グスコーブドリの伝記25

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プレイ回数758難易度(4.5) 1401打 長文
タグ文学 童話
最終回です

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(「それはいけない。きみはまだわかいし、いまのきみのしごとにかわれるような)

「それはいけない。きみはまだ若いし、いまのきみの仕事にかわれるような

(ものはそうはない。 「わたしのようなものは、これからたくさんできます。わたしより)

ものはそうはない。 「私のようなものは、これからたくさんできます。私より

(もっともっとなんでもできるひとが、わたしよりもっとりっぱにもっとうつくしく、)

もっともっとなんでもできる人が、私よりもっとりっぱにもっと美しく、

(しごとをしたりわらったりしていくのですから。」 「そのそうだんはぼくはいかん。)

仕事をしたりわらったりして行くのですから。」 「その相談はぼくはいかん。

(ぺんねんぎしにはなしたまえ。」 ぶどりはかえってきて、ぺんねんぎしに)

ペンネン技師にはなしたまえ。」 ブドリは帰って来て、ペンネン技師に

(そうだんしました。ぎしはうなずきました。 「それはいい。けれどもぼくがやろう)

相談しました。技師はうなずきました。 「それはいい。けれどもぼくがやろう

(ぼくはことしもうろくじゅうさんなのだ。ここでしぬならまったくほんもうというものだ。」)

ぼくはことしもう六十三なのだ。ここで死ぬならまったく本望というものだ。」

(「せんせい、けれどもこのしごとはまだあんまりふたしかです。いっぺんうまく)

「先生、けれどもこの仕事はまだあんまりふたしかです。いっぺんうまく

(ばくはつしてまもなくがすがあめにとられてしまうかもしれませんし、またなにもかも)

爆発してまもなくガスが雨にとられてしまうかもしれませんし、また何もかも

(おもったとおりいかないかもしれません。せんせいがこんどおいでになってしまっては)

思ったとおりいかないかもしれません。先生がこんどおいでになってしまっては

(あとなんともくふうがつかなくなるとぞんじます。」 ろうぎしはだまってくびを)

あとなんともくふうがつかなくなると存じます。」 老技師はだまって首を

(たれてしまいました。 それからみっかののち、かざんきょくのふねが、かるぼなーどとうへ)

たれてしまいました。 それから三日の後、火山局の船が、カルボナード島へ

(いそいでいきました。そこへいくつものやぐらはたち、でんせんはれんけつされました。)

いそいで行きました。そこへいくつものやぐらは建ち、電線は連結されました。

(すっかりしたくができると、ぶどりはみんなをふねできしてしまって、じぶんは)

すっかりしたくができると、ブドリはみんなを船で帰してしまって、じぶんは

(ひとりしまにのこりました。 そしてそのつぎのひ、いーはとーぶのひとたちは、あおぞらが)

一人島に残りました。 そしてその次の日、イーハトーブの人たちは、青ぞらが

(みどりいろににごり、ひやつきがあかがねいろになったのをみました。けれども)

緑いろににごり、日や月があかがねいろになったのを見ました。けれども

(それからさん、よっかたちますと、きこうはぐんぐんあたたかくなってきて、そのあきは)

それから三、四日たちますと、気候はぐんぐん暖かくなってきて、その秋は

(ほぼふつうのさくがらになりました。そしてちょうど、このおはなしのはじまりのように)

ほぼふつうの作柄になりました。そしてちょうど、このお話のはじまりのように

(なるはずの、たくさんのぶどりのおとうさんやおかあさんは、たくさんの)

なるはずの、たくさんのブドリのおとうさんやおかあさんは、たくさんの

(ぶどりやねりといっしょにそのふゆを、あたたかいたべものと、あかるいたきぎで)

ブドリやネリといっしょにその冬を、暖かいたべものと、明るいたきぎで

など

(たのしくくらすことができたのでした。)

たのしく暮らすことができたのでした。

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