グスコーブドリの伝記24

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タグ文学 童話

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(あるひ、ぶどりのところへ、むかしてぐすかいのおとこにぶどりといっしょに)

ある日、ブドリのところへ、昔てぐす飼いの男にブドリといっしょに

(つかわれていたひとがたずねてきて、ぶどりたちのおとうさんのおはかがもりのいちばん)

使われていた人がたずねてきて、ブドリたちのおとうさんのお墓が森のいちばん

(はずれのおおきなかやのきのしたにあるということをおしえていきました。それは、)

はずれの大きなかやの木の下にあるということを教えて行きました。それは、

(はじめ、てぐすかいのおとこがもりにきて、もりじゅうのきをみてあるいたとき、)

はじめ、てぐす飼いの男が森にきて、森じゅうの木を見てあるいたとき、

(ぶどりのおとうさんたちのつめたくなったからだをみつけて、)

ブドリのおとうさんたちのつめたくなったからだを見つけて、

(ぶどりにしらせないように、そっとつちにうめて、うえへいっぽんのかばのえだをたてて)

ブドリに知らせないように、そっと土にうめて、上へ一本の樺の枝をたてて

(おいたというのでした。ぶどりは、すぐねりたちをつれてそこへいって、)

おいたというのでした。ブドリは、すぐネリたちをつれてそこへ行って、

(しろいせっかいがんのはかをたてて、それからもそのへんをとおるたびにいつも)

白い石灰岩の墓をたてて、それからもそのへんを通るたびにいつも

(よってくるのでした。 そしてちょうどぶどりがにじゅうななのとしでした。どうもあの)

よってくるのでした。 そしてちょうどブドリが二十七の年でした。どうもあの

(おそろしいさむいきこうがまたくるようなもようでした。そっこうじょでは、たいようのちょうしや)

おそろしい寒い気候がまたくるようなもようでした。測候所では、太陽の調子や

(きたのほうのうみのみずのようすからそのとしのにがつにみんなへそれをよほうしました。)

北のほうの海の水のようすからその年の二月にみんなへそれを予報しました。

(それがひとあしずつだんだんほんとうになってこぶしのはながさかなかったり、ごがつに)

それが一足ずつだんだんほんとうになってこぶしの花がさかなかったり、五月に

(とおかもみぞれがふったりしますと、みんなはもう、このまえのきょうさくをおもいだして)

十日もみぞれがふったりしますと、みんなはもう、この前の凶作を思いだして

(いきたそらもありませんでした。くーぼーだいはかせも、たびたびきしょうやのうぎょうの)

生きたそらもありませんでした。クーボー大博士も、たびたび気象や農業の

(ぎしたちとそうだんしたり、いけんをしんぶんにだしたりしましたが、やっぱりこの)

技師たちと相談したり、意見を新聞に出したりしましたが、やっぱりこの

(はげしいさむさだけはどうともできないようすでした。 ところがろくがつもはじめに)

はげしい寒さだけはどうともできないようすでした。 ところが六月もはじめに

(なって、まだきいろなおりざのなえや、めをださないきをみますと、ぶどりはもう)

なって、まだ黄いろなオリザの苗や、芽を出さない木を見ますと、ブドリはもう

(いてもたってもいられませんでした。このままですぎるなら、もりにものはらにも、)

いてもたってもいられませんでした。このままで過ぎるなら、森にも野原にも、

(ちょうどあのとしのぶどりのかぞくのようになるひとがたくさんできるのです。)

ちょうどあの年のブドリの家族のようになる人がたくさんできるのです。

(ぶどりはまるでものもたべずにいくばんもいくばんもかんがえました。あるばんぶどりは、)

ブドリはまるで物も食べずにいく晩もいく晩も考えました。ある晩ブドリは、

など

(くーぼーだいはかせのうちをたずねました。 「せんせい、きそうのなかにたんさんがすが)

クーボー大博士のうちをたずねました。 「先生、気層のなかに炭酸ガスが

(ふえてくればあたたかくなるのですか」 「それはなるだろう。ちきゅうができてから)

ふえてくれば温かくなるのですか。」 「それはなるだろう。地球ができてから

(いままでのきおんは、たいていくうきちゅうのたんさんがすのりょうできまっていたといわれる)

いままでの気温は、たいてい空気中の炭酸ガスの量できまっていたといわれる

(くらいだからね。」 「かるぼなーどかざんとうが、いまばくはつしたら、このきこうを)

くらいだからね。」 「カルボナード火山島が、いま爆発したら、この気候を

(かえるくらいのたんさんがすをふくでしょうか。」 「それはぼくもけいさんした。)

かえるくらいの炭酸ガスをふくでしょうか。」 「それはぼくも計算した。

(あれがいまばくはつすれば、がすはすぐだいじゅんかんのじょうそうのかぜにまじってちきゅうぜんたいを)

あれがいま爆発すれば、ガスはすぐ大循環の上層の風にまじって地球ぜんたいを

(つつむだろう。そしてかそうのくうきやちひょうからのねつのほうさんをふせぎ、ちきゅうぜんたいを)

包むだろう。そして下層の空気や地表からの熱の放散を防ぎ、地球ぜんたいを

(へいきんでごどぐらいあたたかにするだろうとおもう。」 「せんせい、あれをいますぐ)

平均で五度ぐらい暖かにするだろうと思う。」 「先生、あれをいますぐ

(ふかせられないでしょうか。」 「それはできるだろう。けれども、そのしごとに)

ふかせられないでしょうか。」 「それはできるだろう。けれども、その仕事に

(いったもののうち、さいごのひとりはどうしてもにげられないのでね。」)

行ったもののうち、最後の一人はどうしてもにげられないのでね。」

(「せんせい、わたしにそれをやらしてください。どうかせんせいからぺんねんせんせいへ)

「先生、私にそれをやらしてください。どうか先生からペンネン先生へ

(おゆるしのでるようおことばをください。」)

おゆるしの出るようおことばをください。」

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