グスコーブドリの伝記14

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問題文
(ぐんぐんしけんがすんで、いよいよぶどりひとりになりました。ぶどりはそのちいさな)
ぐんぐん試験がすんで、いよいよブドリ一人になりました。ブドリはその小さな
(きたないてちょうをだしたとき、くーぼーだいはかせはおおきなあくびをやりながら、)
きたない手帳を出したとき、クーボー大博士は大きなあくびをやりながら、
(こごんでめをぐっとてちょうにつけるようにしましたので、てちょうはあぶなくだいはかせに)
こごんで目をぐっと手帳につけるようにしましたので、手帳はあぶなく大博士に
(すいこまれそうになりました。 ところがだいはかせは、うまそうにこくっとひとつ)
すいこまれそうになりました。 ところが大博士は、うまそうにこくっと一つ
(いきをして、 「よろしい。このずはひじょうにただしくできている。)
息をして、 「よろしい。この図は非常に正しくできている。
(そのほかのところは、なんだ、ははあ、ぬまばたけのこやしのことに、)
そのほかのところは、なんだ、ははあ、沼ばたけのこやしのことに、
(うまのたべもののことかね。ではもんだいをこたえなさい。こうじょうのえんとつからでる)
馬のたべもののことかね。では問題を答えなさい。工場のえんとつから出る
(けむりには、どういういろのしゅるいがあるか。」 ぶどりはおもわずおおごえにこたえました)
けむりには、どういう色の種類があるか。」 ブドリは思わず大声に答えました
(「くろ、かつ、き、はい、しろ、むしょく。それからこれらのこんごうです。」だいはかせは)
「黒、褐、黄、灰、白、無色。それからこれらの混合です。」大博士は
(わらいました。 「むしょくのけむりはたいへんいい。かたちについていいたまえ。」)
わらいました。 「無色のけむりはたいへんいい。形について言いたまえ。」
(「むふうでけむりがそうとうあれば、たてのぼうにもなりますが、さきはだんだん)
「無風でけむりがそうとうあれば、たての棒にもなりますが、さきはだんだん
(ひろがります。くものひじょうにひくいひは、ぼうはくもまでのぼっていって、そこからよこに)
ひろがります。雲の非常に低い日は、棒は雲まで昇って行って、そこから横に
(ひろがります。かぜのあるひは、ぼうはななめになりますが、そのかたむきは)
ひろがります。風のある日は、棒はななめになりますが、そのかたむきは
(かぜのていどにしたがいます。なみやいくつもきれになるのは、かぜのためにも)
風のていどにしたがいます。波やいくつもきれになるのは、風のためにも
(よりますが、ひとつはけむりやえんとつのもつくせのためです。あまりけむりの)
よりますが、一つはけむりやえんとつの持つくせのためです。あまりけむりの
(すくないときは、こるくぬきのかたちにもなり、けむりもおもいがすがまじれば、)
少ないときは、コルク抜きの形にもなり、けむりも重いガスがまじれば、
(えんとつのくちからふさになって、いっぽうないししほうにおちることもあります。」)
えんとつの口からふさになって、一方ないし四方におちることもあります。」
(だいはかせはまたわらいました。 「よろしい。きみはどういうしごとをしているのか。)
大博士はまた笑いました。 「よろしい。きみはどういう仕事をしているのか。
(「しごとをみつけにきたんです。」 「おもしろいしごとがある。めいしをあげるから)
「仕事をみつけにきたんです。」 「おもしろい仕事がある。名刺をあげるから
(そこへすぐいきなさい。」はかせはめいしをとりだしてなにかするするかきこんで)
そこへすぐ行きなさい。」博士は名刺をとりだして何かするする書き込んで
(ぶどりにくれました。ぶどりはおじぎをして、とぐちをでていこうとしますと、)
ブドリにくれました。ブドリはおじぎをして、戸口を出て行こうとしますと、
(だいはかせはちょっとめでこたえて、 「なんだ、ごみをやいてるのかな。」とひくく)
大博士はちょっと目で答えて、 「なんだ、ごみを焼いてるのかな。」と低く
(つぶやきながら、てーぶるのうえにあったかばんに、ちょーくのかけらや、)
つぶやきながら、テーブルの上にあったかばんに、チョークのかけらや、
(はんけちやほんや、みんないっしょになげこんでこわきにかかえ、さっきかおを)
ハンケチや本や、みんないっしょに投げこんで小わきにかかえ、さっき顔を
(だしたまどから、ぷいっとそとへとびだしました。びっくりしてぶどりがまどへ)
だした窓から、プイっと外へとびだしました。びっくりしてブドリが窓へ
(かけよってみますといつかだいはかせはおもちゃのようなちいさなひこうせんにのって、)
かけよって見ますといつか大博士はおもちゃのような小さな飛行船に乗って、
(じぶんではんどるをとりながら、もううすあおいもやのこめたまちのうえを、まっすぐ)
じぶんでハンドルをとりながら、もううす青いもやのこめた町の上を、まっすぐ
(むこうへとんでいるのでした。ぶどりがいよいよあきれてみていますと、)
向こうへ飛んでいるのでした。ブドリがいよいよあきれて見ていますと、
(まもなくだいはかせは、むこうのおおきなはいいろのたてもののひらやねについて、ふねをなにか)
まもなく大博士は、向こうの大きな灰いろの建物のひら屋根について、船を何か
(かぎのようなものにつなぐと、そのままぽろっとたてもののなかへ)
かぎのようなものにつなぐと、そのままぽろっと建物の中へ
(はいってみえなくなってしまいました。)
はいって見えなくなってしまいました。