グスコーブドリの伝記2

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1 だだんどん 6866 S++ 7.2 94.9% 60.0 435 23 6 2024/10/01

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問題文

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(そしてとうとうあきになりましたが、やっぱりくりのきはあおいからのいがばかり)

そしてとうとう秋になりましたが、やっぱり栗の木は青いからのいがばかり

(でしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなおりざというこくもつも、)

でしたし、みんなでふだんたべるいちばんたいせつなオリザという穀物も、

(ひとつぶもできませんでした。のはらではもうひどいさわぎになってしまいました。)

一つぶもできませんでした。野原ではもうひどいさわぎになってしまいました。

(ぶどりのおとうさんもおかあさんも、たびたびたきぎをのはらのほうへもって)

ブドリのおとうさんもおかあさんも、たびたびたきぎを野原のほうへ持って

(いったり、ふゆになってからはなんべんもおおきなきをまちへそりではこんだり)

行ったり、冬になってからはなんべんもおおきな木を町へそりで運んだり

(したのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかのむぎのこななどもって)

したのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの麦の粉など持って

(かえってくるのでした。それでもどうにかそのふゆはすぎてつぎのはるになり、はたけには)

帰ってくるのでした。それでもどうにかその冬はすぎて次の春になり、畑には

(たいせつにしまっておいたたねもまかれましたが、そのとしもまたすっかり)

たいせつにしまっておいた種子もまかれましたが、その年もまたすっかり

(まえのとしのとおりでした。そしてあきになると、とうとうほんとうのききんに)

前の年のとおりでした。そして秋になると、とうとうほんとうのききんに

(なってしまいました。もうそのころはがっこうへくるこどももまるでありません)

なってしまいました。もうそのころは学校へくる子どももまるでありません

(でした。ぶどりのおとうさんもおかあさんも、すっかりしごとをやめていました。)

でした。ブドリのおとうさんもおかあさんも、すっかり仕事をやめていました。

(そしてたびたびしんぱいそうにそうだんしては、かわるがわるまちへでていって、やっと)

そしてたびたび心配そうに相談しては、かわるがわる町へ出て行って、やっと

(すこしばかりのきびのつぶなどもってかえることもあれば、なんにももたずにかおいろを)

すこしばかりのきびの粒など持って帰ることもあれば、なんにも持たずに顔色を

(わるくしてかえってくることもありました。そうしてみんなは、こならのみや、)

悪くして帰ってくることもありました。そうしてみんなは、こならの実や、

(くずやわらびのねや、きのやわらかなかわやいろんなものをたべて、そのふゆを)

くずやわらびの根や、木のやわらかな皮やいろんなものをたべて、その冬を

(すごしました。けれどもはるがきたころは、おとうさんもおかあさんも、なにか)

すごしました。けれども春がきたころは、おとうさんもおかあさんも、何か

(ひどいびょうきのようでした。)

ひどい病気のようでした。

(あるひおとうさんは、じっとあたまをかかえて、いつまでもいつまでもかんがえて)

ある日おとうさんは、じっと頭をかかえて、いつまでもいつまでも考えて

(いましたが、にわかにおきあがって、「おれはもりへいってあそんでくるぞ。」)

いましたが、にわかに起きあがって、「おれは森へ行って遊んでくるぞ。」

(といいながら、よろよろいえをでていきましたが、まっくらになってもかえって)

と言いながら、よろよろ家を出て行きましたが、まっくらになっても帰って

など

(きませんでした。ふたりがおかあさんにおとうさんはどうしたろうときいても、)

きませんでした。二人がおかあさんにおとうさんはどうしたろうときいても、

(おかあさんはだまってふたりのかおをみているばかりでした。)

おかあさんはだまって二人の顔を見ているばかりでした。

(つぎのひのばんがたになって、もりがもうくろくみえるころ、おかあさんはにわかにたって)

つの日の晩方になって、森がもう黒く見えるころ、おかあさんはにわかに立って

(ろにほだをたくさんくべていえじゅうをすっかりあかるくしました。それから、)

炉にほだをたくさんくべて家じゅうをすっかり明るくしました。それから、

(わたしはおとうさんをさがしにいくから、おまえたちはうちにいてあのとだなに)

わたしはおとうさんをさがしに行くから、おまえたちはうちにいてあの戸だなに

(あるこなをふたりですこしずつたべなさいといって、やっぱりよろよろいえをでて)

ある粉を二人ですこしずつたべなさいといって、やっぱりよろよろ家を出て

(いきました。ふたりがないてあとからおっていきますと、おかあさんはふりむいて)

行きました。二人が泣いてあとから追って行きますと、おかあさんはふりむいて

(「なんたらいうことをきかないこどもらだ。」としかるようにいいました。)

「なんたらいうことをきかない子どもらだ。」としかるように言いました。

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