオー | 5733 | A | 6.1 | 93.1% | 708.7 | 4384 | 321 | 97 | 2024/12/12 |
2 | baru | 4636 | C++ | 5.0 | 91.8% | 871.7 | 4438 | 396 | 97 | 2024/12/14 |
3 | くま | 2575 | E | 2.8 | 90.5% | 1521.4 | 4373 | 455 | 97 | 2024/12/16 |
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問題文
(「おい、みんな、このみちにbdばっじが)
「おい、みんな、この道にbdバッジが
(ふたつもおちていたんだ。こばやしさんがおとしていった)
二つも落ちていたんだ。小林さんが落として行った
(ものにちがいない。もっとさがせば、まだみつかるかも)
物に違いない。もっと探せば、まだ見つかるかも
(しれない。みんなさがしてくれたまえ。)
しれない。みんな探してくれたまえ。
(そして、おちているばっじをたどっていけば、)
そして、落ちているバッジをたどっていけば、
(はんにんのそうくつをつきとめることができるんだ」)
犯人の巣窟を突き止めることが出来るんだ」
(かつらしょうねんのさしずにしたがってごにんのしょうねんは、)
桂少年の指図にしたがって五人の少年は、
(それぞれまんねんひつがたかいちゅうでんとうをとりだして、)
それぞれ万年筆型懐中電灯を取り出して、
(いっせいにじめんをさがしはじめました。そのさまは、)
一斉に地面を探し始めました。そのさまは、
(まるでしちひきのほたるがやみのなかをとびかっている)
まるで七匹のホタルが闇の中を飛び交っている
(ようです。「あったあった。こんなところに、)
ようです。「あったあった。こんな所に、
(どろまみれになっている」ひとりのしょうねんがすこしさきの)
泥まみれになっている」 一人の少年が少し先の
(ところで、またひとつのばっじをひろいあげてさけびました。)
所で、また一つのバッジを拾い上げて叫びました。
(これでみっつです。「うまいうまい。もっとさきへ)
これで三つです。「うまいうまい。もっと先へ
(すすもう。ぼくらは、こうしてだんだん、くろいかいぶつのほうへ)
進もう。ぼくらは、こうして段々、黒い怪物の方へ
(ちかづいているんだぜ。さすがにこばやしさんは、うまい)
近付いているんだぜ。さすがに小林さんは、うまい
(ことをかんがえたなあ」そしてしちひきのほたるは、)
ことを考えたなあ」 そして七匹のホタルは、
(やみのひろっぱのなかを、みるみるむこうのほうへとおざかって)
闇の広っぱの中を、みるみる向こうの方へ遠ざかって
(いくのでした。ちかしつでは、もうみずがいちめーとる)
行くのでした。 地下室では、もう水が一メートル
(ほどのふかさになっていました。みどりちゃんをだいた)
ほどの深さになっていました。 緑ちゃんを抱いた
(こばやしくんは、たっているのがやっとでした。みずはむねのうえ)
小林君は、立っているのがやっとでした。水は胸の上
(まで、ひたひたとおしよせているのです。てんじょうからの)
まで、ヒタヒタとおしよせているのです。 天井からの
(たきは、すこしもかわらないはげしさで、ぶきみなおとを)
滝は、少しも変わらない激しさで、不気味な音を
(たてて、ふりそそいでいます。みどりちゃんは、このじごく)
たてて、降りそそいでいます。緑ちゃんは、この地獄
(のようなきょうふに、さっきからなきさけんで、もうこえも)
のような恐怖に、さっきから泣き叫んで、もう声も
(でないほどです。「こわくないこわくない。にいちゃんが)
出ないほどです。「怖くない怖くない。兄ちゃんが
(ついているから、だいじょうぶだよ。ぼくはね、およぎが)
ついているから、大丈夫だよ。ぼくはね、泳ぎが
(うまいんだから、こんなみずなんてちっともこわくないん)
うまいんだから、こんな水なんてちっとも怖くないん
(だよ。そして、いまにおまわりさんがたすけにくる)
だよ。そして、今におまわりさんが助けに来る
(からね。いいこだから、ぼくにしっかりつかまって)
からね。いい子だから、ぼくにしっかりつかまって
(いるんだよ」しかし、そういううちにもすいりょうは、)
いるんだよ」 しかし、そう言ううちにも水量は、
(こくいっこくとますばかりで、こばやしくんじしんもふあんに)
刻一刻と増すばかりで、小林君自身も不安に
(たえられなくなってきました。それに、はるとは)
耐えられなくなってきました。それに、春とは
(いっても、みずのなかはみもこおるほどのつめたさです。)
言っても、水の中は身も凍るほどの冷たさです。
(ああ、ぼくはみどりちゃんといっしょに、だれもしらない)
ああ、ぼくは緑ちゃんと一緒に、だれも知らない
(ちかしつでおぼれて、しんでしまうのかしら。)
地下室でおぼれて、死んでしまうのかしら。
(たんていだんのばっじをみちへおとしておいたけれど、)
探偵団のバッジを道へ落としておいたけれど、
(もしだんいんがあそこをとおりかからなかったら、なんにも)
もし団員があそこを通りかからなかったら、なんにも
(なりゃしないのだ。あけちせんせいはどうしているかしら。)
なりゃしないのだ。明智先生はどうしているかしら。
(こんなときにせんせいがとうきょうにいてくださったら、まるで)
こんなときに先生が東京にいてくださったら、まるで
(きせきのようにあらわれて、ぼくらをすくいだしてくださるに)
奇跡のように現れて、ぼくらを救いだしてくださるに
(ちがいないのだがなあ。そんなことをかんがえている)
違いないのだがなあ。 そんなことを考えている
(うちにみずは、もう、のどのへんまでせまってきました。)
うちに水は、もう、のどの辺までせまってきました。
(からだがみずのなかでふらふらして、たっているのもこんなん)
体が水の中でフラフラして、立っているのも困難
(なのです。こばやしくんは、みどりちゃんをせなかにまわして、)
なのです。 小林君は、緑ちゃんを背中にまわして、
(しっかりだきついているようにいいふくめ、いよいよ)
しっかり抱き付いているように言い含め、いよいよ
(つめたいみずのなかをおよぎはじめました。せめててあしをうごかす)
冷たい水の中を泳ぎ始めました。せめて手足を動かす
(ことで、さむさをわすれようとしたのです。でも、こんな)
ことで、寒さを忘れようとしたのです。 でも、こんな
(ことが、いつまでつづくでしょう。みどりちゃんという)
ことが、いつまで続くでしょう。緑ちゃんという
(おもいにもつをせおったこばやしくんは、やがてちからつきて)
重い荷物を背負った小林君は、やがて力つきて
(おぼれてしまうのではないでしょうか。)
おぼれてしまうのではないでしょうか。
(いや、それよりも、もっとすいりょうがまして、てんじょういっぱいに)
いや、それよりも、もっと水量が増して、天井一杯に
(なってしまったら、どうするつもりでしょう。)
なってしまったら、どうするつもりでしょう。
(そうなれば、およごうにもおよげないのです。いきをする)
そうなれば、泳ごうにも泳げないのです。息をする
(すきもなくなってしまうのです。)
隙もなくなってしまうのです。
(「きえるいんどじん」)
「消えるインド人」
(ちょうどそのころ、しのざきはじめくんやすもうせんしゅのかつらしょういちくん、)
ちょうどその頃、篠崎始君や相撲選手の桂正一君、
(はしばそうじくんなどでそしきされた、しちにんのしょうねんそうさくたいは、)
羽柴壮二君などで組織された、七人の少年捜索隊は、
(はやくもいんどじんのとうそうしたみちすじをはっけんして)
早くもインド人の逃走した道筋を発見して
(いました。それはこばやしくんが、いんどじんにゆうかいされた)
いました。 それは小林君が、インド人に誘拐された
(みちのりに、じどうしゃのうえからおとしていった、)
道のりに、自動車の上から落としていった、
(しょうねんたんていだんのばっじがめじるしとなったのです。しちにんの)
少年探偵団のバッジが目印となったのです。七人の
(そうさくたいいんは、よみちにちっているぎんいろのばっじを)
捜索隊員は、夜道に散っている銀色のバッジを
(さがしながら、いつしかれいのあやしげなようかんのもんぜんまで、)
探しながら、いつしか例の怪しげな洋館の門前まで、
(たどりつきました。「おい、このいえがあやしいぜ。)
たどりつきました。「おい、この家が怪しいぜ。
(ごらん、もんのなかにも、ばっじがおちているじゃないか。)
ご覧、門の中にも、バッジが落ちているじゃないか。
(ほら、あそこさ」めざとく、それをみつけた)
ほら、あそこさ」 目ざとく、それを見つけた
(はしばしょうねんが、かつらしょういちくんにささやきました。)
羽柴少年が、桂正一君にささやきました。
(「うん、ほんとだ。よし、しらべてみよう。)
「うん、ほんとだ。よし、調べてみよう。
(みんなふせるんだ」かつらくんがてまねきをしながら、)
みんな伏せるんだ」 桂君が手招きをしながら、
(ささやきごえでいちどうにさしずしますと、たちまちしちにんの)
ささやき声で一同に指図しますと、たちまち七人の
(しょうねんのすがたがきえてしまいました。いや、きえたと)
少年の姿が消えてしまいました。いや、消えたと
(いってもまほうをつかったわけではありません。)
言っても魔法を使ったわけではありません。
(みんながいっせいに、くらやみのじめんのうえにはらばいになって、)
みんなが一斉に、暗闇の地面の上に腹ばいになって、
(ふせのかたちをとったのです。だんいんいちどう、いっしみだれぬ、)
伏せの形をとったのです。団員一同、一糸乱れぬ、
(みごとなとうせいぶりです。そして、まるでくろいへびがはう)
見事な統制ぶりです。 そして、まるで黒いヘビが這う
(ようにして、しちにんがようかんのもんのなかへはいり、じめんを)
ようにして、七人が洋館の門の中へ入り、地面を
(しらべてみますと、もんからようかんのげんかんまでのあいだに、)
調べてみますと、門から洋館の玄関までのあいだに、
(いつつのばっじがおちているのをはっけんしました。)
五つのバッジが落ちているのを発見しました。
(「おい、やっぱりここらしい」「うん、こばやしだんちょうと)
「おい、やっぱりここらしい」「うん、小林団長と
(みどりちゃんは、このいえのどっかにとじこめられているに)
緑ちゃんは、この家のどっかにとじこめられているに
(ちがいない」「はやくたすけださなけりゃ」しょうねんたちは)
違いない」「早く助けださなけりゃ」 少年たちは
(ふせのしせいのまま、くちぐちにささやきました。)
伏せの姿勢のまま、口々にささやきました。
(しちにんのなかでいちばんみがるなはしばしょうねんは、そっとげんかんに)
七人の中で一番身軽な羽柴少年は、ソッと玄関に
(はいあがって、どあのすきまからのぞいてみましたが、)
這い上がって、ドアの隙間からのぞいてみましたが、
(なかはまっくらで、ひとのけはいもありません。「うらのほうへ)
中は真っ暗で、人の気配もありません。「裏のほうへ
(まわって、まどからのぞいてみよう」はしばくんは、)
まわって、窓からのぞいてみよう」 羽柴君は、
(みんなにそうささやいて、たてもののうらてのほうへはいって)
みんなにそうささやいて、建物の裏手の方へ入って
(いきました。いちどうも、そのあとにつづきます。)
いきました。一同も、そのあとに続きます。
(うらてへまわってみますと、あんのじょう、にかいのいっしつに)
裏手へまわってみますと、案の定、二階の一室に
(でんとうがついていて、まどがあかるくひかっています。)
電灯がついていて、窓が明るく光っています。
(しかしにかいでは、のぞくことができません。)
しかし二階では、のぞくことができません。
(「なわばしごをかけようか」ひとりのしょうねんがぽけっとを)
「縄バシゴをかけようか」 一人の少年がポケットを
(さぐりながら、ささやきました。しょうねんたんていだんの)
さぐりながら、ささやきました。少年探偵団の
(ななつどうぐのなかには、きぬひもでつくったてがるななわばしごが)
七つ道具の中には、絹ヒモで作った手軽な縄バシゴが
(あるのです。まるめてしまえば、ひとにぎりほどにちいさく)
あるのです。丸めてしまえば、ひと握りほどに小さく
(なってしまうのです。)
なってしまうのです。